2025/08/02 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にクリストフ・ブラックさんが現れました。
■クリストフ・ブラック > (継続待機中)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に枢樹雨さんが現れました。
■クリストフ・ブラック > 「…そのあたりはあまり触れられたくねえな。」
見た目は20程度だが、俺の実年齢はもう少し高かった気がする。
この辺りはやはり経歴やスキルを掘り下げれば、どうしてもボロが出るのか。
とはいえ、こちらを見つめる彼女の醸す雰囲気も、どこか人間離れしているが。
「君の言ってる内容を叶えてくれる仕事なんて、冒険者くらいだろう。
腕と依頼があればこれほど自由度の高い仕事もなかなかないぞ。
あとは、俺みたいな仲間がいれば完璧だな。」
あえて得意げな顔を見せた。それは、彼女の警戒心を解き、自分に心を開かせようとする、俺なりの誘い水だった。
しかし、女性の視線は、再び俺の心の奥底を探るかのように、じっとこちらを見つめる。
その視線は、俺の言葉の裏に隠された真意を、鋭く見抜こうとしているかのようだった。
彼女の瞳は、まるで深淵を湛えた湖のように、静かで、しかし底知れない何かを秘めている。俺は、その視線を受け止めながら、確信めいた笑みを浮かべた。
「別に、枢が人間じゃないとしても、俺は構わないぞ。
要は俺らがどんな関係を気づくかどうかだろ?」
俺の言葉は、森の静寂の中に、確かな響きを持って広がっただろうか。
瞳は、彼女の反応をじっと見つめている。俺の言葉が、彼女の心の扉を、わずかでも開くきっかけとなることを願って。
森の木々は、二人の間に流れる緊張感を、静かに見守っていた。風が、二人の髪を優しく撫で、まるで彼らの運命を祝福するかのように、そっと通り過ぎていった。
■枢樹雨 > 「そう。……じゃあ、冒険者と、しておこうか。
仲間と言うのは、いつも一緒に依頼を受ける人?パーティーというものとは違う?」
触れられたくないと言われれば、小さく頷きそれ以上追及することもない。
見目と実年齢の差なんて、己からしてみればさして大事なことでもないのだから。
それよりも、扱い慣れぬ単語の方が耳に残る。
幼子のような、問いの重ね掛け。
探る意図もなく、ただ知りたいだけの好奇心も、感情薄い声音と表情が他意を感じさせるか。
しかし、脈絡なく続けた問いは、人の子ではないという示唆は、警戒解けた故のもので。
「……じゃあ、捕まえて売り飛ばしたりとか、しないで。」
人間でも構わないと貴方が言うから、僅かに目線を伏せ、両手で頭の白絹を取り払う。
濡羽色の髪から覗くのは、青碧色の鬼角。
そして取り払った白絹が、真白の左手に吸い込まれるように消えていく。
白絹が消えた後に残るのは、掌に渦巻くように広がる黒い靄。
それが徐々に広がり、左手の上に直径30cmほどの暗い穴を作り上げれば、右手が採取物を穴の中へと無造作に放り込んでいき。
「ここ、入れてくれれば王都まで楽に運べるから。」
■クリストフ・ブラック > 「そうだなあ…。
仲間ってのも定義は色々ありそうだが。
パーティーと仲間はだいたい同じ意味かな?
ちょっと質問が難しくて、俺も即答できねえな。」
思わず採取の手が止まる。
仲間…俺の中では信頼できる相手くらいのつもりだったが。
目の前の相手はただの好奇心か、それとももっと深い意味なのか。
「…まるでされたことでもあるかのような言い草だが。
俺は信用してくれる相手にそんなことはしねえよ。」
視界に飛び込んできたのは、彼女の額から生える小さな角だった。
それはこれまで彼女が隠し続けてきた、人間ならざる証。突然の開示に、一瞬、言葉を失った。
しかし、すぐに口元に優しい笑みが浮かび上がる。それは彼女が自分を信用し、
その秘密を打ち明けてくれたことへの純粋な喜びの表れだった。
俺は彼女の角をじっと見つめた。その角は闇色の髪に隠れるように生えており、光の加減で鈍く輝いていた。
彼女の勇気に敬意を表し、その秘密を優しく受け止めるかのように、そっと頷いた。
採取物を飲み込んでいく穴は空間そのものが歪み、異次元へと繋がっているかのような、不可思議な存在。
俺は思わず目を見張る。それは、彼女が人間ではないという事実を、改めて突きつけるものだった。
しかし、俺の心には、恐怖や嫌悪感ではなく、純粋な探求心と、彼女への興味が湧き上がってくる。
この女性は、一体何者なのか。そして、彼女の持つ力はどれほどのものなのか。
俺の「裏の顔」であるゾルタン・ダークスケイルとしての野心が、静かに、しかし確実に刺激されていくのを感じた。
「こんな便利なものあるんだな。
それより、せっかく隠してた布をしまっていいのか?
