2025/09/04 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にケストレルさんが現れました。
ケストレル > 「―――さて、こんなもんか」

日の傾いた野営地の一つにて、ケストレルは額の汗を拭い呟く
天幕と寝床、そして焚火が設えられたシンプルな野営スタイルは元々野営を想定していなかったが故
今日は本来、指定された薬草の採取を行う依頼をしていた
それが帰り道に、たまたま小鬼の巣を見つけてしまった事から大きく予定が狂ってしまう
なまじっか王都に近かったため、急ぎ近くのギルド出張所にて依頼申請を出し、ケストレル自身はこうして巣の近くに野営を立てて、小鬼たちの動向を監視することになったのだ


「――ま、緊急で出してるから早けりゃ今夜にでも討伐に来るだろうが」

生憎、ケストレル自身は討伐が行えない
一般の動物であれ、魔物であれ、命を奪う事ということが出来ない
よって、他の依頼の際に魔物の巣を発見した際は、ギルドへ討伐の依頼を出し、こうして他の冒険者を求めていた
その分、野営の設営や物資援助、魔法によるサポートを積極的に行っていた

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にエフィネさんが現れました。
エフィネ > たかが小鬼、けれど初級冒険者が返り討ちに遭う確率が高いのも小鬼だ
日も落ち始めた時間であるから、危険度は少し上がって来る
初級者向けというわけでもなく、ただ小鬼であるから報酬面から強い冒険者も受けにくい…
それが請け負ったギルドでの印象であった

そんな中、見つけてすぐに依頼を受注し…早馬で駆けてきた冒険者が居る

沈みかけた夕暮れ…夜に近い時間
遠くから、野営地に向かって走ってくるのがその冒険者だ
馬を駆る姿も堂に入っており、慣れている様子が見て取れる

姿が見えるほど近くなれば…馬を降りて隠密で近づいてくる
夕焼けよりも濃い赤の長髪と、気の強そうな瞳が特徴的な女冒険者である
もしかすると、どこかで見たことがあるかもしれないが…少なくとも女冒険者の方は構わず声をかける

「―――君が依頼を出してくれた人?エフィネよ、よろしく

…見張り、してくれてたんだ。巣の規模とかわかる?」

野営をしている男を見つければ、微笑みを浮かべ
身長は男よりも幾分か低いが、身のこなしと装備は慣れた冒険者のものだ
まずはギルドの印がついた依頼書を取り出して、自分が依頼を受けた冒険者だと示してから

早速、装備点検で手を動かしながら情報が無いか確認してみよう

ケストレル > 依頼が受理されるのが早ければ今夜、順当にいけば明日の昼には、といったところだろう
焚火のそばに腰を下ろし、ケストレルは木々の向こうに潜む小鬼たちの巣の方を見遣り思う
この時間帯に魔物の巣に向かうのなんて、ある程度場数を踏んでいる冒険者でもある程度の準備を要するし、
初心者冒険者であれば日が昇ってから出立することだろう

「――ひとまず、今夜はこのまま見張って動きがあったら牽制して、この場に留めとくのが安牌か」

既に巣を囲う様に、センサー式感知魔法は巡らせておいた
仮眠をとっている隙に小鬼たちが動き出しても、強烈な頭痛でそれを報せる優れものだ
……正直、もっと穏便に知らせてくれないものかと思うが、そこはまあ、しょうがないもので

「――出来るだけ断続的に寝て起きてを繰り返すか……ん?」

何度か使用してその感知魔法効果のほどを知っているケストレルは陰鬱な面持ちで独り言ちたが、ふと蹄の音に気付いて顔を上げる
見遣れば、馬から降り、此方へと向かってくる姿が窺えた

「――もう来たのか、随分と早いな
 俺はケストレル、俺も冒険者なんだが……ワケあって討伐は出来なくてね

 ……今んとこ連中に動きは無いが、暑さが和らげば活動的になるかもしれない」

慣れた所作で依頼を受けた事を告げる少女に、腰を上げて軽く会釈をし
この分なら今日中に討伐も可能かもしれない、とほっと胸を撫で下ろす
感知魔法の出番も無さそうだということが、一番の安心を覚えた

