2025/08/23 のログ
■トリシャ > 「綺麗って言いますが、一応このローブも戦闘でも使えるものなんですよ。これでも国では聖騎士をやっていますので。
恵まれているといいますが…冒険者をしていますから、いつ死ぬかは私も同じですよ」
世間知らずや恵まれていると言われれば、苦労していますと返し。
この国ではどう言う訳か苦労が他の国に比べれば本当に多く、知るそういう世界よりもこの国は更に闇が深く感じていて。
「この程度と言いますが、初めて来ると迷いませんか?
まだ遺跡やダンジョンのほうがわかりやすいですよ」
揶揄うような彼の視線を見返すが、意地悪な質問には困ってしまい。
そういう話題が苦手というのが見て取れて。
「け、経験はあります!こんな場所でと言うのが想像できないだけです。
私も恋人や伴侶はいませんし、そう言うのは調べませんから。
行きたい場所を考えるは…ありますが」
この場所に案内されて街の全容を知れたのは本当にありがたく。
これで甘い言葉でも話されれば警戒もするが、セクハラまがいの発言が多いからこそそういう目的でないと考え。
そして柵を離れるが、近づいてくる彼を見返しては少し恨めしそうに見返し。
その視線が下を向いたことに何だろうと思えば二人の人影が目につき。
「け、結構です。そう言うのは……せめて屋根のある場所がいいですから。そういう誘いは場所を考えるものですよ」
それにそんな誘いに乗るほど軽くはないですと一歩下がり。
そう言えば後ろが階段ということに気が付いて腕を避けるように階段に移動して。
■ゲクラン > 「いいねぇ、でもな……苦労の質が違うんだよ。っても、理解できねぇよなぁ。」
持つ物と持たざる者。一方的に搾取され、蹂躙される者の存在。
まぁ、さもありなんと首を竦めて。
彼女の言葉に返した自分の言葉に、弱肉強食であるこの街の色濃さを感じて改めて苦笑が滲んだ。
富豪が集まり夜ごと大金が飛び交う顔と、失いスラムへ身を窶す表と裏が深く混在する街。
「まぁ、な、でもこれでマッピングは出来たろ?冒険者ならそういう作業なり記憶なりは慣れてるだろうしな。」
全景が見えてしまえば早々に迷う事もないだろうと。
後はもう、彼女自身の足で安全に帰れる。その責は全うした。
なので、あとは自身が楽しむのみ。勿論逃げられてしまえばそれまでではあるが……。
「割と良いもんだぜ?どこまで行っても結局俺らだって動物なんだ。風を、陽射しを、雨を、そういうのを感じながらするのはクセになる。
って、そうだろ? まぁ、実際その妄想が叶うかってーと……実際なぁ……。」
恨めしそうな視線にすら、お道化たような表情で返す。
彼女が紡ぐその言葉に、カカッと楽しそうに笑いながら。
「そうかい? 屋根のある場所で、アンタと二人切りで、誘うなんてハードルが高くてなぁ。
まどろっこしい駆け引きだって好きじゃぁねぇし、欲しく成ったら奪うだけなんだが……。」
腕が空振りしたところで、その腕は大人しく収まる。その代わり、彼女を追い立てるように会談へ向かえば、その分彼女も下がるだろうから──。
「まぁ、気乗りしない奴抱く趣味も。無いわけじゃねぇけど、今は気分じゃねぇから まぁ、目的地の近くまでは送ってやんよ。
それに、不用意に男についてきゃ、こうなることは覚えときな、嬢ちゃん。」
ほれほれ、下がった下がった、と更に彼女を追い立てて、下りは登りより幾分楽になるだろう。それでも下まで辿り着けばそれなりにへべれけになっていた。
■トリシャ > 「それな何となくですが、そう思います」
苦労の質、彼の言う通り自分は彼のいう苦労は判らないだろう。
かと言って苦労を知らない訳ではないのでそこは訂正しておかねばという気持ちがあっての反論であって。
この国の闇を知れば知るほどに悩む未来しかないのだが。
「お陰でこの街のどこに何があるかは大体わかりました。次からは迷いませんよ」
夜とは言え、一度どういう物かと見てしまえば迷うことはそうはなく。
彼のおかげで無事に帰るのはもう問題はなく。
ただ続いた言葉には驚き、手が出る前にこの場所での誘いに羞恥心が勝って。
「ただ恥ずかしいだけですよ、こんな場所なんですから。動物は否定できませんが…私はそうは思いません」
彼のいう言葉は羞恥心を刺激するものばかりであり。
顔を赤く染めたまま楽しそうに笑うのを睨むように見返し。
「外でを誘うより簡単だと思いますよ。そ、外でだなんて…痴女じゃないですか。
ナンパか強姦魔かの違いしかありませんよ、それは」
そう言って下がれば近づいてくるので自然と階段を下りるようになり。
「気分でないことに感謝します。…えぇ、お願いします。
いきなり襲ってこなかっただけあなたはいい人ですよ。後、嬢ちゃんでなくトリシャです」
そして追い立てられるように階段を下りていき、下につく頃には彼はへべれけ状態。
流石に放っておけないと考えて、宿街に向かいます、と告げて肩を貸すようにして歩き出して。
そして到着すればどこかの宿に押し込み、案内のお礼として一晩の支払いはしておこうと決めて。
■ゲクラン > 「ま、アンタはアンタらしく居りゃいい。それに救われる奴ってのも居るだろうからな。
ここで救うのはきっとまた別種のものなんだろうし、分業ってなやつだ。」
うんうんと、ただ需要と供給の違いであって何が良い悪いではないのだと話を締めた。
「そいつは何よりだ。次迷うところを見たら盛大に笑ってやる事にする。」
ふふんと鼻を鳴らしてやれば、やはりどこかで揶揄する様子はそのままに
「ま、そこは経験したらわかる様になるさ、毎回毎回安心安全なベッドの上で、ってんじゃ味わえない良さってのをな。そこは経験だし、男も喜ぶぜ?
