2025/07/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にナランさんが現れました。
■ナラン > 森林地帯の森の中、小川の流れの響きが木々の間を縫って響く、静かな夜。
小川を囲んで岩場が広がる辺りは、昼間の太陽が残していった暑さもすっかり洗い流されている。今は月明かりが注いで、森の中の暗がりからすると昼間もかくや。
(…と、思うのは)
「……私だけでしょうか」
ぽつりと、つぶやきながらその月明かりの中へ踏み入れる人影がひとつ。白いストールを頭から巻いている女は、夜空を見上げて月に目を細める。眩しいわけではなく、そこから降り注ぐ月光の、光の帯が見定められそうな気がして。
その月の前を、鳥の影が横切っていくのを機に女は視線を降ろす。
岩場はいくつか小さな滝を作っていて、あちらこちらで上がる飛沫がまた月光を散らしている。近づけば、透明な流れの向こうに川底がすぐに見える。辺りの空気との温度差のせいだろう、流れを覗き込んだ女の、肩から滑り落ちた黒髪を涼気をはらんだ風が嬲っていく。
■ナラン > しばらく、川の流れの中に踊る水草を眺めた後
女は適当な高さのある、渇いた岩の上に持ってきた籠を置く。その籠にあるのは、ごくふつうの生成色の綿の布地と色とりどりの糸。水飛沫が掛からないことを確かめてから、水辺に屈んでその白い手を流れに浸してみる。
「… きもちいい」
昼間、すこし陽にさらされたせいだろうか。弓を扱う、お世辞にも美しいとは言えない傷が残っている手から登ってくる冷たさはどこかほっとさせるものがあって、女の口元がすこし綻ぶ。
それから暫し、手を浸したまま考え込んでから
辺りを見回して ブーツを脱ぎだした。左足の靴を、籠と同じ岩に乗せて、それから裾を捲るとこちらは傷一つない白い足が露になる。それから右足も。
立ち上がって素足で踏む岩場の砂利はまだどこかぬくもりがある。そこからそっと、片方のつま先を流れの中へ。
「―――冷たい」
脚の指の間を流れていく冷たさ。――――心なしか、女の背筋が伸びる。
■ナラン > 両手でズボンを少し持ち上げながらざぶ、と両足を浸すと女の唇からため息がこぼれる。それから、続いてくすくすと笑みがこぼれた。一人で子供っぽいことをしていることに、自分で呆れてしまったのだ。
「―――足を拭く布は持ってきていないんだから、 …乾くまでは、戻れないですね」
透明な流れ越しの爪先を眺めながらの独り言を、だれが拾うこともない。
それでも女は可笑し気に続けて笑みを零して、籠を置いた岩へと腰掛けると川から足を引き上げた。もうすこし浸して居たかったけれど、いくら何でも森の中を裸足で行くわけにも行かない。
布を膝の上に載せる。それはこの先枕カバーとなる筈のものだ。
自分の服にある刺繍を気に入ってくれた知人の子供から、ひとつ、何か作ってくれとせがまれての事。
意匠は任せる、と言われていて、何にしようかずっと迷っていたけれど。
「―――……」
(あの子は、動物が好きだから)
考え込みながら、糸と布地をとっかえひっかえ合わせて、月光の明りのなか見比べる。
その女の両足が渇くころには、模様のひとつも布地に浮かび上がっていたろうか――――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」からナランさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」にキタさんが現れました。
■キタ > 街を抜け、最近殊に気に入っている場所である泉へと、人の通った道ではなく本来なら避けるべき森の中を抜けて辿り着く。
