2025/09/27 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 昼時の倉庫街。
船着き場の船から降ろされた荷を運び込む人足が行き交う中を、暇そうな面を下げて
ブラブラと歩く、銀色と赤の特徴的なジャケットを羽織った金髪の男が一人。
一見何の気になしに歩いているように見えるが、男は人と人の合間をスルスルとスムーズに通り抜けており、誰にもぶつかりそうな気配はなく。
男は冒険者として、倉庫街の警備の依頼を受けてここに来ている。
とはいえ──これまで特に何事もなく時間は過ぎ、男は暇を持て余していた。
……なお実際にはつい先程、近場の酒場で酔っぱらい同士の喧嘩が勃発し、その仲裁に入った末に、
両名とも埠頭から海に放り込んだりもしたのだが、男的にはそれは特筆すべき『何事か』にはカウントされないらしい。
「──くーわわわ……ンン、暇すぐる。時間まで屯所でサボってようかにゃあ……」
大欠伸の後に、そんな怠惰な独り言が口をついて出てくる。
それでも一応すぐさま職務放棄をするつもりはないのか、面倒そうな顔のまま巡回は続けていて。
■エレイ > その後も、何事もなく平和に時間は過ぎて──
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にドリィさんが現れました。
■ドリィ > 「ほぉん? なァーるほどぉ…、クラーケン。」
船員から欠航の仔細を聞くにつけ、女は夕暮彩の双眸を丸くした。
――海域に出没した船を戯れに害する巨大な魔物。
一隻の商船が遭遇し、被害を被った、と。
その名は冒険者でなくとも港町なら寝物語に子供でも知るだろう。
しかして、出遭うことはそうそう無く稀。運の悪い災厄のようなものなのだから、
寧ろ、出港を回避できたことを僥倖と取るべきか。
「そぉなるとー…上手く運んで明日ぅー…… ホントに出るのかしら?」
頚を傾げば、こればかりは、と肩を竦める船員に苦笑を返す。
そりゃそう。海魔の御機嫌なぞ知るわきゃ無い。
さぞかし敏腕の航海士がいることを願うばかり、として。
それならば。
かつん、とブーツの踵を鳴らして歩を返す。今宵の乗船を逃した女がするべきは一つだけ。
「まーさーかーのー…宿探し、スタート!――… てヤツ?」
指先が厚ぼったく艶やかな下唇を、捻る。さぁてどうするか。
一先ず足は港を抜け、宿場街へと向かうべく。