2025/10/25 のログ
■ドリィ > 「そ。あの海域にある海溝に竜の巣があるって噂だけど、――真偽の程はどぉかしら。
ともかく、そんなカンジだからー… 他の船も期待はほぼ確でゼロ。」
黒革のスーツに包まれた、肉感的な曲線。
其処に向いている不躾にして悪びれぬ視線にも女は女で全く動じない。
見られる事に馴れている。そんな風情にて、どうにもユルい口振りにて続け。
「なのでぇー… もぉ、飲むっきゃナイでしょ。
食べ歩き? なぁに、驕ってくれちゃうの?稼ぎもポシャッたのに太っ腹じゃない。」
あら、とばかりに見開いてみせる愛嬌含みの双眸。
調子のいい相手の口振りは耳に小気味好い。
真心と下心をきっちり込めてくれるらしい相手の名乗りに、――あぁ、なァるほど、と女は得心した。
竜殺しの英傑、或いは――悪魔も慄く悪童。
そりゃあ女が声を掛けたくなる筈だ。そんなのは、存在そのものが面白過ぎる“価値”だろう。
女の目利きが利かぬ筈がないのだ。
「そぉね。この辺に暮らしてたコトがあるから、それなりには。
あたしはドリィよ。 ――好き嫌いや御希望はあるかしら?」
爪先向く先はおいおい決めるとして。取り敢えずは――歩き出そうか。
■ゼオン > 「陸に造れよマジであいつ等。ちょっとぐらい海から出てもペント感消えねえっしょ。
つか流石に海の中はきついわ、てか気が乗らね……。」
軽率な振舞いに反して、相手の力量を見定めようとする視線は相変わらず這うが、
それ以上に肢体の曲線に合わせて設えたスーツがよりその豊かな肉感を際立たせる。
うん、見てしまう。
「金なんて稼ぎゃいいじゃん。それにドリィと話してて乗り気になったしペント狩りはやるだろうしさ。」
誘ったのに金ねえから我慢してねとかダサいっしょなどと言いつつ、歯に布着せぬどころか
下手に期待を隠すほうが却って心象が悪いことを心得てるようで。
それは悪童故の何一つ引け目なく振舞う横暴さ、ある意味では半端な聖職者より堂々と嘘を吐かず正々堂々とした振舞いで。
そして、相手も値踏みをした果てに、面白いと感じてくれたことを悟ったように笑って。
「俺好き嫌いとか食事制限とか縁がねーのよ。エラくない?
……てか俺のこと知ってるっぽい感じか。取って食わねえから安心してねー」
などと言いつつ、海風へそろそろ嫌気がさして来たように貴女と連れ立って街へと向かう。
……心なしか、男と連れ立てば冷え込む風が心なしか和らいで、よく観察すれば風は決して弱くないと言うのに髪が一抹も揺れることなく。
矢避けの魔術を風避けに使って、そして貴女の体が冷えないように言外にエスコートしていて。
■ドリィ > 「陸ってのはー… ちょぉっと可哀想な絵面じゃあない?
そぉう? でも、巣を見つけられたらチャリンチャリーン的にもオイシイし?
あたしも多少興味はあるんだケドー…」
水棲竜の巣でしか育たない稀少鉱物等もある。
正直そういったものには非常に惹かれるからしてー…もし相手が乗り気になるなら
海竜退治の御相伴に与ってもイイかも知れない、と思うのだ。
何せ、男の名乗りがゼオン=アグラルヴァであるならば、――そう。
下手にパーティを集うよりも勝率は余程跳ねあがる。断然に引きが良い。
「そりゃあ名前はね。でも、それなら尚更。
イイ女を取って喰って男を下げる莫迦。そぉゆうタイプじゃあないでしょ?」
おそらく、敢えて愉しくない方向に賽を振るタイプじゃない。
確信があった。そうでなきゃあ此方が詰まらない、というだけだけど。
「オッケー。じゃあ、好き嫌いの無いイイコなゼオン君にはー…
ンー…そぉね。折角だからダイラス名物、通好み海鮮バルってトコかしら。」
女の靴先は迷いも澱みも無い。港町を歩く優雅な黒猫めいて先導する。
青年のスマートなエスコート、その気配を感じながら辿り付くは
港街より僅かに抜けた潮風薫る路地裏、一軒のこじんまりとした酒場だ。
気取った店というよりは、蔦に覆われ海風に草臥れて、随分と“玄人”好みな。
二階には宿。但し。御利用と相成るかは――扠。それは彼次第。
店主と一言二言交わせば、奥まったスツール席へと。
■ゼオン > 「今俺陸に巣作りしてるペント出てきたら苦しませないで優しく討伐する自信まである。
んでもドリィはどっか行き先あるんじゃねーの?