今日は幸い悪戯好きの妖精は居ないようで道に迷う事も無くその泉の縁に辿り着いた。
「今日も、頂きますわね。」
そう、笑みを浮かべると膝を折り正座の形に。
いつもなら沐浴も兼ねて泉に浸かるのだけれど、正座のまま身体を折り
水面に顔を映してから伸ばす赤い舌。
水路に向かう水の流れに変化が生じその水を吸い上げるように吸収してゆく。
凡そ人体が確保出来る量で無いそれ……。
傍から見れば泉の縁に緋色の臀部を突き出している珍妙な姿が映るかもしれない。
万が一対岸で出会おうものなら、人の形をしながらも、人ならざる舌で水を吸い上げる物の怪の姿がありありと映るのだろうが。
■キタ > 今日も今日とて、吸い上げた甘露。
それは明日からの手水舎の源となる。
ふふ、と口角を吊り上げながら満足げな表情を浮かべた物の怪はそのまま自らの塒へと。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」からキタさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にフーリさんが現れました。
■フーリ > 「あ゛っ゛つ゛ぅ゛……」
とある野営地はログハウスがある上等な部類の野営地。
そこに、死体かな? というような風情でぐったり倒れ込んだ魔女が一人。
香草薬草ついでに食用の山菜と、調子よく採取していたのはつい先ほどまで。
真上から降り注ぐような日差しに焼かれて黒ずくめはまるで丸焼け丸焦げの様相。
避難した野営地で、ぐてぇ、と、だらしなく四肢を床に放りだして、喉奥からひねり出すような声でうめいたのが、今の事。
季節柄薄着にすればいいのだろうがあまり肌を晒すものではないと魔女の感性が訴える。
毎年どうして凌いでいたのだっけ、と、思い返して。
「あ」
のろのろ立ち上がり、記憶にあった冷却の魔法を使う。
直接身体を冷やして魔女の身体が壊死しかけた失敗もむかしのこと。
今は、周辺に冷やす空間の範囲をうまく指定して……よし。
ログハウスの中だけが冷却の対象となる。まだ火照る体は熱気が籠るが、頬がひんやり冷えて心地よい。
あふー、とか言いながら、近くにあった椅子に腰かける。
ロングスカートの裾を持ち上げて、脚のほうから冷やすように。
魔女のおみ足包む黒いガーターストッキングも、汗が滲み余計に透けるよう。
白い腿もちらりと見えて、その奥の下着までも黒一色に揃えている徹底ぶりもちらりと垣間見える。
ちょっとはしたないが一人だからと涼を取りつつ、ほへぇ、と、気の抜けた息を吐いた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にキュリアスさんが現れました。
■キュリアス > そんな野営地に近づいてくる一人の青年の姿があった。
しかし、熱気や日差しによって大分汗をかいて、フラフラとしている姿。
額の汗を拭い、目に付いたログハウスへと近づき、声を掛ける。
「すみませーん…。中に入れてくれませんかー…」
覇気の一切ない声。もう暑すぎて声を出すのも億劫だ。
当然、そんな声では中には響かないのは自分自身でもわかっている。
「ん”、ん”んっ!」と、喉を整えてもう一度息を吸って。
「すみませーん!!誰かいるなら入っていいですかー!!」
と、大声を張り上げる。その後、ひぃひぃと肩で息をしてまた額の汗を拭った。
ただでさえこんな暑い中で声を出せば、より体力を消耗しても当然であるが。
そもそも中に誰かいるとは限らないのにもこうして声を掛けるのは、人の匂いがするがゆえに。
多分いる。いて欲しい。いろ。風が生温い中、とにかく日が当たらない場所が欲しい。
森の中とかにでもいけって?目についたから仕方ないのだ。
「…………って、別に許可要らない場所だったりするのかなぁ」
