2025/07/04 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にドリィさんが現れました。
ドリィ > 今宵、ダイラスより出航の船にて、探索地へ――。
で、あったのだが。航路の悪天により出航は見送られ、予定は見事に覆された。
こればかりは誰に何を言っても仕方あるまい。船員に文句を宣う乗客尻目に女はさっさを踵を返す。

「ンッ――…。 さぁて、降って湧いた自由をどぅ謳歌しようかしらーぁ…?」

ひと呼吸と共に両手を伸ばし、弛緩させ乍ら。その女は暢気に船着場より市街方面へブーツの靴先を向ける。
黒革のボディスーツが醸すは、宵闇の黒猫風情。気儘に脚を捌く女の闊歩は、妙に絵になる趣があった。
女はこの都市をよく知っている。故に――悩む。
ハイブラゼール方面に行くのは少しばかり面倒い。己は随分と――殊に大歓楽街に於いて、見知りが多いので。
そしたなら船にあぶれた冒険者らしく、港近辺で飲んで過ごすか。

脚は自然と港沿いの歓楽地へ向く。
規模は小さいが、些か古めかしくも猥雑な娯楽が立ち並ぶ密集地。
船を降りた船乗り達が、こぞって真っ先に立ち寄る庶民的にして活気に満ちた場所。
市場だって娼館だって宿屋だって、――勿論、女所望の飲み屋だって。
喧噪のなか、所狭しと犇めきあっている昔ながらの一角だ。