2025/09/06 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 倉庫街」にイザベルさんが現れました。
■イザベル > 既に人気の無く、明かりすら心もとない外灯のみとなった倉庫街。
そのうちの一つから出てきた影が一つ。しかし今日の月は大きく明るく、その心もとなさを少しばかり軽くしてくれた。
積み荷のチェック、追えたのは日付が回ってから、最後に封だけして倉庫の扉も厳重に締める。
中の巻き草の上で寝る事も考えたが流石にそれでは無精が過ぎると、それでも足が今日は中々繁華街へと向かわなかった。
自らを照らす月明かりに惹かれたように倉庫前にある身長程の四方がある木箱の上、倉庫の壁を足掛かりに登りその箱の上で倉庫の壁に寄りかかり月を見上げた。
幸い大人一人二人が偏って乗ったところでどうにかなるような柔な作りではないようで。
「今夜は良い月夜だね……。これだけ明るいなら道にも迷わないだろうさ──。」
船乗りにとって星や月は欠かせない存在で、満ち引きや方角の指針になるそれ。
双眸を細めて少し汗をかいた肌、軽く拭いながら、一時に比べれば大分涼しくなった夜風に満足げな笑みを浮かべていた。
ご案内:「港湾都市ダイラス 倉庫街」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 月明りの元、目当ての女はすぐに見つかった。
軽く手を上げながら、陰の中から月明りの下へと踏み出す。
「よお、こんな時間までご苦労さん、精が出るな」
ニコリと人好きのする笑顔で大きな男が現れた。
何度かイザベルに開運手配をしたことがある男だ。
「酒場の親父に訊いたら、まだこっちにいるって言うからさぁ」
少し酒を入れているのだろう赤ら顔でいいながら。
顔の割には足音はしっかりしていて酔った風を装ってるだけのようだが。
「どうだい、いっぱい奢るから話でも」
■イザベル > 自らの船の積み荷、船員に運ばせて以降の管理は此方の仕事と、船員に給金を与えて今は各々酒場で盛り上がっている所だろう。
故に、自身の所在を酒場の店主が知っていてもおかしくは無かった。
仕事が恋人だの、脳筋ゴリラだの、好き放題言われているのも知っていたが故に、それに上司が一緒では飲んだ気もしないだろうから。
それ故に一人眺めるまあるい月。
そこへ不意に欠けられた声、見下ろす姿は見覚えのあった気がするそれで、赤い顔の既に酔客といった様相。
「全く、一人綺麗な月を堪能していたってのに、野暮な男だねぇ……。酒、次第なら乗ってやらなくもないよ。」
そう、四つん這いになり箱の端へ、酔って足もふらふら、でなければ伸ばした手に捕まれば壁を蹴り登ってくる事も出来ようと。
とりあえず、今から酒場へ出て、それこそ二人で入店なんてのを見られれば面倒しかないから、彼を引き上げる事に成功したならば、また倉庫の壁に背中を預けて両足を伸ばす。そして、片手は、ほら。と酒の催促を。
■グスタフ > 「ベッピンを一人にしておくことができないタチでね」
伸ばした手を掴めば、顔がはっきりと見える距離で恥ずかしげもなく言ってのける。
ほとんどイザベルの力を借りずに箱の上に乗り上がると、アップルブランデーを渡した。
「故郷の酒だ。こいつを運びたいんだが、最近陸路が荷いっぱいでねぇ……」
酒を渡した空いた手で頭を掻きながら、虚空に向かって続ける。
「誰かヤルダバオートまで乗せてくれると助かるんだが」
■イザベル > 「下らない事言ってんじゃないよ。どうせ、碌に相手をしてもらえないもんで、街をふらついてたんじゃないのかい?」
長身な自分よりも頭一つ分大きな相手、その無骨な手を取り思いきり引き上げてやれば、その手に大した力はかからなかった。
全く肩透かしも良いところと、代わりにその手に酒瓶を受け取れば。
「まぁ。時期的に船便は避けたいだろうさ。冬程じゃないにせよ海も荒れるし嵐にもなりやすい。」
当然と言えば当然だね、と鼻で笑いながら、受け取った瓶の蓋を開ける。
鼻を付く林檎の香り、アルコールの酒精に双眸は細く、慎重にその口kら数的、手の甲に落として舌を載せる。
流石の度数の高さに思わず舌が引っ込むけれど、後口に残る香りのフレッシュさに、うんうんと何度か頷いて見せ。