てかペント狩りに乗っかりたいって顔してっけど……、ドリィならむしろ依頼主に紹介したらまとめて雇いたいんじゃね?」
自分と出会ったことが幸運、という心中を察したように、自分と組まなくてもスカウトとしての知識、天候への見解等は引く手数多であろうと首をかしげて。
「え、取って食うかは気分次第。そも取って食われたい願望ある奴は一択ですし?
でも今日はそういう気分じゃねーってか、クソ滅入ってる時にドリィ引き上げてくれたじゃん?
そらもう扱いはプリンセスでしょ。」
読み通り面白いか面白くないかが全ての行動原理のような男。
だがそれ以上にそれこそ一期一会であろうかと。
それぐらい今日の出会いは渡りに船だからこそ財布のひもも緩くなるというもので
「バルも当たりはずれあるから案内してくれんならめちゃありがてえわ。
なんでタコ嫌いな奴意外と多いんだろね?」
後ろを歩きながら港町なりのエスコートを果たしながらその背中を追う。
優雅な歩み、それこそ煽情的な身なりだと言うのに在り方に、気配になんら陰りがない、ように思えたが、どこか一抹の染みのようなイメージが頭をよぎる。
イイ女に看破とかするのは無作法だしダサいので呪いの宝石のことに気づくことなく
年季の入った地元の者達が行きつけとなるような店に期待を覚えつつ
併設された宿を一瞥して。
「やっぱ地元の店って感じだなぁ。良い感じ良い感じ♪」
ちらほらと地元の漁師らしい人影も見て上機嫌。
「そういやドリィって基本ソロなん? トレジャーハンターメインって感じ?」
人を頼る、誰かありきの連携を感じない在り方にふとそんなことを聞いて
■ドリィ > 「――…ッ、あは。流石の自信ね。
ン?行き先ー…あった?忘れちゃった♡ 誘惑に弱いの、あたし。
狩りたいってより、興味があるのはツアーオプションかしら。
竜燐鉱だとか、あとはー…血珠だとか。どっちかってゆぅとソッチね。」
竜の変異鱗より成る鉱石や、特別条件下で凝る血石だとか。唱えるはレアリティの高い採取品。
興味は専ら副産物たる“価値”。従って、余裕が生じる討伐なら尚更良し。行き先変更なんて安いもの。
「なァるほど。――噂に翳り無しッてヤツ。
そんな“悪童”サマにプリンセス扱いされるのも悪い気はしないカモ。」
扉を潜れば店主への気安い挨拶一言二言に奥まった席へと陣取っては、
女は艶革に包まれた張りの良く長い脚ゆったりと組み。
馴れた様子にて艶帯びた爪先がくるりと踊り、壁に書かれた手書きのメニュー見遣ってアレやコレやと注文し。
ついでに「今日イチバン美味しいヤツ、お願い♡」なんてウインクひとつに締め括り。
「ココのマスターも、昔は腕利きの船乗りだったんですって。
酒も結構変わったのがあってー… 一杯目はぁー…
せっかくだし?今HOTな海棲竜の巣のある海溝に沈めて熟成させたっていう――…こーれ!」
歳月に曇り、貝の付着した陶瓶のボトルよりなみなみと注がれる琥珀色。
片方の杯を相手へと指でつぃと押し。
「あたしはー… そ。基本ソロ。
好きなコトだけしてたいしー…美味しいスリルだけ拾いたいですし?」
■ゼオン > 「フッ軽~♪ いいねえそういう割り切れてる感じ♪
竜属ってそう考えるとおもしれーよなぁ。いるだけでそう言うの生成しちまうんだから。」
昔は竜が集めた財宝と呼ばれていたそうだが、研究が進んで竜の住処からしか見つからない、
転じて竜そのものから生成されたものだと分かったと言う経緯をどこかで聞いて思い出す。
なるほど、そういう採取も考えてなかったなと、毛色が違う腕利きと話す妙に機嫌がよくなり。
「未だに悪態吐きながら煽ってきて取って食われる知り合いとかいるしね。
もう普通にやろうぜっつってもお前のこと嫌いって言われるしさぁ……。
ほら俺昔話の恩返しする動物みたいな愛嬌あるっしょ?」
案内されて見渡す店内は王都の平民地区とも違う、雑多だが喧騒にまみれた活気に口笛一つ。
そして注文に手慣れている貴女にオーダーを任せて、組んだ足に視線を向けもする。
下心がむしろ誇りだと思ってる節さえ感じる。
「マジ漁師髭かあれ。漁師ってクソほど酒飲みっていうもんな……。
……あ、それ聞いたことあるやつ! 海に沈めたらすげぇ熟成進むってやつっしょ!
