2025/09/10 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にゲクランさんが現れました。
■ゲクラン > 夕刻に着いた船の荷下ろしを手伝う。これで船台が安くなるわけでもないが、偶には良い事が起こったりもする。
全ての荷を下ろして倉庫まで運んだ後に、思いのほか早く終わったお礼にと一ダース分のエールの瓶が詰まった箱を渡されて。
それを肩に担いだまま途方に暮れる。
「いや、ありがてぇけど、加減ってもんをだな……。」
宿に運ぶには運ぶけれど、流石に箱も嵩張り邪魔が過ぎる。船着き場を遠目に眺める端の公園まで歩を進めればそのベンチに腰を下ろし目の前に箱をどしん、と置いた。
「まっ、それはそれとして、折角の貰いモンだし飲まなきゃ悪いわな。」
栓抜きも道具も無い、が馬鹿力だけはある。王冠に指を引っ掛けて力を加えれば簡単に、中身が噴出し泡を立てる瓶の出来上がり。
それを思いきり逆さに煽って、一本を一口でまるまる、飲み込んで行った。
そんな乱暴な飲み方をすること、2本、3本っと……。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にセニアさんが現れました。
■セニア > 「あっつー……」
今日も今日とて荷下ろしの仕事も終わり、ゆるゆると宿の方へと向かう最中。
手にはエール瓶2本。
体格がよく、相当な力持ちがいたお陰で予定より早く終わったのでと大盤振る舞い的にふるまわれたのだが、そんなに持てるわけもなく、出来れば貰える限り貰いたいものの、それを抱えて折角ひいたのにまた汗だくになりながら、宿に帰るのか?と自答して。
手に持てる分、2本だけ貰った。
何でもそいつはダース抱えて持って帰ったようだが。
「いやーでも早く終わるのは助かったなー」
などと呟きながら、途中帰り道に公園を通ろうとして、ふと見ればベンチに座る大男。
その前にはダースのエール瓶と。
仕事場で見覚えがある、つまり彼がその力持ちだろう。
と納得して。
大体普通ならそのまま素通りなのだが、こちらとしてもあの汗臭く、暑い職場をさっさと帰れたのでお礼の一つでも言ってやろう、などと気紛れを起こして。
「おつかれさまー」
と軽くだけ挨拶しようと近づいた。
こちらは見覚えがあったが、向こうはこちらは見てないのかもしれないがとりあえず同じエール瓶を持ってれば同じ仕事場に居た、ぐらいは気づいてもらえるかなー程度に考えて。
■ゲクラン > 喉を潤す。まるで水を飲むかのように軽々と空けて行く酒瓶。
飲めば元の位置へと戻し、足元には王冠が散乱する、丁寧なんだか雑なんだか、何れにせよその場を去る前に片付けるつもりではあるのだが──。
そんな、4本目に手を掛けようとしていた矢先、掛けられた声に暫く固まる。
まだまだ酔う程でないにせよ、少なからず女性側から声を掛けられることも早々無い身、だからこそ色々思案をするものの。
彼女の手に同じ瓶がぶら下がる、それに気づけば、またプシュ、と指で王冠を弾いて、口にもつけずに逆さにすれば一気に流し込んで行った。
「ぷ、はぁ──。 なんだ、嬢ちゃんも荷下ろししてたのか、そのほそっこい腕で。 なんつーか、お疲れさんだな。」
幾人かの女性が居たのは覚えていたが、仕事中にそれに感ける程でもなかったようで、とりあえずベンチ周りに飛んだ王冠を拾い集めてからもう一度ベンチに腰を下ろすと。
「宿に持って帰るにしても、量が量なんでな。良かったら手伝ってくれねーか?」
とはいえ既に1/3は空にしている状態。アルコールと暑さの所為か少しばかり汗ばみ火照る身体はその身に刻んだ傷跡を少し鮮明に映して。
この場で飲むでもよし、追加で持ち帰るもよし、とにかく手伝ってくれと。ベンチの隣を豪快に、バンバンと叩いて見せた。
■セニア > 「そうそう、このほそっこい腕でやってたんですよ。で、あの汗臭くとあっつい職場からさっさと帰れたからお礼でもってね」
男から返事が返ってくれば、まいっちゃうよね、という様に肩を竦める。
実際は何だかんだと訓練しているのでそこまで苦にはしていないのだが。
彼女の場合ーーー色々と酔った勢いで水夫と喧嘩をしたせいで、その人手を補う代わりに働いており完全に自業自得なのだがそんな事は彼は知る由もないし、聞かれなきゃ黙っておいて。
「えーいいの?」
やった、と言わんばかりにジト目を少しだけ細めてにた、と笑う。
呑むのは好きだし、持ち帰れるなら持ち帰れるだけ持ち帰りたかったので渡りに船だと言わんばかりに。
よ、っと軽い動きで隣に座って。
隣に座ればその大きさと、身体の傷に少しばかり目が行くが。
とはいえーーーその傷が勲章である場合もあるし背けたい過去でもあるかもしれない。
特に何も言わず、ゲクランが開けた瓶を一本受け取って。
「とりあえずお疲れ様の乾杯、する?」
ひょい、とその瓶を掲げて見せる。
■ゲクラン > 「汗臭い筆頭にそれを言うか?」
ガハハ、と薄っすら汗ばむその肌を、タンクトップの布で拭い、悪かったななんて冗談っぽく笑いながら。
彼女が軽い身のこなしで隣へと納まれば、その提案には二つ返事。
が、残念な事に栓抜きの類はそこにはない。だからまた…。
「嬢ちゃんはなんか開けるの持ってんのか? そうでないなら……ほれ。」
目の前でまた、軽く栓を握り指に王冠を掛けて軽く開ける。
炭酸と液体が少しばかり白い煙のようなものを立てて、それを彼女へと差し出しながら、その手の中の瓶を受け取ろうとしよう。
或いは、何か開ける術があるのなら、それはそのまま乾杯の手に。
「俺はゲクランだ。嬢ちゃんは? 折角なら、月並みだがまぁ、出会いに、と早上がりにってとで、どうよ。」
そう、自らの名を告げ、乾杯の理由はいかにしようかと。
■セニア > 「それを言っちゃあ私も汗かいてるワケで……」
すん、と自分で嗅いで、多分、大丈夫と思いつつ。
隣に収まれば、勿論、瓶を開ける道具なんて持ち合わせていない。
なのでゲクランに開けてもらった瓶を受け取って。
しゅわ、と零れる液体が手を濡らすが、これもまた一つの醍醐味であろう。
手に付いた泡と液体を軽くぺろ、と舐めてから。
名前を聞かれて見上げるように男にジト目を合わせて。
「ゲクランね、私はセニア。文句なーし。出会いと早上がりに―――乾杯」
同じように名前を名乗り、チン、とゲクランの持つ瓶に蓋を開けてもらった瓶を軽快に打ち付けて。
ぐいい、とゲクランほどではないがごくりごくりと喉を鳴らして飲み干していく。
「ぷはーーーー。おいし。次ちょーだい」
仕事上り、喉も乾いていた所に染み渡るとばかりに一気に飲み干し次の瓶をゲクランにねだる。