エフィネ > 装備確認を終えた冒険者
丁度、自分も軽い依頼を終えた直後であり
王都が近かったことが、不幸中の幸いであった

「ケストレルね。ありがと
え?…いいよ、だから依頼を出したんでしょう?
まー、そんなでっかくてもできないことぐらいあるって!」

冒険者なのに、とは言わずに軽く笑う
誰だって事情はあるし、自分だってそうなのだ
ぱんぱん、と手を伸ばして肩を叩こう

小鬼は一晩で増える、なんて噂があるけれど
実際、小さな巣に見えても中で膨れ上がっている可能性がある
そういう嫌な予感がしたため、知る中で一番早い馬に乗ってやってきたのだ

「了解。…じゃあ、行ってくるね
もし、朝まで帰ってこなかったら、次の冒険者を呼んで
それと、夜でも小鬼が大量に巣から出てきたら迷わず逃げること。この馬使ってくれていいから」

巣の中で何があるかわからない
そのため、次善の行動を告げておいて対処をスムーズにする
驕るつもりはないが、自分が行方不明ということはギルドも少しは警戒してくれるだろうと
更に、青年の安全を第一に願ってから立ち上がる

「まあ、そうそうやられる気は無いけどね
―――いってきます」

気の強そうな、けれど優しい言葉から一転し
真剣な声音と表情で巣を睨み…。何事もなければそのまま、隠密姿勢を取って巣の方へ消えていくだろう

ケストレル > 得手不得手がある事は百も承知だし、不得手(不殺生)を知った上でもギルドはケストレルを評価してくれている
まあ、偏に人柄と討伐以外の依頼を選り好みしない姿勢が評価材料になっているのだろう、とケストレル自身は睨んでいるが

「はは、まあ持ちつ持たれつってのが俺の冒険者としての在り方っつーか
 ……悪いけど今回は任せるよ、最低限の魔法でのバフや遠隔からの助言くらいは出来るからさ」

実のところ、装備も戦闘向きではない
だが魔法に関しては装備に左右されないため、ある程度のサポートは可能だ
肩を叩かれながら、微かに自分の不甲斐無さに自嘲気味に笑みを浮かべ

「頭数は多分4、もしかしたら巣の奥にもう2~3居るかもしれないが、10は絶対に居ない
 十分に気を付けてくれ、出来れば二人以上で来て欲しかったところだけどさ」

念のため、と防御力向上と暗視の補助を彼女に付与しておく
此方の安全を考えてくれることは有難いが、彼女が失敗した際に小鬼の討伐に加えて彼女の救出まで加わるのは望まない
――彼女の救出くらいであれば、自分で即時的に出来るかと最悪の事態への対応も考えつつ

「戻って来たら何か美味いものを準備するよ
 必要なら躊躇わず撤退してきてくれ、無理はしない様に、気を付けて」

巣へと向かうエフェネの背へと声を掛ける
出来ればギリギリまで同行すべきだろうか、と考えなくも無かったが
逆に足を引っ張ってしまう可能性も考えてこの場で彼女を待つことにしたのだった

エフィネ > 明らかに彼は戦闘用の装備ではない
だから連れていくことなど頭に無かったが…予想外の嬉しい補助があった
それは、情報と魔法だ

「ええ。任せて。…小さな巣みたいだけど、油断はしないわ
同僚や後輩が小鬼には襲われたりしてるし
わ、ありがとう。とっても助かる」

声に少し暗さが混じる
小鬼が冒険者を捕えて何をするかなど自明であった
そのような話はありふれているし、そうなる気も無い

更には、防御と暗視のバフもかけてもらえば準備は万端以上だ

「あと、ごはんも楽しみにしてるわ。どうせ今日は帰れないし」

いくら慣れた街道が近くにあるとは言っても
夜走るのは危険だ
だから野営で一晩を明かすことは織り込み済み
馬に括りつけられた荷物はそのためである

男に手を振り、そのまま低い姿勢で巣に入り…
天然の小洞窟を巣とした小鬼を討伐に向かう


慎重に、罠も警戒していたため目標の敵の数は少ないとはいえ時間がかかった
途中何度か助言を請い、生存確認も行って
防御魔法も頼りにしつつ、小鬼を討ち取っていく
そのまま、巣の主…とは言っても少し成長しただけの小鬼だった―――を討伐し、帰ってくる