「にしたって、こいつを酒瓶のまま飲むってのは流石に頂けないかねぇ……。相当強いだろう?こいつ。」
鼻先を瓶の口にあてて、その香りはとても心地良い物として楽しみながら、流石にストレートのままっは躊躇われる程の酒精に、
「こんなもの飲ませてどうするんだい」なんて冗談めかしてみる。
「生憎とさっき積み荷を揚げたばかりだからねぇ、こっちも当座船を出す予定はないけど、あと数日すりゃ、積み荷次第じゃぁ行くかもね。
そん時は声でも掛けようか?」
酒の香りを楽しみながら、今の所その予定はないけれど、貨物船となれば荷次第でどこにでも、故に縁があればその方向にもいくだろう、と。
■グスタフ > 「へへ、あったりぃ~……はぁ」
カラ元気もいいとこで、返事をしながらため息。
大げさな身振り手振りも照れ隠しというよりも、やはり空元気。
相手の言葉に。少し真面目に目の前に座り込んで。
「おう、その時は頼むわ。運びたいのは3樽。
6樽あるから、最悪半分無事ならいい。
全部無事に運んだら……たらふくアンタに飲ませるのもいいかな」
こんなもの飲ませて、に反応して近づくと、彼女の豊かな胸元に指を引っかけて。
あからさまな誘い方で謡う。
「じゃあ、数日滞在しないとな……それなら俺の相手する時間もあるよな?」
■イザベル > 「そりゃ……そんなデカい図体のに迫られちゃ女の子は怖いだろうからねぇ。」
迫られたり声を掛けられた女性陣にも同情の余地はあると。
彼の生き様を示すような身体つきも顔立ちも、荒事と無縁の世界で生きるものには恐怖でしかないだろうから……。
空を見上げるように壁に寄りかかった己の前に、座り込んだ身体のせいで大きな壁が出来るような感覚。
やはり自分ですら圧迫感を覚えるのだから他の女性ではさもありなんと。
「ま、金額次第じゃ特別室を用意してやってもいいけど、アタシよりうちの子らに配ってやんなよ。外堀から埋めてくも……って、何すんだい。」
ぺしり、というよりもずしり。彼の手に思いきり置かれる酒瓶の底
。
下卑たような誘い文句にそのまま酒瓶に蓋をして、
「何を勘違いしてるか知らないけどさ、荷主だから偉いってわけじゃぁないんだよ。それも、未来の荷主様、ってんじゃ猶更ね。
ま、こいつは予約代ってことでもらって置くけど、程々にするんだね。」
不躾な誘いを齎す相手へとそう言葉をかえしながら、四つん這いになれば箱の端へと降りるため。
彼の前に無防備に晒される大きな臀部と、引っ張ってくださいというようなマントがはためき
ただ、手を叩かれ、強かに面罵されるような男がそのまま逃がしてくれたかどうか……。
■グスタフ > 「そんなもんかね」
自分より大きい相手に誘われるなんて経験は確かにない。
納得はあまりできずに適当に相槌をうつくらいしかなくなる。
「そいつは、船長から配った方がいいだろ。
あくまで荷主との関係っていうならねーー」
目の前に手を出せる大きな臀部があって手を出さない男はいない。
そう言い切る勢いで、臀部から股間までするりと撫でまわし。
おあつらえ向きのマントを掴んでしまえば、箱の上から逃がさずに腕の中、くらいは可能だろうか。
「予約代じゃ足が出るだろ。酒代分くらいは相手頼むわ」
■イザベル > 「それが解らないから、逃げられるんでないかい?」
くかか、と彼の曖昧な返事に小気味よく笑いながらも、彼の言葉を最後まで聞く事無くその箱から降りようとした、矢先──。
「こ、のっ……、ふざ、けるな──。」
引っ張られたマント、撫でられた場所にくっと彼を睨みつけた。しかしそれをしたところでバランスを欠いた身体が彼の腕に包まれるのを妨げる事は出来なくて……。
「なら、要らないよ、全く──ただより安いもの────。」
彼の腕の中から抜け出そうと藻掻き、口汚く彼を罵ろうとしたけれど、きっとどれだけ罵っても、罵ればこそ彼の腕は強くなるのだろう。
どれほどの力で、雌の立場を解される事になるのか今はまだ知らねど……。
次回彼に会った時の態度でそれは知れようか……。
ご案内:「港湾都市ダイラス 倉庫街」からイザベルさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 倉庫街」からグスタフさんが去りました。