2025/08/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」に篝さんが現れました。
■篝 > 喜びヶ原には幾つもの川が流れる。ここは最も長い川の上流にあたる。
レジャーと言えば、ル・リエーの水遊場だと誰もが口もそろえて言うようになり早数十年。川遊びをする者も減り、旅人が喉を潤したり、汚れを落とすのに使用される方が今は多いだろう。
特に上流となれば、魔物の出没数も増えるのでますます人は寄り付かない……。
つまり、人前で正体を晒せない者にとって、ここは限られた秘密のオアシスとなるのだ。
ミレーの特徴を持つ白猫の少女は水着に着替え終え、ようやく涼めると上機嫌で尾を揺らしながら川辺へと小走りで駆けて行く。
表情は淡泊で涼しげに見えても、この猛暑は耐えがたいものがある。
熱を遮る魔法のケープを着ていても、たまにはこうして水の中へと飛び込みたい衝動が湧いてくる。
「――んっ!」
岩の上をひょいひょいと身軽に跳んで渡り、高く跳んで――
ばしゃんっ!
勢いよく足から川の中へと飛び込もう。
■篝 > 足の先から頭の天辺まで、一気に体が冷やされる。
驚いた心臓が跳ねるけれど、それもまたすぐに落ち付き。残るのは心地良い水の冷たさと浮遊感。
自然あふれる川の水は曇りなく澄み渡り、夏の日差しを受けてキラキラと輝いていた。
水中に差し込む光の帯は水底まで照らして、素早く泳いで逃げていく魚の群れが影を作り出す。
ぶくぶくと昇る気泡が揺れる水面に溶けて消える。
深く潜り川の流れに流されつつ、時に逆らい夢中で魚を追いかけ、見失っては息苦しさを思い出して水面へ顔を覗かせて。
「ぷはっ……! はぁ……。んー。ひんやり、気持ち良い……」
首を振って濡れた前髪を避けながら、眩し気に緋色を細めて体の力を抜く。
ぷかぷかと、緩やかに流される中で川岸に放り出したままの帽子と着替えに目をやった。
ここで誰かに会ったことは今まで一度も無いし、そこまで泥棒を警戒する必要は無いか。どちらかと言うと、魔物の方に注意するべきだろう。討伐依頼もチラホラと出ているのをギルドで見た気がする。
ぼんやり天を仰ぎ考え事をする内に、身体は流され川縁へ。
丁度良い所にあった岩に片手で掴まり、これ以上流されないように気を付けておく。