と、今更ながらぼやくが。いちおう自分はミレー族によく見られている。
下手に違うといっても信じられないことが多いが、ともかく。
そんなこんなでつい人の許可もなく中に入るとトラブルを招くため、こうして一度間を置くのが癖になっていたが。
さて、中にいる魔女は、開けてくれるのだろうか。
■フーリ > 魔女は気配察知の魔法を常用している。
が。それは明確な害意に対応するもので。魔法の主に似て、それ以外にはずいぶんとアバウトだ。
だから、近づく気配どころか、最初の呼びかけすら、ひんやり空間で落ち着いている魔女は聞き逃し。
次いで聞こえた大声に、大げさに反応した。
「ぴぃっ! いいいいいいまあけますぅ!」
もっとも魔女も生き絶え絶えにやってきたので鍵などかけていなかった迂闊さなのだが。
ぱたぱた歩いて、無警戒に扉を開けた。
そこから冷気が流れることは無い。きちんと、ログハウスの中、と、魔法の範囲は指定されている。
けれども外に居た相手には、やたらと文字通りの涼しい顔をしている、と見えるだろう。
「ぁ、ぇ、ぇひひ、えっと、休んでいきます……?」
ただその涼し気な顔は一瞬で引きつった笑みになるし、引き笑い零しつつ、まるで飲み会の後にベタな誘い文句を投げかけたみたいな間の抜けた風にもなった。
身長差から見上げるようになるが御簾によるメカクレ根暗の瞳は見えなかろうか。
口元だけ卑屈そうにゆれているのは分かるだろう。
仕立の良い衣服着た、獣人。一部の獣人は魔女の良き隣人でもあるから、悪い印象はない。
ないが、この根暗チビはコミュ能力の欠如が見受けられるので、最初の声かけのあとは、ぇひぇひ愛想笑いしながら、彼にログハウスの中へ促すよう、身体を半身、ずらすくらいしかできない。
身体をずらしても邪魔な魔乳をゆさりと揺らし、所在投げに青年を見上げたり、室内見たり、彼の後ろを見たり、対人能力の低さを露呈して。
■キュリアス > バタン!と大きくいきなり扉が開けられて、猫が驚いた時のように青年の銀色の髪が”びくぅ!!”と逆立つ。
「ぉっと…!?」
こんなに勢いよく、それも焦って開けられたことびっくりしたように軽く飛び上がり。
次いで、その容姿を見て…いや、見下げる。自分よりも随分と背が低い。
頭一つ分ぐらい低い。いや、もしかしたらそれ以上かもしれない。
上から見ることになるせいで、その髪の毛で隠された瞳は見えないが。
口元の笑み…いや、笑み?ともかく、人馴れしてなさそうな女性がいるな、という感想を抱きつつ。
「う、うん。休ませてくれるなら休ませてほしいなって」
そう言いながら。水色の瞳を彼女に向けて、半身ずらして促されつつ中へと入っていく。
露呈される対人能力の低さに、なんとも言えない感情を抱きながら。
中へ入れば、涼しい冷気に体力が回復していく感覚がして、一息つく。
「あぁ…ここ、涼しい…………めっちゃ助かる…………開けてくれてありがとうお嬢さん」
そう言いながら、挙動不審気味にこちらを観察していた彼女に振り返り笑みを浮かべる。
人懐っこい表情を浮かべて、室内にある椅子へと歩いていき、座り。
ぐでぇ、とテーブルに液体のように上半身を広げて突っ伏して。
「マジここ生き返るぅ…………この涼しさってお嬢さんがやったの?すごいなぁ」
■フーリ > メカクレチビ黒の身長は彼の胸当たりまでしかないのではないだろうか。
ぴょん、と音が聞こえそうな青年の警戒ジャンプにはかっく、ん、と、合わせて魔女の頭が間抜けに揺れる。
休ませてくれるなら。そう言われて拒否できることなどない。そもここは魔女の居所ではないのだし。
だから、どうぞどうぞ、と、室内に入る青年を見送り、そして、ぱたんと扉を閉じた。
「い、いえ。ここは共同利用するところって聞いてますし」
