港湾都市ダイラスの船着き場。
国内外からの多くの船舶が碇を降ろす場所であり、毎日多くの人、奴隷、物資が運び込まれ、積まれていく。
そのため、倉庫街なども軒を連ねている。
さらには奴隷市場も併設されている。
海の男たちは荒くれ者が多く、柄はあまりよくない。
酒場が近いために酒に酔った男などもおり、下手にふらふら歩いていると絡まれることもあるだろう。
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Time:12:37:54 更新
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場 酒場」からイザベルさんが去りました。
■イザベル > 暫く、久しぶりの冷えた酒に舌鼓、べろべろになる頃には、宿を取る事を忘れて途方に暮れる姿があったとか、なかったとか。
■イザベル > 長い長い航海だった。
船のそこかしこにガタが来る程には無理をさせてしまった。
既に船は船着き場になく船渠へと預けてある。
暫くの暇を船員にも出し、今は散り散りに、休暇を楽しむ者、家族の待つ街へ帰る者、様々であった。
「こんな季節に成っちまったけど──、やっぱりたまらないね。」
駆けつけ一杯、キンキンに冷えたエールを流し込む。
カウンターの片隅でマントを外してひざ掛けのように置けば、一息でジョッキを空にしてしまう。
それでも胃の腑を巡る冷たい奔流は船の上では中々味わえないもの。
揺れぬ大地の上に返ってきた事の証左で、満足そうな笑みと共に、おかわりを所望する。
「ま、冬は海も荒れるし、丁度良かったかねぇ……。」
満たされたジョッキを手に暫し思案するように天井を見上げる。
これからかかる費用も多少頭の痛い問題ではあるが、そこはそれとして……。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場 酒場」にイザベルさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場近くの酒場」からセットさんが去りました。
■セット > 結局。
部屋の空きを待つのを諦め、代金を払ってから他の宿を探しに雨の中へ繰り出して行った──
■セット > 「上の部屋に空きはあるか?」
丁度、追加で注文していたエールとパンを届けに来た女の給仕になんとなく尋ねてみる。女は、店主へ尋ねるためにカウンターへと戻っていった。
視界の隅では、また一組の男女が階段を昇って行くのが見えていた。
この雨で少し湿気たパンに齧り付き、咀嚼しながら店内を眺める。
客の入りは先程よりも増えたように感じられ、いつの間にかいる吟遊詩人が歌を歌っている。
客を求めて彷徨っていた娼婦たちの姿も減っていた。時折軋む天井から察するに、殆どが今日の相手にありついたようだ。
給仕が帰ってきて、「部屋の空きは無い」と告げる。
そうか、と答えながらも、暗澹たる感情が内側に芽生えていた。
この街に宿は他にもある。が、そもそもこの天気だ。どこも既に埋まっている可能性は否めない。
最悪の場合は路地で寝るしかないだろう。仕事柄、野外で寝る事に抵抗は無いが、この天候下で寝る事には厭な感じがする。
「ハァ……」
また、溜息をついてエールを呑んだ。
■セット > その夜の酒場は普段よりも混みあっていた。
外は雨が止めどなく降り続け、海は大荒れとなり船は出せなくなって、水夫や出立を待つ人々は足止めを食らっていた。彼等が酒場で暇を潰すのは必然だった。
酒場ではむさくるしい水夫共の喧噪、店員の怒声、娼婦が客を取ろうとする艶めかしい声が混じり合う。
そんな店内の端、窓際に置かれた二人分のテーブル席に男は一人腰掛けていた。
「ハァ……」
出てきてから暫く経ち、少し暖かくなったエールを一口飲む。
仕事が一段落して、いざ家へ帰還という段階で完全な足止めを食らってしまっていた。
空いている指が小刻みにテーブルを叩く音が、喧噪に混じって微かに鳴る。
「……止みそうにねえな、これは」
彼は窓の戸を少し開け、外を覗いた。雨は止む気配はなく、さらに勢いを増していた。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場近くの酒場」にセットさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場 酒場」からゲクランさんが去りました。
■ゲクラン > 夕暮れ時の酒場はまだ閑散としていた。
店を開けて間もない店内、カウンターの端っこに腰を据えて注文はせずとも、樽を模したジョッキが寄越される。
「いつもわりぃね大将。」
そう、常温のエールを傾けて喉へと流し込む。
一仕事終えた身に流れ込む発泡感のある液体は心地よく染みてゆき、
ドカ、と飲み干してカウンターへとジョッキを叩きつけた。
その様子を見ていた給仕が、同じものを注ぎに来るのだから見慣れた光景なのかもしれない。
足を組んでカウンターに片腕を預けるようにして客席を見渡す。
壁沿いに用意された舞台を見つめながら。
「こう寒くなっちまったら踊り子も来やしないだろ?」
惜しいよな、なんて紡ぐ、そのための暖房設備等もあるのだろうが、
街中も厚着の女性ばかりに成る聊か寂しい季節ではある。
大仰にため息をついてみせながら、お前じゃぁなぁ、と貧相な給仕に視線を向けて、
思いきり脛を蹴り上げられた。
「ッ───!!!! てぇ!!」
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場 酒場」にゲクランさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からリリエット・ヴェルミオンさんが去りました。
■リリエット・ヴェルミオン > そうして目についた酒場へと入っていく。
■リリエット・ヴェルミオン > 「失敗しましたね」
本来ならとうに船の上だった筈だが、乗る予定の船は船員が暴動を起こしたらしく出航の予定が立たなくなった。
それを聞いて先ず思ったのが、船代を節約しなければ良かったと言う事。
普通の客船を選んでいれば起きないトラブルではあるが、貨物船に人まで載せている船は代金が安いのでついそれを選んでしまった結果が今。
特に急いで王都に戻る予定はないが、それでもこちらに滞在するだけでもお金がかかるのでため息の一つも出てしまい。
「困りましたね。滞在費はありますけど……一つ二つは依頼をするほうがいいでしょうし」
そうしないと王都に戻ってから困ってしまうのだが、今一番困っているのは今日の宿。
急なので見つかればいいと思う反面、なければ最悪はギルドの片隅を借りるしかないと考え。
明かりのあるほう、船着き場にある宿が併設された酒場にまず行ってみようと歩き出す。