すっげ、普通にあるんだこの店やっべ♪」
杯を勧められれば手にして、まずは乾杯。
荒さを感じる芳醇さは年代物のそれとは別種の味わいに先ほどまでの憂鬱が容易く消し飛んでしまうほどで
「知り合いにもソロの腕利きスカウト知ってるけどさ、やっぱ自分のスキルを活かして貢献、
ってのが誰にでもって感じじゃねーのね。
……でも俺とは組んでくれるんだ♪」
美味しいスリル、と言われて役得に預かる下心など見通してるだろうに、
不機嫌になるどころか愉快そうに笑っていて。
だがその中でも貴女の表情を見ている。
味わいたいのは女。だがそれは体だけの話ではなくて。
■ドリィ > 「竜はやっぱり採れるモノもなかなかこぅ、魅力的てゆぅかー…。行けるときに行っとかないと。
ほら、逆鱗にのみ寄生する蟲から映える茸、なんてのもあるっていうし。奥深いわよねぇ。」
女の専門は、討伐よりも其方寄り。故に、何なら討伐の手柄は全て相手に譲ってもいいくらいだ。
永きを生きる強大な種族。古竜なんてのはまた、垂涎のレアリティの素材が採れるらしいし。
ウンウン。相手の言葉に同意しながら女も機嫌良く。
「ソレ、煽ってるんじゃなくてマジギレだったりしない?ダイジョウブ?
恩返しと見せ掛けてー…牙向いてくる動物説もありそうだケド、
愛嬌は…ンー…確かに。自信満々で生意気なトコロが可愛くはある。」
ムム、眉根に皺。頷いた。恐らく天性なのだろう、目を惹く青年だと思う。
屈託無さすら感じる無縫な振る舞い。気安く砕け乍らにそれでいて、明晰な弁舌。
十分女に事欠かないだろうし、歳上的には可愛がりたくなる愛嬌すら。
恐らく、――育ちも悪くないのではないか、とはこれは女の予想だけれど。
「ハイ。乾杯♪
マスター、いつもイイ酒隠してるから大好きなの♡
――――…で、さっきの話にも戻るケドー…
竜なんてソロのスカウトが、一人で挑むには難儀じゃない?
それなら、偶然バッタリ出遭っちゃった竜殺しなんて、――そりゃあ、ねえ?」
利用する“価値”がある、と。女は臆面無く囁いた。
それと、もうヒトツ。
「そぅ、あとは――… 単純。
悪童にして“英傑”。
見てみたいじゃあない? 男のギャップにも弱いの。あたし。」
くぃ、手首返しては酒杯を呷り、――湿った唇舐めて。
■ゼオン > 「あれっしょ? サカシマノナエタケ。あれアニキ分に滅茶取りにいかされる……。
別にいいんだけど、飽きる……。」
寄生茸だけを取りに行かされるような、まるで竜の巣以外でどこかで集約してる場所を知ってるようなげんなり具合。
だから他のも見られるし取れるならありかぁ、などとこぼして。
「いーやぁ? ……だって俺の命令通り下着つけてないんだもの……、ねえ?
正直ドリィの送り狼にはなりたいよー? それよく言われる。超不本意だけど悪い気しねーの♪」
予想通りと言うべきか、相応に真っ当に振舞う相手はいるらしく、だからこそ、人を選ぶのだろうとは想像しやすく、それはまさに貴族等の育ちが良い故のふるまいにも見えるだろうか。
「ほへ、てっきりドリィも竜眠キメてんのかと思ったけど、んー、そか、
それなら乗っかるのはありかー。」
ぽろりと、誰かが使っているらしい秘伝らしきものを口にしながら、下手な駆け引きなどせず
利用してると公言してると同然の物言いにもなるほどと頷くばかり。
悪童、英傑は多くのことが成し得て当たり前なのか、思い通りにならなければ
激昂するかとことん落ち込むかの二極。その片方を解消された相手ともなれば、
力になれるなら助力もする独特の仁義を見せて。
「……へぇ。そういや名前に気づいた上で、だもんなあ。
ほんと、ここまで良いように言われてここまで品定めされても面白いって思っちまうってか♪
ほんと、ドリィじゃなかったら殺してるかもだわ♪」
何気ない言葉。悪意も敵意も害意もない言葉。
だが、成し得るのだという確信が貴女の中に何の根拠もなく浮かぶだろうか。
酒場の片隅の席。射程圏内。
そんなことを男が貴女にするはずもない。
だが、そこには確かに”貴女の呪いがもたらした危機回避能力を凌駕する致命の危機”にして
貴女の要望であれば受け入れる”絶対の刃”という莫大な”価値”が目の前にぶら下がる。
「あ、でも俺ちゃんと避妊する系だからそこんとこはしっかり線引きするからね。
どこでも撒いたら駄目なんだってさー」
まして、貴女を孕ませる気もないのだと”価値”は口にして。
■ドリィ > 「そう――…ソレ!
