2025/11/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 「っ――?!きゃ、ああぁぁぁぁあぁぁ!!」
時刻は午後。からりと爽やかな蒼穹の下、木々も色づいてきて赤や黄色と云った鮮やかな落ち葉舞う森の奥。
森閑とした秋の空気を引き裂くように響き渡る悲鳴。
そこは切り立った崖の縁。追って来る魔物を撒いて走る途中、足を踏み外して滑り落ちて行き―――
「――ッ!! んぅっ……!」
ぎりぎりの所で崖肌に突き出た木の根につかまり、まさに命綱たるそれを必死に握り締めながら踏みとどまっていた。
「くぅ、うっ……!」
しかし、そこまではいいがそのまま自力で這い上がるには崖の上は遠い位置にあったし滲んだ汗で手が滑り、しっかりとつかみ続けていることさえ困難だ。
ほとんど直角に鋭く切り立った崖で木の根にぶら下がる格好。せめてもう少し角度が緩ければ足を掛けることも出来ただろうが……。
「ぅ、んん…!!」
ずる、と滑りそうな両手にひやりと背に汗を伝わせながら必死にしがみつき、そして、ちら…と下を見るとなかなかの高さに、さーっと血の気を引かせ。このまま落下してしまったら大怪我は覚悟せねばなるまいし、打ち所が悪ければ最悪の事態もあり得そうに思えた。
■ティアフェル > 「も…、だ、めぇ……」
しばらく這い上がろうと足掻きながらそのまま両腕で自重を支えていたが、じわじわと痺れが襲い感覚が徐々になくなってきた。しっかりと握っていた手が震え、
「あっ――……!」
ずる、っと汗で濡れた手が大きく滑り、重力に引っ張られて崖下に吸い込まれるように――
落ちる、落ちる、落ちる落ちる――
ずささささささささささっ!!
「っ き ゃ あ あ あ ぁ あ あ ぁ ぁ あ ぁ ぁ ぁ ぁ っ っ ! !」
す、ぅ――と腹の底が空くような独特の感覚が本能的な恐怖心を刺激する。目の前の光景が崖肌から雲の散る空、森林が描く緑のコントラストに目まぐるしく切り替わって回っていく。
死ぬ前に走馬灯が浮かぶというのは迷信なのか――ほんの短い瞬間だったにも関わらずそんなことを考える余裕が不思議とあった。
そして悲鳴の尾を引き連れて崖下へ真っ逆さま、落ちていく――
■ティアフェル > ぎりぎり、突き出た枝に引っかかって布団干し状態で。
「………これはこれでどうしよう………」
どうやってこの後降りようか……しばし途方に暮れるのだった。まだもう少し肝は冷える……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からティアフェルさんが去りました。