2025/08/25 のログ
■プラム > 「まぁ、そりゃ平民と貴族サマの嗜好やら何やらは違うだろうさ。アタシゃ高かろうが安かろうが、美味けりゃそれでイイと思うがな」
贔屓目だが、船の上での食事はそれが何であれ特別美味い気がする。
こういった感性も、海を主な生き場所とする者ならではなのだろうか。
小舟の残骸に腰を下ろす姿を何となく眺めながら。
「冒険譚──なァ。ま、聞かせるのは別にイイけどよ。それが面白くなくても文句言うんじゃねーぞ」
上目遣い、物欲しげ。高貴ゆえの尊大さが垣間見える表情に思わず笑ってしまいながら。
特に止められなければそのまま語り始める。海賊と一緒に仕事した時の話やら、貨物船にいた時襲われて撃退した話やら。
■アデルリリー > 「――素敵」
あなたの話を聞き、少女は目を輝かせた。最初こそ本当に、偶然のこの場所に逃げ込んだだけだったが、偶然というのは面白いもので普段少女が生きている場所とは全く違う世界の事柄を話す女に出会えた。たとえば寝物語などで知恵を使って異国の怪物をやり込める話が、その国へ幼子を連れて行くように、あなたの語る話は少女を一時、海へと連れ出したのだ。
「ええ、素敵。本当に素敵よ。掛け値無しで――あなたの語りにはラジエル学院の退屈な授業の幾万倍も価値がある。ええ、ええ、この偶然はきっと主たるヤルダバオートのお計らいなのでしょう」
少女はその白い目を閉じて笑い、それからあなたの隣に寄り添うようにして上等な絹のスカートが汚れるのも構わず砂浜に腰を下ろして。
「――もっと刺激を加えてみない? あなたの腕の中で、そのお話を聞きたくなってしまったの」
■プラム > 「……学校の退屈な話より価値を見出してくれたのはありがたいねぇ。こんな話でよけりゃ幾らでも聞かせてやるよ」
何が琴線に触れたかはわからないが、喜んでもらえたようだ。
満更でもないような表情を浮かべつつ、すぐ隣に腰を下ろす少女に瞬く。
「腕の中、ねぇ。閨の寝物語、なんて言うつもりかい? まぁそれでも構いやしねぇけどさ」
冗談めかしつつ、やや視線を変えて語り口調も変えて。
それからもう暫し、月の光の下での歓談は続いたという。いつまで続いたかは、2人のみぞ知る話───
ご案内:「セレネルの海」からプラムさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からアデルリリーさんが去りました。