報酬は王都のギルドで受け取るんだぞ?」
■枢樹雨 > 「君にとっても、難しいことなんだ。
…少し前に、パーティーというものに加わることになって、でも基本的に自由だからと。
今日みたいな時に、助けを求めてみれば良かったかな。」
人それぞれ、定義があるということか。貴方の答えが、己の答えとはならぬと言うことか。
難しいとする貴方に数度瞬きを繰り返しては、一ヶ月ほど前の出来事を思い返す。
そしてどうすることが正解だったのだろうかと思案気に呟いては、白絹に攫われ乱れた前髪を手櫛で直し。
「されたことはないけれど、綺麗な色の角だから取って売られるかもしれないと言われた。
……しないなら、それで良い。不自由も、痛いことも、嫌だから。」
早い段階で警告を貰ったが故に、実際捕まった試しはない妖怪。
貴方がそんなことはしないと言ってくれるなら、それを疑う気配は見せない。
代わりにその表情の変化を真っ直ぐに見つめ、貴方が何を思うか想像するだけ。
人ならざる存在と認識されたなら、己の出来ることを隠す意味もない。
故に左手より黒い靄を発生させれば、貴方にも採取物を放り込むよう促し。
「この子が居るから、荷運びのお仕事してる。
…布は、出来るだけ外していたい。飛んでいきそうになるし、顔に触れるとくすぐったいから。
森を出るまで、だめ?」
"この子"と言って視線向けるのは、左手で渦巻き穴を作り出す黒い靄。
角隠す白絹について言及があるなら、ありのままの理由を伝えよう。
そうして碧眼覗き込み首を傾ぐ様は、お菓子強請る幼子のような仕草で。
■クリストフ・ブラック > 「う~~ん、パーティーってのは単に仕事を一緒にしてる時だけの場合もあるからなあ…。
秘密を打ち明けていいかはまた別だなあ。
まあ、そのあたりは相手を見て対応を変えるしかねえな。」
教師をしてるだけあり、相談されることは嫌いじゃない。
彼女の言う状況がどんなものかわからないが、とりあえず慎重になるよう伝える。
「その手のことをする輩がいることはいるだろうな。
鬼っていうのか? めずらしいから研究材料にと思うのもいるだろうし。
単純に見た目がいいから邪な気持ちを持つ輩もいるだろう。」
こちらの感情を確かめるような視線。
俺はじっと見返す。
はたして、どんな風に見えてるだろうか。
割と興味をそそられているのは事実だが。
促されるまま、素材を入れていく。
これはなかなかに便利そうだ。
「そうだなあ…街に入る前にはちゃんと付け直すんだぞ。」
小言めいた事を口にし、また素材を入れる。
依頼のノルマはとうに達成できた。
「今入れた分をギルドにもっていけば、報酬をもらえるぞ。
これからどうする?
真っすぐ街に戻ってもいいし、森の中で調べたいことがあればそれでもいいし。
俺に聞きたいとか、教わりたいことがあるなら聞いてくれてもかまわないぞ。」
■枢樹雨 > 「結局のところ、相手次第ということだね。
じゃあ、無理に形容する言葉を宛がわなくても良いか。君は、クリストフだ。」
冒険者、仲間、パーティー。
個を当て嵌める言葉や、枠組みとなる言葉。
人の子が生み出したものは多く在って、けれどすべてを使う必要もないかと、単純思考な妖怪。
こうして見て、聴いたことが己の事実だとばかりに貴方の名を紡いでは、頬撫でる風に双眸細め。
「鬼の角に、似ているね。でも私は、鬼とは言えないと思う。
ただそうやって想像されて、だから在るだけ。その程度のものなのに、面倒くさい。」
素材放り込む手が止まり、代わりに己の角へと伸ばされる。
変わらず頭に存在している青碧色の鬼角。
その曲線を指先でなぞれば、指に残る土が角へと付着する。
それに気が付かぬまま淡々と答え、手を降ろせば、最後のひとつとなった素材を靄の中へと放り込み。
「ん、わかった。
…君の時間が大丈夫なら、少し休憩させて。歩いて、採取して、疲れた。」
街に入るまではと、鬼角隠さぬことを許してくれる相手にひとつ頷く妖怪。
心なしか満足気に左手を握ると、広がっていた黒靄は一瞬で収縮し、霧散してしまう。
左手を再度開いても、其処に黒は存在しない。
開いた手で己の首へと軽く風をおくり乍らに貴方へ視線を向ければ、確認するように頭を少し傾ける。
てんで体力のない妖怪は、その場にしゃがみこむまま。