それでも占拠したり、余人を排除するようなものが居るから、青年のような反応を見せる者もいるのだろうな、と。
ぼんやりそんなふうに考えてから、はっ、として髪やらスカートやら整える。
先程まで行き倒れ同然の様相で転がっていたし、そのあとは裾を乱していたのだ。
対人スキルのうち初対面の相手への対応がひどく低品質なだけで、そういうところはぼちぼち、躾けられている。
「あ、暑すぎますから、室内でも。僕でもこのくらいはできて、よかったですぅ……」
人懐っこい爽やか笑顔に、にへらりと口元をつられて笑みにゆがめて。
褒められば、はにかんだようにしながら、ぅぇへ、と、また少しキモい笑い方を見せる。
ここで立っていてもあれかと、てっててって、ゆっさゆっさと、小さい歩幅で大きな胸揺れ披露しながら、青年の体面に腰掛けた。
■キュリアス > 「(あ、この子人馴れしてねぇわ)」
ひと目でわかる。いや、その笑い方でもうわかった。
一言褒めた瞬間に浮かべる少し、独特な笑い方で確信を得る。
服も全身黒に統一されており、いかにもな装いである。
多分同じような服しか持ってないんだろうな。という謎の予感があった。
「いやぁ、ここにログハウスと、お嬢さんみたいな人がいて本当に良かったぁ」
対面に座った彼女を見て、こちらもあんまりだらしない姿を見せるのもどうなのかという気持ちになって上半身を起こす。
こうして互いに座っても視線に差があり、自然と見下げ、見上げる構図となって。
それぐらい小さい彼女を見ながら、もう一度口を開く。
「僕はあてもなく散歩なり、芸をして路銀稼いでるんだけどさ。
こんな暑い中で歩いたらやっぱりもう体力が削れて削れてここまで来ちゃったんだよ。
お嬢さんは見るからになんというか、薬剤師とかそういうのっぽいけど、山菜とか採りに来たの?」
そう聞きながら立ち上がり、彼女のほうへと歩み近づいていく。
いきなりの急接近はせずに軽くテーブルに腰掛けて見下ろすぐらいで止めて。
彼女に好奇の視線を向けながら。
「いやしかし。今年は湿気が強くて嫌になっちゃうねぇ。
あ、僕はキュリアス。優しくて綺麗なお嬢さんの名前を聞いてもいいかな?」
■フーリ > 青年の予感は大当たりだが、その心の声が聞こえていたら、フーリははっきり否定していただろう。
デザイン違いの服で、魔女のおねーさまが選んでくれたのがいっぱいありますぅ! と。
それらはやはり黒ばかり。黒は魔女のアイデンティティなところはあるのだが。
野営地にあるこんな立派なログハウスと並列で褒められると、肩をすくめる様にして所在なさげ。
ちら、と青年に向ける視線はどうやっても上目遣いのようになり。
「芸人さん。すごいですね……稼げるくらいの芸ってそう簡単に身につかないですよね。
ぁ、はい。僕はその、えっと。魔女なので」
魔女のおねーさまにも、特に種類を絞って魔法を極めた者は同族からも一目置かれていた。
特化した技術で稼ぐ、というのはそういう類のことだ、と、深く一人頷いては、青年に尊敬にも似た念を覚えつつ。
何をしに来たか問われているのには、青年の言葉を肯定しつつ、魔女なので、と、理由になってない理由で返す。
なんとも間の抜けた応答は、人馴れ云々ではなくこのチビ黒巨乳の生来のものだと思わせることだろう。
「そうですね、じっとりすると、ちょっと黒づくめも考えちゃいますし。
ぁ、フーリ。フーリです。えっと、あれ。僕の事ですよね?」
立ち上がり近づく相手の顔を追えば、首は段々上向きになっていく。
さらりと前髪が零れ、青灰がちらりとみえるだろうか。
優しくてきれい、というところが引っ掛かって、自分の名前を聞かれていると確信がもてないらしく。