てゆぅかなァんかー…、価値も大暴落な物言いなんですけどォ…」
女が複雑な口振りで言葉を連ねた。めっちゃ飽きる程取りに行くとはこれ如何に??である。
つまりはそれを成し得る力量があるということだ。成る程、コレはとんでもない類だ、と。
「イヤイヤ、やっぱりソレ、マジギレだから。
なァるほどー… 生意気で愛嬌のある可愛い悪ガキってカンジかしら。
ほぅん。こー…れー…はーぁ……笑っちゃうほどタチ悪いヤツ!」
マジギレしても万が一にも敵わぬ圧倒的な強者。
出遭いによっては厄災以外の何者でもないだろうと想像は容易い。
繕ってみせる渋面は、果たして本当に繕ったものか。半ばの本心であったかも知れないが。
兎角にも。
竜眠。言及はせぬも言葉は記憶に留め置いた。
それよりも、だ。今は目の前の青年より向く言葉に気を向けるべきだろう。
如何せん、青年自身が諸刃の剣のようなもの好奇で帯刀するには切れ味が良すぎる傑物だ。
女は戯けたように肩を竦める。杯を掌で弄び乍ら。
「あら。 あたしを殺すなんて勿体ない。
ゼオンが思ってるより、あたしずぅっと高い女よ?
――竜殺しと釣り合うくらいには。」
口説き、或いは口説かれる“価値”がある、と。女は小頚傾ぎ囁く。
口調だけは何処迄もユルく。
それを嘘と取るか、実と取るかは相手次第。
「だから、どうかしら? ――食事を終えたら、もう少し込み入った“相談”でも。」
■ゼオン > 「いや、どこぞの研究に卸す? とかで? 市場に出回らないから安心してむしり取ってこーいって、馬車馬、俺が、馬車馬」
どうにも金銭取引によるものではないらしいが、それ故に得もないらしく目が若干死んでる。
だが、死んでるだけで不満を感じないのは不思議なもので。
「でもいざヤッたら自分で腰ねっとりと動かすよ? さっさと終われって感じじゃなくて
まあ面白くない相手には滅茶苦茶するからね俺♪ ま、それでも面白いのは、最近はそういう風に絡んでくる奴が増えてきたってことかなぁ。」
口はまだしも胎は正直だよねと表情で言外に同意を求めて来る有様。
この国にあって風評で人生を狂わされる女性は数知れず、それは男の、それもやっかまれるほどに順風満帆であれば尚のことで。
だが、そうあれば例外なく蹂躙する。それを成し得るからこその反英雄で。
「それこそドリィを殺るなんてもったいなさ過ぎるてか、まず思わねーし。
高いってか、ドリィは高い安いで言ってイイ女じゃねーじゃん?
ん-……、こういう話する相手だから聞くけどさ、そも釣り合うってか、
俺の価値って結局他の奴が勝手に言い出したことが大半じゃん?
俺自身崇高な意志? とか 高潔な志? 的なもん一切ねーしさ。
俺のほうこそそんな大層か? って思うのよ。
少なくとも俺はクソガキ扱いしてくる年上に小言言われて嬉しくなる程度のガキだからねぇ~。
それこそ、そういうの抜きにして”相談”するならただの男と女として話し込んだらいいんじゃね?」
そもお互い腹に一物含まずに話しているだろうと笑う。
魔族喰い、竜殺し、諸刃の業物。
ただたまたま持ち得ているからそう扱われるだけで、周囲には年相応の感性を見せる相手がいないだけで。
そして相談を受け入れるが、それで食事にがっついてすぐに部屋にいこうとせず、
案内して紹介してもらったのだから舌鼓を打ってから向かおうとするだろう
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からドリィさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からゼオンさんが去りました。