2025/11/14 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都の北部に広がる喜びヶ原との異名を持つ広大な平野。
樹々が折り重なる森林地帯にて野営を行なう冒険者一行が存在した。
ギルドで同じ依頼を受けた彼らは全員がパーティに属している訳でもなく、
共通の目的の為に一時的な協力関係にあるレイドを組んでいた。
彼らが受けた依頼は近隣の村々を襲い、略奪や女子供の誘拐を行なうオークの群れの討伐。
比較的中級者中心の構成だが、中には彼のようなベテランや逆に初心者も混ざっている。
果たして連携が取れるのかが懸念事項であるが、日中の様子を見るに最悪よりもややマシで期待以上である。
そもそも、冒険者は個人主義の輩が多い。パーティでもないとくれば足を引っ張らないだけで上々である。
今も火熾しを終えて歩哨の順番を決めた後は、各々が気儘に思い思いの時間を過ごしている。
同じパーティの者達は薬品や荷物を融通し合い、道中で気が合った若い男女は木陰にしけ込み、
そうでない者達は自身の天幕で食事を摂ったり、装備の点検をしたり、早めに休んでいる事だろう。
そんな仲間と呼べるかも怪しい同業者達を横目に中年冒険者は焚き火の前で革袋の酒を呷っていた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林/布都の工房」に布都さんが現れました。
■布都 >
森の奥深く、秘境ともいえるぐらいに奥深くに、小さな川がある。
その川の上に立てられている庵が一つと、その周囲には、丸太で作られた防壁がある。
東洋風に作られているその場所は、小さな邑を連想させるだろう。
畑には、米と豆と芋を始めとした農作物が植えられていて。
庵の軒先には、釣った魚が開かれ干されている。
そして、庵の換気用の窓からは、煙が吐き出されていた。
―――カーン―――
―――カーン―――
そんな音が、庵の中から響き渡る。
金属と金属がぶつかり合う音で、知るものが聞けば何をしているかはわかるだろう。
鍛冶だ。
鍛冶自体は珍しい事でもないだろう、町の中にも幾人も鍛冶師はいるし、其処で武器を作っているのだろうから。
ただ、森の奥の奥、秘境と呼ばれるこの場所で、鍛冶をするものは珍しいだろう。
森の奥であれば、魔獣や妖魔などが襲ってくるだろう場所だ。
安全を考えるなら、こんな場所で、鍛冶をするというのも頭がおかしいと思われるだろう。
しかし、現に、ここで鍛冶をする鍛冶師が一人、居るのだ。
―――カーン―――
―――カーン―――
金属と、金属がぶつかり合う音。
鉄を打ち、精錬し、鋼とする。
鋼を打ち、玉鋼と、作り替えていく。
玉鋼を打ち、刃金とし、刀にしていく。
そんな、鍛冶の流れが一つ、一つ、段階を踏み、成長するように、行われている。
■布都 > 刀制作判定
鍛冶ダイス判定 刀のランク
4d6+10で判定。
14 失敗作
15~20 高品質
21~27 名刀
28~33 神具
34 神器 [4d6+10→1+3+4+5+(+10)=23]
■布都 >
出来上がった刀を見て、鍛冶師は不満そうに目を細める。
確かに、悪くはない出来上がりであるのだが、求道者である鍛冶師自身でいうなら、まだまだ上がある。
これ以上の武器も作っているからこそ、其処に追いつけていない時点で、不満である。
とはいえ、駄作だと打ち直す程には品質も悪くはない。
「……しっかし、使う奴いンのかねぇ?」
刀。
東方の島国で作られているメイン武器
この国で言うならば、剣と同じ立ち位置の武具だが、その武器の特性は全然違う。
剣のように叩き切るものでは無く、鋭く切り裂く武器だ。
こちらでは殆ど使い手の居ない武器だ。
同じ国の佐無頼等であれば、とは思うが、あの国からどれだけの存在が来るのだろう。
正直に言えば、自分の元からの知り合いであるジジイと、その弟子ぐらいか。
「使いもしない好事家にうンのもなぁ。」
刀とは武器であり、殺すための道具だ。
観賞用として使われるのは、作り手としては怒りしか湧かない。
どうせなら、使って殺すために使えやと、言いたい。
「ち。」
そんな思考をしても、詮の無い事だ。
刀身を眺めて、最後の仕上げを行って、一振りの刀とする。
これを他の作成している刀を集めている樽の中に放り込んだ。
大きく、体を伸ばして、ぼき、くき、と硬くなった体をほぐす。
視線をそらし、扉を開いて庭の方へと、歩いた。