首を傾げる仕草をする。それだけでも、小柄な体に見合わぬたわわが、ゆさりと質感思わせる揺れ方をして。
■キュリアス > 「まぁ自分の持ち前の能力と、他人から教えられたことをちょっと頑張れば意外とできたりするものだしなぁ」
魔女だから、という理由でいろいろまとめられると、ちょっと常人には理解できない部分もあるが。
まぁ魔女だからそう言うことをするのだろうと。そう思った。
青年は割とバカだった。
「そーそー。キミのことだよ、えー、フーリちゃん」
優しくて綺麗、という言葉に彼女は自分が当てはまらないと思っているらしい。
揺れるその胸に一瞬視線が向かい、次いでそのかすかに見える瞳に目が向かう。
青灰と澄んだ水色の青年の瞳が一瞬交差しつつ、軽い微笑みを浮かべて。
「むしろこの場にいるのは僕とキミ以外誰がいるっていうのさ。
もちろん、幽霊とかもフーリちゃんなら見えるかもしれないけど。
僕には見えないからこの場には二人っきりだと思ってるし。
だからキミ以外に当てはまる人はいないよ」
そう言いながら、”ツン”とその額を軽く人差し指の指先でつつく。
そしてテーブルに降りて、彼女へと近づきその肩に手を載せる。
「こうして僕を招き入れてくれて、まぁここはフーリちゃんだけものもじゃないみたいだけど。
それでもこうして話してくれるし、優しいと僕は思うよ?
それに、実際前髪でよくは見えないけど、綺麗だと感じるな?」
と、彼女が嫌がらないなら。上体を曲げて視線を合わせつつ、前髪を掬って改めてその顔を見ようとするが…。
■フーリ > チビ黒根暗と、ちょっとおバカ…おおらかな青年の会話は、途切れない。
お互いの認識で喋り、お互いの認識で相手の言葉を把握する。
細かい齟齬は「まぁ」と前置きしてセルフ修正するので突っ込み要らず。
「幽霊さんは見えることもありますけどここにはいないですね……。
じゃ、じゃあ僕のことなんだ。僕よりきれいでやさしいおねーさまとかいっぱいいますけど」
元々あったログハウスに先に居ただけで優しい扱いされるとかチョロ。
と、思っている自分こそが、そんな言葉に簡単に頬を染めてテレているチョロさ具合。
一瞬重なるお互いの涼し気な色合いの瞳も、すぃ、と、逸れるのはフーリのほうからだろう。
その時に頬を突かれては、ふぅえ、と、間の抜けた声。
肩に手が乗るのも、格別抵抗やら嫌がる様子もない。
この魔女、対人基本ランク外のくせ、肉体接触はランク上位者なので慣れている。
そして魔女が警戒に行使する気配察知は明確な害意以外にはガバガバ。
肉体を害したり精神へ影響したりしないなら、前髪を掬い上げるくらいは、許容されるらしい。
ただ。そこらの町娘がおんなじことをされたら赤面狼狽必須のイケメン獣人の「みつめるひとみ」は、
性自認が男(※自称)のメカクレチビ巨乳には、距離感の近い同性の変わった行動くらいに映るらしい。
少し頬が染まっているのはあくまで綺麗、に反応したもの。
合わさる視線には、じぃ、と。僕のと違って濁りのない綺麗な水色だなー、くらいで、見つめ返していて。
■キュリアス > 間の抜けた声を発する彼女がおかしくて、笑いが止まらない。
頬を染める彼女がかわいい。初対面だが実にイジめ…………げふんげふん。
イジりがいがある彼女に向けるニコニコが青年の顔からなくなることはなく。
抵抗もしなければ嫌がる素振りもない彼女の姿。
そのまま前髪を掬って瞳を見た後、軽く額を撫でた後手を離して。
降りる前髪を見ながら、見つめ返す彼女の瞳に一度頷き。
「お互い汗かいたし、よかったら水浴びでも一緒にどうかな?
特にフーリちゃん。まだ汗で服がペットリ肌に張り付いてるし。
おっぱいとか太ももとか、ストッキングが空けちゃってるよ?
単純にいくら涼しいとはいえ、ちょっと気持ち悪くならない?
