2026/01/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」夕刻頃」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  ――わたしは、良く走っている。
 例えば約束の時間に遅刻しそうになった時、ゴロツキに付きまとわれている時、モンスターの群れを引き付けている時。
 そして中でもとりわけ死に物狂いなのが―――

「い゛や゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!! イ゛ヌ゛う゛ぅ゛ぅ゛う゛ぅ゛!!」

 野犬に追われている今!

 このヒーラー、モンスターならオークだろうが、タイマン張ろうっていう特攻根性を持っている癖に犬は大層苦手。子犬やらぬいぐるみのような小型犬やら獣人やらは除外だが、こういうガチでワイルドな野犬などは本能的に無理。モンスターの方が余程危険、とかそういう理屈ではない。とにかく嫌いなものは嫌い。

 だから、夕刻頃の行き交う人も馬車も大分絶えている街道を飢えて出て来た3頭の犬に追われて半泣きで猛ダッシュ中。

「ぎぃやぁぁぁぁあぁぁぁぁ!! やだぁぁぁああ!!! 
 誰かーッ!! 助けてぇぇええ!!」

 悲鳴を上げ、髪を乱して顔をくしゃくしゃにしてぼっろぼろになって、涙目で駆け抜ける姿はなかなか悲惨だったし相当無様だ。

ティアフェル > 「やだぁぁぁ!! やだー!! いあぁぁぁ!! イヌー! やめてー! 帰ってえぇぇえ!」

 断末魔かというような悲鳴を引き連れて、後ろに吠えたてながら迫って来る野犬に向かってかなり無駄な懇願を喚く。
 無我夢中の全速力で逃げ惑うが、野生動物と脚力、持久力の勝負をするには分が悪い。
 どんどん距離が詰まってきて、もう駄目か――と絶望的な気持ちに塗り込められた矢先。

「う、ゎ、わわっ、きゃ……!」

 ずっさあ!

 お約束なことに路傍の石に蹴躓いて思い切り前のめりに転倒した。
 膝や鼻の頭を擦り剝く軽症だが心はすでに重症。
 転がる獲物に向かって一気に肉薄し、激しく吠えたてながら襲い来る三頭の野犬。
 
「きゃああぁあぁぁ!!!」

 完全に断末魔が血のように赤い夕陽に染め上げられた街道に遠くまで響き渡った。

ティアフェル >  冒険者が街道で野犬に襲われて死にかける。
 そんな不名誉な話を知る者は、いない。
 普段の生活で忙しい人々には、不利益かつしょうもない話題に耳を傾けている暇など、そりゃあ、ないのだから。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」夕刻頃」からティアフェルさんが去りました。