ソロであるから警戒しながらの攻略であったため…時間はすっかり月夜となっており、彼女も泥や血で軽鎧や装備を汚している状態だ

「思ったより時間がかかっちゃった。おまたせ、依頼完了だよ」


きっちり打ち取ったことも…ポーチに入った小鬼の耳が証明している
流石に早馬で来てすぐに長時間の討伐はこたえたのか、ふー、と汗を拭う仕草を取っている

ケストレル > 今、自分に出来ることは最大限やれたと思う
掃討に向かうという彼女に、情報と補助(バフ)を与え
それが達成された際の休息の準備、いざという時のギルドへの連絡手段の確立
それらを不足が無いか十分に確認した後は、出来る事などただ彼女の無事を祈り待つだけである

「……せめてまともな盾くらいありゃあな……」

独り言ちた呟きは風に散り、独り小鬼の巣に乗り込んだ冒険者の安全を願う
彼女から連絡と助言の要請があった際はホッと胸を撫で下ろすとともに、遠隔にも関わらず精密な指示を与えた
依頼を出してから彼女が来るまでの間、斥候の役割も果たしていたからだ
そうして彼女の任務を最大効率で成功へと導けば、すっかりと日は落ちてしまっていた


「―――ああ、おかえり 無事で何よりだ
 ありがとう、感謝するよ 君のおかげで迅速な対応が出来た」

戻って来たエフィネへと声を掛ける
さすがに疲労の色を隠せない彼女へと、装備を外して楽にすると良いと告げて、自分は夕餉の準備を始めた

エフィネ > 能力が高いというより、経験からしっかりとした行動ができるタイプであるエフィネ
その経験に、斥候をしてくれた情報も加われば…戦うのが一人であっても負けることはない
不意打ち受けやすい場所など注意すべきところの情報は何にも勝る

更に、防御の補助もかなり効いていた
盾を装備してはいたものの、効果の高い防御補助は何重にも鎧を着ているようなものだ
長時間の攻略で疲労はしたものの、ケガ一つなく帰ってこれたのはそのおかげも大きい

「んー…!うん、そうする。んしょ、っと…
ケストレル、すごいのね。補助ならかなりの腕じゃない?
攻撃を受けた時の衝撃がほぼなかったもの」

野営地に座れば…ぱち、ぱち、と鎧の留め具を外してインナー姿に
短剣や盾もしまいこみ、身体のラインが出る格好である
流石にインナーは脱がないが、かなり体は軽くなった
ぐー、と伸びをして夕餉の準備を眺めて…

「あ、よかったら私の保存食も使って
この前買ったちょっといい干し肉があるのよ」

せっかくだ、と馬の荷物から保存食を取り出す
また買えばいいのだし…少し夕餉を豪華にしようという狙いだ

ケストレル > 「まあ、初心者たちのサポートやら、色々とやって来たからね
 本当ならもっと俺が矢面に立てりゃ良いんだけど……
 盾があれば、今回もタンクとして先陣に居れたんだけどさ」

防御や攻撃への補助魔法は、それなりの腕前はあると自負している
けれども本当にしたいことは、前線での戦闘であり、不満は無いものの不本意である事は否めないのが実情だ
なので、褒められても複雑な気持ちになってしまう  その事に申し訳無さも覚えて自己嫌悪
せめて夜を越すまでは快適に過ごして貰おう、と気を改めるが、
鎧を外しインナー姿になったエフィネを見れば男として思う所が無い訳でもなく

「……ああ、天幕の傍に水も汲んで用意してあるから、良ければ中で体を拭くくらいはしてくれて構わないよ
 その間に夕餉の支度を終えとくからさ――え、良いのかい?
 それじゃあお言葉に甘えて……」