んー……。痴女かどうかはさておき、ここじゃ力と金が全てだからな。欲しけりゃ買うか奪うかだ。」
結局ナンパで済んでいたなら彼女は幸せな方だったわけで。勿論腕に自身のある冒険者ならその程度ねじ伏せられるのだろうけれど。
「はいよ、トリシャ嬢ちゃん……って、流石に歩けなくはねぇって……。 ったく。
あと、俺はゲクランだ。クランでもランでも好きによびない。」
それでも彼女の肩を借り、とはいえ体重は極力かけぬように気を払いながら、押し込まれそうになった宿、その入り口を潜る直前に借りていた彼女の肩へと腕がしっかり掴んで抱き寄せる形に、彼女の身体を正面から抱き寄せようとして。
「トリシャも泊まるってんなら甘えるけど、そうでないなら止めとけ。
──あの場で捨て置くのがベストだ。」
少なくとも、襲おうとした男を宿にまで連れ込んだのだから、こういう展開も想定はしておくべき、と無理やり抱いた腕も言葉の後に緩んだのは……。
早く逃げろ、とでも言うよう。もし、躊躇ったならばその身体を抱いたまま宿に入ってしまおうとする。
そんな構図は宿屋の前での痴話げんかに見えるのかもしれないが……。
■トリシャ > 「私は私ですからそうします。私が救えると言ってもきっと大したことはできませんよ。
その救いはここでは意味がない気もしますが…」
この国は何か他とは違うものを感じ、きっと自分が思う救いは意味がない、そう思え。
なので彼のいうことに小さく懐いて。
「もう迷いませんよ。ですから笑う機会はありません」
揶揄うような様子に、次はないですからときっぱりと言い切り。
「判りたくはないですね……そんなリスクを背負ってまで…喜ぶといっても…。
思った以上に野蛮で呆れますよ、それは」
もう強引なナンパであれば手が出るだろう、それぐらいの腕がなければ夜は出歩けないのだから。
「嬢ちゃんではないです。放っておくとその辺で寝るでしょう?
ゲクランさんですね、覚えておきます」
散々に揶揄われたとはいえ街が一望できる場所に案内してもらった恩はあるので放っておけず。
彼に肩を貸すも体重をかけないように逆に気を使われてしまい。
宿に押し込んで別れるつもりが突然に肩をつかまれそのまま正面から抱き寄せられ。
急に逞しいと身体に抱き寄せられた驚きに固まってしまい。
告げられたことは当たり前のことであり、この展開は完全に想定していなかったこと。
このまま連れ込まれると動揺をしていれば、腕の力が緩んだのを感じて慌てて抜け出し。
「ご、ご忠告感謝します。次は気を付けます」
そう言って小さく頭を下げ、早くなった鼓動を落ち着けるようにして深呼吸をし。
お礼は次に会えた時にします、そう言っては背を向けて立ち去っていく。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からトリシャさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からゲクランさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 昼時の倉庫街。
船着き場の船から降ろされた荷を運び込む人足が行き交う中を、暇そうな面を下げて
ブラブラと歩く、銀色と赤の特徴的なジャケットを羽織った金髪の男が一人。
男は冒険者として、倉庫街の警備の依頼を受けてここに来ている。
とはいえ──これまで特に何事もなく時間は過ぎ、男は暇を持て余していた。
……なお実際にはつい先程、近場の酒場で酔っぱらい同士の喧嘩が勃発し、その仲裁に入った末に、
両名とも埠頭から海に放り込んだりもしたのだが、男的にはそれは特筆すべき『何事か』にはカウントされないらしい。
「──くーわわわ……ンン、暇すぐる。時間まで屯所でサボってようかにゃあ……」
大欠伸の後に、そんな怠惰な独り言が口をついて出てくる。
それでも一応すぐさま職務放棄をするつもりはないのか、面倒そうな顔のまま巡回は続けていて。