2025/08/13 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 北方帝国由来と思しき黒髪黒目の、ちんまいお子様商人の行動範囲は広い。
王都が主な拠点なのは間違いないとして、そこから国境付近やら場合によっては戦地まで。
だとすれば、仕入れだったり納入だったりと、理由があれば港湾都市や奴隷市場歳に姿を現さない理由は無い。
夏向きの薄手の装束に袖を通し、香を焚き染めるまでもなく甘い花の香りを纏って。
市場、というよりは商館といった建物中を、供回りを付けずに歩み進み。
世間一般的な感性なら、明らかに場違いなのだけれど、誰も咎めようとしない。
広い廊下、行き当たるのは主催者か、同好の士かといった具合なら、顔なじみというのもあるやもだ。
では、ここで何が行われているかといえば、この都市最大の売り物の取引。
即ち、奴隷の売買。
「ちぃとばかり遅参となったが、売り切れということにはなっておらぬじゃろう?
嗚呼、お主らとしては、完売御礼となっておる方が好いのじゃろうが。
儂の趣味は知っておろうから、財布の紐が緩むような売り込みを期待しておるのじゃよ。」
”常連”に宛がわれた部屋の一つ。
その扉の前で、ここでそれなりの地位にありそうな燕尾服のナイスミドルに声を掛け。
中堅貴族の館にある応接室のような部屋に足を踏み入れると、パタンっと扉が閉じて。
絵画だの壺だの燭台だの、調度の類にはさして興味も見せずに部屋の中央にある椅子へと腰を掛け。
大人用のサイズだから、草履を履いた足は床から浮いてぷらり。
緊張した様子もなく、商品が連れてこられるのを待とう。
ここでの販売方式は、競りではない。
高級な反物を選ぶような、対面販売。
有力な顧客に対し、それらが好みそうな奴隷を見せて売り込むという手法。
客が争って法外な値上がりをする方式ではないが、上等な奴隷は適正な価格で売れていくという手堅さがある。
そしてこの妖仙、奴隷の用途は大きく分けて二つ。
一つは、商いに有益な知恵者や、隊商の護衛に使えそうな武芸者。
もう一つは、酷く個人的な”遊び”に供される玩具。