2025/09/21 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > ――昼下がりの川辺。
森林の間を割って流れるそこそこ幅のある川の中流辺り。午後の眩しい日差しをきらきらと照り返し、水辺ということもありまだまだ残暑厳しい中でも付近はひんやりとした風が吹いている。
せせらぎの音も涼し気な清流には川魚などの小さな生き物や水辺に生える植物の葉や実、花などが静かに流れていた。
そして、異物も。
どんぶらこ、と流れるのは革袋、小瓶、櫛………
「――――………」
人間。
川の流れ、水のまにまに漂っているのは意識不明のヒーラーが一人。
上流で足を滑らせ水中に転落し、川底に頭をぶつけて気絶。そのまま運よく仰向けにぷかーと浮いて川流れ。
頭にたんこぶをくっつけてどんぶらこ、どんぶらこ。一見長閑に水流に乗って漂っていた。
荷物も落ちた弾みで一緒に流されて辺りに浮いていて、完全に意識を失っている姿は水死体のようにも見えた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にセニアさんが現れました。
■セニア > 「よいしょ……っと」
採取の依頼を受けているうち……川辺までたどり着いてしまったので、丁度よいと周りを軽く偵察し、問題ないと判断して。
川辺にしゃがみ込み、手に水を掬い、ぱしゃりと顔へかける。
ここ数日、水浴びも出来ていなかったので水浴びでもしようと鎧を外し……。
「……?」
最初に見たのは流れてくる荷物群。
ここまではまあ、よくある。
いや……ないか。
じゃばじゃばと音を立ててひょい、ひょいと拾い上げて。
治療道具やらなにやら。
まあ売れば路銀の足しになるかなあ、などと思いつつ。
上流から流れてきたから大方何かしらあって流れ着いてきたんだろう。
問題なければそのままありがたくいただ―――
「……はいいい?」
次に見つけたのはヒトである。
見事にぷかあと浮いてどんどんと流れていく。
まあ十中八九、彼女のモノなのであろう。
ただまあ死んでそうだし?
見なかったことに。
……見なかったことに。
はああとため息をついて。
ヘンにお人よしだった彼女はそれを放置は出来なかったのである。
じゃぶじゃぶと水をかき分けてティアフェルを抱えて、じゃば、じゃばと水をかき分け、陸地へ降ろし。
幸い、心臓は動いていそうであった。
後は水を飲んでいなきゃいいんだけれど、と思いつつ、ぺしぺしと顔を叩き声をかける。
「おーい……生きてます?」
ぺしぺし、ぺしぺしと。
■ティアフェル > せせらぎとともに流れてくる――一見すると水死体。
よくよく見れば仄かに息があるのが見受けられるかも知れないが……まあ大抵の人間は助けるよりも、諦めが勝つような。気楽に合掌することを選ぶようなそんな瀕死である。
そのままだと――どこかのタイミングで濁流に吞まれたり、滝つぼに沈んだりと、本気の水死になるところであったが。
幸い、流れの緩い箇所で気づいてもらえて。水から揚げていただけるという不幸中の幸いが起こった。
気を失ったまま川から川辺へと移してもらい。
「――……」
昏倒した意識を引き戻すべく頬を叩かれて呼び掛ける声。
頬に感じた刺激にぴくっ……と瞼が揺らめき。
「ぅ゛……んん゛……」
なんだか苦悩するような眉間に深く皺を寄せた表情で唸る反応。
うぅぅ…と唸っていたが、結構ぺしぺしぺしぺしと何度か叩かれて。
寝起きにぐずるような様子だったが。
「~~~っく……ぅ……っ」
ぴゅうっ、と多少は水を飲んでいたらしくお約束気味に吹き出して。
午後の陽光に反射して小さな虹を一瞬作った。
そのままげほごほっと身体を折って咳き込み。
「……っ、は、っは………は……?」
ぼや~と開いた双眸に映る木漏れ日と逆光に見覚えのない女性の顔。
まだ何が起こったか分かっていないまま。
? ? ?