保存食の提供に笑顔で応じ、受け取る
とは言えしっかりとした食材があるわけでも無いのだが、そこは工夫次第で如何とでもなるというもの
幸い、薬草採取の際に山の幸をある程度回収していた事も功を奏していた

エフィネ > んー、と火にあたりながら思案する

「今回は小さい盾しか持ってきてなかったからなー…
でも、次があったらお願いするよ
とっても助かったんだから、そんな顔しないのー」

今回持ってきていたのは、取り回しの良い小盾である
彼女の体格に合わせたものだから、男に渡していても小さくて使いにくかっただろう

「わ。至れり尽くせり
じゃあ、ご飯はお任せして…ちょっとさっぱりしてくるね」

自分の補助もしていたというのに水まで用意してくれている男にサムズアップ
若干荒い足取りで、馬から荷物を取って…天幕の方へと向かう
しばらくは、その中から上機嫌な鼻唄が聞こえてくるだろう
濡れた布で全身を拭いて、また戻って来る

干し肉はそれなりのグレードのもの
戻せばうま味も染み出して良い味が出るだろう

少し経てば、天幕を開く音

「ふーー…、すっきり
血の匂いも取れたよ、ありがと!」

格好としては、先ほどのインナーに近い
荷物から衣服を取り出して着替えて来たのか、綿を使った薄手の長袖長ズボンだ
野営であるから…虫さされや切り傷を気にしているため、こういった格好になっている
先ほどより更にラフな状態で、ぐぐ、と体をほぐしつつ戻って来て…先ほどと同じ場所に座ろう

ケストレル > 「ははは、出来りゃ穏やかな依頼でご一緒したいもんだけどなー
 ま、機会があったらよろしく頼むよエフィネさん」

顔に出てたか、と失笑しつつ頭を掻く
体格も良く、鍛えられた肉体を持ちつつも白兵戦は素人同然
その上殺生も出来ないことは、冒険者としても騎士としてもコンプレックスになっており
それが知らず知らずのうちに表情に出てしまうとは、まだまだ俺も未熟だなと内心で反省する

「討伐をお願いした立場だからねー、せめてこなしてくれた相手には最大限の歓待を、ね
 俺がされたら嬉しいから、ってだけなんだけどさ」

天幕へと向かったエフィネに背を向け、焚火に鍋を掛けて食材を切っていく
洗体用とは別に汲み置いていた水の中へ、受け取った干し肉を浸すと少し待って鍋へと移す
その最中、鼻歌が聞こえて来て其方へ目を向ければ、あ、と小さく声を上げた

天幕の中には灯りとしてランタンを吊るしておいたのだが、夜暗くなってからの使用は想定していなかった
そもそも女性が来ることも想定外であったのだが、まあそれはそれ
つまるところ何が起きていたかというと、外から見れば天幕内の様子が影として壁に映し出されていたのである
しまった、と思うものの、何も言わず調理に気を向けているという態で気付かないフリをする事にして
時折ちらちらと視線を向けたりもしたり

「あ、ああ……おかえり
 まあ、用意は万全にってね……」

天幕から戻って来たエフィネを直視出来ず
丁度煮詰まってきた鍋を火から外し、蓋を外せば中身は香ばしい匂いの漂うシチューが出来上がっていた
ナイフでパンを切り分けて大皿に置くと、器へとシチューをよそい、エフィネへと差し出す
その際にふわりと、夢魔由来の魅了を伴う香りが僅かに流れるだろうか

エフィネ > 「エフィネでいいよ。さん、とかちょっとむず痒いし」

すっかり相手を信頼している様子のエフィネ
できることを全力でやる人は好かない理由がない
それが自分に向けられた厚意なら猶更だ

もちろん、天幕が透けて影が見えていることなど気づいていなかった
見えることはないのだが、上機嫌に体を拭く姿も…服を脱いだり着たりするその動作も影で見ることが出来ただろう

「? どうしたの?
…わぁ、おいしそう!野菜もあったの?
これなら疲れ何て吹っ飛ぶよー」

眼を合わせようとしない相手に不思議がったものの
シチュ―に心奪われたおかげで追及は無かった
まずは温かいシチューにパンを付けて、一口
疲れた体に染みわたり、ふわ、とした笑顔になる

