2025/06/30 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にミランダさんが現れました。
■ミランダ > まれびと街道から離れた自然地帯。
陽がたっぷりと沈んだこの時間帯でも残る暑さの不快感から逃れるようにやってきたのは涼しい風が流れる川辺。
獣除けの焚火に、人が一人か二人が横になれる簡易的な三角テント。
林へと続く木々の合間に細い糸と鳴子を慣らした警戒線。
手馴れた野営の準備を終えた女は焚火の横に陣取り、本日の成果とばかりに薬草類を並べている。
「夜遅くにしか取れないっていうのが問題だけど――」
土と砂で汚さないように採取袋から取り出した薬草を布の上に並べていく。
成果は上々。
時折見せに訪れる冒険者に頼むのもいいが、自分で採取するのも時には気分転換になるものだ。
川のせせらぎと、夏の暑さをこの時は忘れさせてくれる涼しさ。
ローブの胸元に細い指をひっかけ、蒸れる胸元に涼しい風を送り込む。
一瞬、汗と色が混じった女の臭いがむわり、と漂うか――。
そんな無防備な様を晒す主を、足元に控える護衛の濃く犬が窘めるように小さく吠えた。
■ミランダ > 「ふふ、そんなに吠えなくても大丈夫よ。 ありがとうね」
護衛として、愛犬として、そばに控える黒犬の頭を優しく女の指がなでる。
視線は、冷たい風を運んでくれる川へ。
「気持ちよさそうだけど――」
大自然の中で、こんな時間にただ一人。
開放感と清涼感と――と、衣服を脱ぎ捨て自然を感じるのも乙な物だろうか。
口元に指を添えてしばしの思案――。
「……ん、折衷案としましょうか」
フィールドワーク用の動きやすい靴を脱ぎ、ローブをはしたなくまくってひざ下までを川に預ける。
「ん、んー……ぅ」
生き返るとばかりに心地よさげな声をあげ、首が上がり空を見上げた。
満天の星空を独り占め。
手慰みに愛犬を撫でながら――大自然の夜は静かにゆっくり、心地よく更けていくのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」からミランダさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」にフーリさんが現れました。
■フーリ > てって、てってと、小柄なだけに小さい歩幅で歩くチビ黒。
箒で飛ぶのもいいがここは妖精の泉。あまり騒がしくして妖精さまを驚かせるわけにはいかないのだ。
「おじゃましますーぅ。また、ちょっとだけお分けしてもらいますーぅ」
誰が聞いているわけでもない、はず。先にここで休憩している冒険者やら、同じような目的の魔法使いに類する人やらがいなければ。
ここの水は魔力を帯びて、夜はほんわか不思議な光を放つ。
持って帰ったらそうはならないから、少量では普通の水と変わらない。
でも調薬とかの触媒にすると明らかに効果が増したり、そもそもの結果が変わったり。
妖精の泉とはよく言ったものだ。たしかに妖精さまの気まぐれが、そのまま水に溶けているようなものなのだから。
「もらいまーす……」
ぽしょ、と、誰かが居ても聞こえなさそうな小さな声で呟いては、ひゅっ、と、空間に穴をあける。
中空に、魔女特製の不可思議物入れ空間をつくる。そこから小瓶をよっこいしょ。丁寧に、妖精さまをおどろかせないよう汲んで、蓋をして物入れ空間に戻し、次の瓶。
ちょっと、というには少々多いのでは? という量をせっせせっせと、採取しはじめる。
一見、隙だらけ。いちおう、気配察知の魔法は常用するくらいの危機感はあるが、このシングルタスク思考では、どこまで有用なものか怪しい。