疑問符を浮かべていた。
■セニア > 叩き続ければまだ幼さが残る、かわいらしい顔が歪み、呻きを繰り返しており。
しばらくすれば―――盛大に水を吹き出し、虹が出来る。
あ、何かこれ絵物語で見たな……お約束って奴とかそういう。
とどこかしら他人事のように考えながら一定間隔で頬を叩き続ける。
すると段々と覚醒し始めたようでゆっくりと瞳が開いていくのをほっとしながら眺める。
「……よかった」
倒れたままの彼女を覗き込みながら、一応胸を撫でおろす。
流石にそのまま水死体にでもなってしまうのは見てしまった分目覚めが悪くなりそうで。
「大丈夫?……自分の事……わかる?」
頭にそれはもう、というぐらいのたんこぶが出来ているので、強かに頭を打ち付けたと想像出来たので、ゆっくりと努めて優しい口調でそう問う。
■ティアフェル > ほっぺたが執拗に叩かれている……いたい……。
お陰で目が覚めたものの、今度はほっぺがほんのりひりひりする。
目を開けると安堵しているような誰かの顔。
見覚えはないけど……綺麗な女性だ。さらさらした長い黒髪はそれだけで清楚な印象を与えるような気がする。
「ぁー……ぅ……?」
でも現状は把握できていない。
今何が起こっているのだろう。
頭がまったく働かん……と思ったらなんだかズキズキするからだ。
頭に冗談みたいなたんこぶこさえてぼけっとしていれば、尋ねかける言葉にぱたりと瞬きをして反応し。
「ぇ…っと……うん……なんとか……えと、ティアフェル……です……
あなたは……? あなたが助けて、くれた……とか?」
訊かなくてもそうだろうと思える状況だったが。
川辺で介抱してくれているらしい…とは察しがついて。
いててっ……と瘤の出来たこめかみに近い前頭部を押さえて顔をしかめ。
起き上がろうとは思うがひどく身体が重くってぐったりとそのまま横たわって。
■セニア > くりくりとした大きなエメラルドグリーンの瞳がぱちくりと瞬きを繰り返すのを見て。
彼女の紡ぐ言葉を聞けば……とりあえずは大丈夫なようだ。
全く厄介ごとをまた抱えたなあ、という気持ちはあれど、どうしてもそれを放置するほど悪人にもなれない。
「あー、まあそういう事になるかなあ。うん、多分。……名前言えるならとりあえず大丈夫そうかな」
妙に歯切れが悪いのは最初は荷物を拾って放置しようと一瞬は考えたからではある。
「とりあえず、すんごい勢いで頭打った、と思うからしばらく安静にしていたほうがいいよ……っても流石に地べたもかあ」
そういいながら、自分の荷物を適当に手繰り寄せ、寝る用の毛布を地面に敷いて。
「……ちょーっとごめんね?無理だったら言ってね」
そういいながら軽くしゃがみ込んで、彼女を抱きかかえようと身体の下に腕を差し込んで。
特に抵抗も無ければ、そのままお姫様抱っこのような形で毛布まで運ぼうとする。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にセニアさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にセニアさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」からセニアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にセニアさんが現れました。
■ティアフェル > だめだー…思考が回らぬ……。
溺れて漂って頭部強打である。思考回路がバグっているかのようになんだか自分でも情けない返答しか出てこない。
わたしとしたことがー……などと無駄なことを考える割りに。
瘤を魔法で治してしまおうという発想が出てこない。
案外重症なのか。おつむの問題は看過できない。
「それはお世話になりましてー……? てか、ここ、どこ……?」
確か川に落ちて……頭を打って……?
それから……それから、どのくらい流されてきたのだろう。
下流ということしか分からない。川辺の景色は変化がなくて見回しても分からず、首を捻る。
彼女の返答がどことなく罪悪感めいたものを感じるのも理解出来ておらず。疑問符がぽこぽこと浮かび。
「ぇ、あ……そー…だね……なんだかむっちゃ身体…重い……濡れてるのもあるかなー……」
ぼんやりして意識が仄かに霞がかっている。
毛布を用意してくれている様子に顔を向けていれば、
「ぉっ、わ、わ……え、重…い、わたし、重い、でしょ……わー……なんかごめんなさい~…っ」
余り体型も大きく自分より差がない相手に見受けられれば。抱え上げる細腕では結構大変なのでは?と窺えてちょっと焦るけれど。
じたばたしたら却ってご迷惑だろう。大人しく毛布まで運んでもらえば。