「ん、なんだか甘い香り…。香草でも入れた?
うんうん、美味しいよ、ケストレル」

魅了の香りはただちに害を及ぼすものでないなら
香りを感じはしたものの、気にせず食事を続ける
ただ、少し効いてはいるのか…若干無防備さが上がっている

具体的には、火とシチューによって温まった体を冷ますようにシャツの裾を持って扇いだり
…綺麗に整った腹筋と、細い腰が目に入るかもしれない

あるいは、お代わりを貰おうとした時に横着をして立ち上がらずに前かがみになり胸元を見せつける格好になったり
普段は気を付けているのだが…そういった、ちょっとしたことが食事中に起こるだろう

ケストレル > 「そっか……じゃあ、遠慮なくエフィネって呼ばせて貰おう」

見たところ年齢も然程差がある様には見えない
彼女の申し出を快く受け入れる
同年代の冒険者が活躍しているのは、我が事のように喜ばしくも思えて

天幕に映し出される光景は、見えないからこそ想像を掻き立てるもので
見ない様にしよう、と意識すればするほど、どうしても視線は向いてしまう
直前までの準備と、先に行っていた依頼の疲れから理性は簡単に揺さぶられたが、
天幕内に押し入るほどの暴挙には出ないだけの自制心はどうにか働いたのだった

「ああいや、別に何も……
 野菜と言っても日持ちする根菜ばかりだったけどな
 エフィネのくれた干し肉のお陰で作れたって部分もあるし、どうぞ一杯食ってくれ」

氷の魔法を用いれば、ある程度の食品の保存も利く
野営で夜を越すことも想定して、ある程度の根菜は持ち合わせていたが、
シチューにするまで至ったのは偏に彼女の持っていた干し肉の恩恵による部分が大きい
食事に笑みを溢す彼女を、微笑ましく見ていたのだが、

「匂い? ……あ、あー虫除けの香かな?
 口に合ったなら何より、疲れてるだろうし、幾らでもおかわりはあるから―――」

匂いに言及されれば、思い当たるフシがあるのか慌てて匂いを控えようと心を落ち着ける
……のだが、既に効果を齎してしまったか、無防備さの上がった彼女の行動に容易く理性は乱された
シャツがはためく度に覗く肌が、見せ付けられる形となった胸元が匂いの発生を後押しする
効果が僅かである内に留めようと苦慮するケストレルを嘲る様に、香りはゆったりと漂いエフェネの理性を麻痺させ蕩けさせていくだろうか

エフィネ > 「ふぅん?じゃあ、遠慮なくー」

理性が弱くなっている影響か、気になったとしても追及はしない
シチューを多少乱暴な手つきで口に入れ、咀嚼して味わっていく
その間も、知らず知らずのうちに匂いを吸い込み、どこか頭の隅がぼうっとしてくるような感覚

(あれ…。んん、思ったより疲れてたのかな)

当の本人は、それが男から発せられたものだと気づくこともなく
思考の緩みは、疲れているからだと思っていて

さっさと食べて休もうと盛んにお代わりをしていく
運動後であるから、女性としてはかなりしっかり目の量だ

「んー…ありがとね、ケストレルー…
とってもおいしかった。ご馳走様ぁ…
そろそろ、寝よっか。一応見張り、交代制にしてぇ…先にどっちが寝る…?」

食べ終わる頃には、どこか語気も緩んだ状態
後ろに手を突いて座り、軽く足を開いて
いつもは異性の前だともう少し警戒した姿勢を取るのだが…淫魔の香りによって無意識に気が緩んでいる

表情もぽぉ、っとしており…表情的に言えば眠そうな印象を受ける表情になり
もちろん体は衣服以外で隠されていないため、野営の火に照らされて見放題である
疲れと相まって、思考能力が落ちている様子だ

けれどそれでも長く冒険者をやってきたから
火の番と見張りのことを決めようと、緩んだ目線を男に向ける