2025/09/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にバルバラさんが現れました。
バルバラ > 王都の街道から外れた森の中、欝蒼と茂った木々にできた隙間を大柄な影が迷うことなく進む
その2mにもなる巨躯の女は周囲を見渡し、時折獣のように鼻を鳴らして何か匂わないか探る
獣道に見える自然道は刃物で切り開かれており、人間かそれに近い亜人等がこの痕跡は残すことを知っていた
つまり女は獲物を探しているのだ

「…おっ、なんだこりゃ?」

しばらく進んで女が何かを見つけて脚元から拾い上げたのは単なるボロボロの布切れ
それが何であるかを女にはわからなかったが、人工物があるなら獲物に近づいていることを確信する
俄然やる気になって軽くなる足取りはやがてテントや焚火の跡がある野営地らしき場所に辿り着く

「あちゃあ、何かに襲われたのか……アタシの分残ってるか?」

スキップ交じりに辿り着いた野営地の景色に、女は露骨に肩を落として落胆する
そこは襲撃にあったのか荒れ果て、テントは破れて焼け焦げているめちゃくちゃな有様だった
嗅げば血の臭いはするが死体は見当たらず、女はその辺のテントの残骸をひっくり返して使えるものを物色し始め
月明りに光だけで照らされる大柄な影は遠くから丸見えだが、コソコソ隠れるつもりもなく堂々としている

バルバラ > 「ツイてるね、これは食い物ぐらい見つかるんじゃないか」

しばらくテントの垂れ幕を引っぺがしては、毛布や寝具だけの期待外れな中身に女はため息を吐いていた
野営地内の立てられていたテントの数はそう多くないものの、荷馬に逃げられた馬車の残骸もある
適当に漁っていた女も自分がいるのは小規模なキャラバンの野営地なのだと気が付いて落胆していた顔を再び輝かせる

「これはいらない、これも、これも、こっちも……はぁ全く、人間は変なものばっかり運びたがるんだね」

馬車の荷車の扉を開けるとそこには雑貨を運んでいたのか幾つもの木箱と包みが手つかずで並んでいる
手始めに女は木箱にかけられた錠を素手で蝶番ごと引っこ抜いて開けると、そこに仕舞われていた金貨袋や宝石は興味なさげに放り捨てていく
包みを力任せに破れば中身は縄や布だけで食い物は見つからず、その包みも荷車から引っ張りだして外に放り投げ
だんだんと荷車の中もすっきりしていき女は苛立ったように独り言ちてはまた別の荷物を漁る
その姿は誰が見てもキャラバンを襲った賊そのものだが女の気にすることではなかった