なんだかちょっと照れくさそうに、
「あ、ありが、とう……いやー。お姉さん案外パワフルですなあ……それに優しー……おまけに美人だー…地獄に仏かー」
変な喜び方をしてちょっとほくほくしていた現金なやつ。
■セニア > そもそもティアフェルの事は知らないので―――彼女が魔法で治療出来るとも知らず。
その指摘も出来ないワケである。
とにかく安静にさせてやろう、というわけで。
勿論―――ほんのちょっぴりの罪悪感のせいではない。
決してないのだ。
色々と逡巡しているようであるので、その思考の邪魔をしないように極めて静かにしながら。
「まあ身体が濡れてるのもあるけど……あんだけ水飲んでて、そんだけ頭打ってたら向こうしばらくはふらふらするんじゃないかなあ」
と、思いつく事を返答しながら、抱え込み上げて、ゆっくりと毛布へと運ぶ。
重い、と彼女は言ってはいるものの―――兵士として仕事をしていた時はもっと重いものもっていたワケで。
特に重いとは感じていない。
「そんなことないよ?軽いおじょーさん。あはは、お褒めありがとう」
なんだか曖昧というかいまいち何を言ってるのかわからないが、褒められば少しばかり照れ臭い顔をしながら。
さて、と彼女を毛布へと降ろし、火を起こす準備をしながら。
彼女の次の質問に答えようと。
「とりあえずここは下流。大方、上流から流れてきたんだろうけど。あ、後荷物はそこね」
ちゃかちゃかと焚き木をこさえながら、毛布横にある荷物を指さして。
全部拾えてるかは、わからないけれどと付け足した。
■ティアフェル > さっさと回復魔法を自分にかければもう少しはっきりするのだろうが。霞んだ思考はやっぱりきちんと回らず。
「うん……すんごいぼーっとする……なんというか気力がないっす。
ふらふらだけど……女神がいることはようっく分かる……大丈夫わたしは正常……」
やや大仰、と云われかねない以外は特に問題はなさそう。
幸い脳挫傷というほどの怪我でもない。
細い腕に見えるのに軽々と運んでくれるのが……なんだかかっこいいお姉さんである。
「えぇ、今濡れてるし余計に重いと思うんだけど……いやいや、今はちゃんとした美辞麗句を捧げるおつむの余裕がなくって無念なところよ……」
もっと讃えてもいい筈だ。だって見知らぬ水死体一歩手前を親切に引き上げて介抱してくれている。相手が照れ死ぬ程大賛辞したいところだ。……一周回って嫌がらせだが。
毛布に横たえてもらって、ほーと息を吐くが。
「毛布濡らしちゃってごめんね……んー……下流……滝まではいかないくらい??」
と下流であることは漠然と察せるのだがどの程度流されてきたのだろうと確認していれば。
一緒に流れて来た荷物が回収されている。
まさかそれをガメようと思っていたなんてそれこそ思いもよらないものだから。
親切にも拾っておいてくれたのか……と女神様を見るようなまなざしになって来て。
「わたしの荷物だー……とっといてくれたの? わー、助かるー……」
純真にいい人を見る目になった。罪悪感を突いているワケではない。そんな思考の余裕はない。
■セニア > 「気絶してすぐ動けるほど人間って丈夫に出来てないからね?とにかく落ち着くまで安静に」
じとり、と睨んだような顔を向けて気力が無い、と言う彼女に答えて。
ちなみに睨んでいるわけではない、彼女にとってはそれが普通であるのだが。
そして随分と褒めてくれるが―――本当にロクでもない理由が最初に来るのでやはり歯切れは悪い。
火を起こし終わり、ぱちぱちと焚き木がはぜる音が響く。
ざしざしと適当な木の棒をナイフで削り、焚き木の近くに差し、乾かす事の出来る場所を一応作り終わればティアフェルに向き合う。
「昔取った杵柄、って感じでね……。あー滝はもうちょい先で……毛布はまあ別に大丈夫……うん」
あれだこれだとほめられ称えられ、更にこの人いい人だというきらきらとした瞳に的確に罪悪感を抉られながら、そう答える。
良心の呵責がひどいことになっている。
純粋な瞳が痛い。
「全部は期待しないでね。目についた分は拾ったけれど」
結果、ジト目が更に細められて照れているのか呵責にやられて苦虫を噛み潰したのか。
はたまた両方なのか、という何とも微妙な顔をしているが、幸いティアフェルはまだぼんやりとしているのでそこまで気付かれないだろう。
多分。
「……一応、服乾かす?毛布とマントとかもまだあるから……」
そのままは流石に風邪をひくし、体力も奪われると思い先ほど作り終えた焚き木を見ながらそう伝える。
場所が場所ではあるが、濡れたままというのもマズかろうと思い提案はする。
とそこまでいって。
「……まだ動けない……かな。どうしたもんかなあ」
こちらで脱がすわけにもいかずうーむと唸る。
とりあえず火の勢いは強めにしつつ。