2025/06/05 のログ
ご案内:「セレネルの海」に孫伯さんが現れました。
孫伯 > 陽の傾きかけた波打ち際、背負い袋を肩にかけた男の影が、満潮にもなれば海の中に沈むだろう洞窟の入り口に消えた。
取引のある警吏から立ち入りが入るとの情報を得たのは数刻前。
慌てて後ろ暗い物を魔力で空間を広げた鞄へと詰め込み店は従者に任せ逃げた次第。

「いやはや──、持つべきものは常連様ですね。後でお礼をしなければ……。」

今頃は店の中から倉庫まで怪しい物が無いかチェックされているだろうことを想像すれば肩も落ちる。
洞窟の入り口から程なくした場所にある平らな岩に腰を落ち着けると、鞄の中から魔法のランタンを。壁際に置いて明かりを確保して。

「さて……どこまで上がりますかね……」

壁や岩を隈なく調べるよう、眼を凝らす。どうやら岩の上まで満潮でも水は上がらないようで、それがわかれば一安心といった所。
自らの地位が危うい状況だというのに、こういう状況にワクワクしてしまうのは、元の職業柄なのかもしれない。

孫伯 > とりあえず入り口の周辺、その安全は確保出来た。
とはいえ、流石に奥にはモンスターの類や、魔の者も居る可能性はある。
幸い満潮に至るまでまだ時間はかかりそう、であればランタンを手に少しだけ足を奥に向けてみよう。

「流石に、獣の唸り声等は勘弁願いたい所ですが……。」

少しばかり歩いた先に、いくつか分岐を見つける事が出来たが、生憎とそれ用の装備も、準備もしていない身なれば、
少なからず内部から襲われるにせよ多少時間は稼げそうだと判断して戻る。

寝袋を岩に敷き、少しばかりの快適性を得れば聞こえるのは波の音が洞窟に反響するそれ。
時折無意味に声を出してみるけれど、それは洞窟の近くを歩いていたら、獣の咆哮にも聞こえたかもしれない。反響した不気味な声。

孫伯 > 洞窟の中、満潮の時刻になれば訪れる平穏な時間。屋敷に戻る頃には従者達がきっとへとへとになっていたはず。
ご案内:「セレネルの海」から孫伯さんが去りました。