このログハウス。水汲みも出来るみたいだしさ」
などと提案して、ちらりと簡易的な風呂場へと目を向ける。
水は出るだろうが…まぁ。こんな暑い中では水ももはやお湯になっていそうだが。
「ま、お湯になってたとしても。水を浴びた後のこの涼しさの中はすごく気持ちいいと思わない?」
それはそれこれはこれ。そう思って彼女に声をかけて。
微笑みながら座る彼女に手を差し伸べる。
■フーリ > にこにこ機嫌よさそうなイケメン獣人に、ぇへぇへとフーリも愛想笑いを途切れさせない。
だいぶんフツーに会話できている……! と、内心ではセルフ高評価。
いじめられているふうもいじられているふうにも捉えていないから、隔意もない。
「ぇ、あ。水浴びですか。ぁ、お見苦しいところを……確かに、汗かいてるのは気持ち悪い、のかな」
青年からのお誘いに、誘われるよう風呂場スペースへ視線向ける。
魔女の秘境では混浴など当たり前なので、王国でも男女別の湯は実は悩むほど。
男湯に行こうとして止められたことは数知れず。女湯に入っては、なんだか股間に視線を浴びることも数知れず。
いっそ混浴、のほうが馴染むくらいの魔女的感覚。
だから、青年からの指摘と申し出には、自分の格好がそんなにひどい風に見えたかな、と。
黒づくめの衣服は薄着というわけではないが、汗を吸って確かに普段より胸元を強調するように皺が入っている。
ロングスカートもむっちりとした両太ももがどこか形を浮かせているようにも見えるし。
足先だけでも、ストッキングがいつもより、肌の色を透かせているようにも。
それを確認するように手で触れたり、それぞれの場所を揺らすから、着ているほうが煽情的にも見えるかも。
んー、と、悩んで。これも話に聞く冒険者とかの通過儀礼というやつかと。
フーリ自身は冒険者ではないがギルドに薬を降ろしたりするから、そこで男女間でも冒険中は一緒に水浴びしたりするとかそういう話も聞く。そこで羞恥を気にしすぎず、捨てすぎず…と、できるのも一人前だとかなんとか。
彼は旅芸人とあればそういう儀礼には詳しいのだろうかと判断し。
そっと、伸べられた手を取った。
■キュリアス > 手を取った彼女の手を握り、青年は力を入れ過ぎないようにゆっくりと彼女を引っ張る。
彼女がちょうど立ち上がって姿勢を整えやすいようにしつつ、彼女の体付きを改めて見る。
身長に対してあまりにも存在感を主張するデカ乳。
ムチムチとした肉付きのいい人ももが、ストッキングでさらに肉が強調されている。
締め付けられた肉が浮かび、ロングスカートが軽く肌に張り付いているのも見えて。
じっくりと見れば、その体のラインが普段よりもずっとわかりやすくなってしまっているだろう。
「別に見苦しいわけじゃないけど、まぁぶっちゃけると水浴びしたかったのさ。
それに、どうせなら一人じゃないほうが楽しいでしょ?」
そう言いながら、狭い脱衣場へと共に向かおう。
風呂場のスペースはちょうどこの二人が入る程度のスペースと衣類置き場がある程度。
その先には簡易的な日本式の家庭風呂が石造りで作られている。
水は風呂にためられており、魔法によって清潔な水で常に満たされているようだ。
もっとも、温度は完全に気温の変化を受けて冷たくなったり温かくなったりするようだが。
「二人じゃ少し狭いけど、まぁ水浴びのほうが今は重要だからいいよね。
ほら、フーリちゃんも脱いじゃえ脱いじゃえ」
そう言いながら、彼女の黒づくめの服を脱ぐ手伝いをしつつ。
自分も脱ぎ始めて、アスリートのような健康的な体付きと、日によって少し焼けた肌を晒していく。
■フーリ > (後日継続となります)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」からフーリさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」からキュリアスさんが去りました。