2025/08/27 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にポリアンさんが現れました。
ポリアン > 王都への帰路。 ――依頼からの帰り道、残念ながら日が暮れて仕舞った。
夜の馬車移動は、此方が眠れないと言うのも有るし、盗賊への遭遇率が跳ね上がる
急ぎの理由が無いのなら、素直に近くの宿へ泊るのが賢いのだ。

扉を開き、ギルドの職員へと片掌を掲げて挨拶を向ければ
宿泊の都度を伝えて、部屋を借りるついで、折角だからと、エールを一杯だけ注文
御飯を食べる、と言う程ではないから、軽く酒精を入れるだけ
カウンターに凭れて、今日の出入りは如何かと、簡単な雑談を交わしながら
少しばかり待つのだ。

「―――――あー、あの賞金首捕まったんだ…。
へぇ、良く対処出来たね、誰か手練れでも居合わせたの?」

ふと、賞金首の一覧が張られて居る掲示板から
暫くの間、ずっと掲示され続けて居た悪名ある賞金首が一人、居なくなって居る事に気付いた
誰かが追い詰めたのだろうか、と、世間話的に問いかけてみたが
まぁ、ギルド職員としては、守秘義務が在るから余りお喋りは出来ないのだろう

凄いねぇ、と、のんびり呟きながら、暫くして到着したエールを持ち上げ
かぷりと少しずつ煽った。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」に枢樹雨さんが現れました。
枢樹雨 > 出張所の扉を開く音。そして小股で小走りな足音と、すぐさま扉を閉める音。
ほんの数秒の合間に、出張所内に響いた物音。
それは特別大きなものではなく、人の気配が多い出張所内であれば気に留める者も僅かか。
気に留めた者が音の出所を見遣れば、其処に居るのは異国の衣装に身を包む女。
後ろ手に扉を閉め、長い前髪の隙間からきょろきょろと室内に視線を巡らせている。

そして見つけたのは、貴方。
カウンターに凭れ掛かる様を見つめ、"あ"の形に薄い唇を開く。
そうして小さく息を吸い、そっと吐き出す。まるで乱れた呼吸整えるように。
出張所の扉開いた忙しなさは成りを顰め、着物特有の短な歩幅で貴方の傍へと。

「ポリアン。久しぶりだね。」

以前顔を合わせたのは暑さ厳しくなり始めた頃だったか。
変わらず淡々と抑揚のない声音で、妖怪は貴方の名を呼ぶ。
そしてその手にあるエールを見遣り、再び貴方の碧眼見つめ。

「お仕事、終わったところ?」

ポリアン > 扉の音に、少しだけ視線を向けた。
こんな場所だ、冒険者の出入りなんかは多いし、夜道を避けた商人なんかも居る
けれど、其の視界に映ったのは、見覚えの在る異装の女
おや、と瞳を瞬かせ、エール片手に其方へと振り返れば
笑みと共に、ひらひらともう片方の掌を振って見せるだろう

――同じパーティメンバー、と言えど、基本的に活動は自由
常に日頃から一緒、と言う訳では無いけれども。 ――自分が、自ら誘った相手を忘れる筈も無い。

「や、久しぶり。 元気そうだね、活動は順調?」

――危険と隣り合わせの職業だ。 暫く逢わない内に、土の下に埋まって居る事も無くはない。
こうして無事に出会える事は、何よりの安心と言える。
こくり、仕事かと言う問いには、頷いて見せて、天井を指し示す。

「王都に帰る途中でね? 日が暮れちゃったから、今日は此処で泊まる予定。
君も、何処かに向かう途中? 其れとも、帰り道?」

枢樹雨 > 己を見つけて左右に揺れる掌。
見つけた相手が己にとっての"リーダー"という存在であること、間違っていないと判れば近づくのに躊躇いはない。
久方ぶりとは言っても数ヶ月のこと。
当然見目に変化はなく、己とは対照的な白の髪を見上げ。

「まぁ、そうだね。ルーナジェーナの名のおかげで、私のような者でも仕事を任せてもらえる。
 深く考えず名を連ねたけれど、思った以上に有難い縁だったと思っているよ。」

請け負う仕事は小物の運搬に限るけれど、多くのゴルドを必要としない妖怪にとっては月に1つ2つの依頼をこなすだけでも順調と言える。
ただ、得体の知れない小娘を訝しむギルド職員も多く、そんな時に所属パーティーの名を出せばそれによって足された信用が職員の背を押してくれる。
そんな状況を掻い摘んで伝え、今更の感謝を貴方へと伝えれば、次いで紡がれる己の問いへの返答に、貴方の指が示す天井を見上げ。

「……帰り道、といえば、帰り道かな。」

天井見上げるまま、貴方に返すのはなんとも曖昧な回答。
……と、不意に出張所の外から、騒々しい足音や話し声が届く。
それと同時に窓の方を見遣る妖怪。そして貴方との距離を更に縮めたかと思えば、扉側から身を隠すよう、貴方の脚元にしゃがみ込み。

『―――おい、此処に魔族の女が来なかったか』

それは勢い良く扉を開いた男の声。
王国に雇われた警邏の者か。軽装備ではあるがアーマーを身に纏う数名が、扉の前で室内を見渡している。
妖怪は明らかにその数名から身を潜めていて。

ポリアン > 「肩書が役に立って居るなら、僕もパーティを組んだ甲斐があるって物だね。
ま、君…、……枢の場合、能力には申し分も無いだろうし。」

もしもこれが、本当の意味で実力も未熟な駆け出しが相手だったら
依頼を受ける際、迂闊にパーティの名前を使わない様に忠告はするだろう
身の丈に合わない依頼を受ければ、痛い目を見るのは自分達
のみならず、複数人での依頼で在れば、仲間をも危険に晒しかねないのだから

その点、彼女であれば、さほど心配はしていない。
冒険者としては、まだまだ新人の立ち位置だろうが
実際の能力は、恐らく、其処に留まらないのだから。

「順調なら良いんだ、でも、もし何か困って居たら、気軽に相談―――」

リーダーとして、メンバーの抱える問題は把握しておくのが役目だから
――と、以前も伝えた様な言葉を、途中まで言いかけてから。
ふと、何やら騒がしい気配に気付いて、視線を向けた。
己が足元に隠れた女の姿に、一瞬疑問符を頭上へ浮かべる物の

続いて、姿を見せた連中の、開幕の物言いに。
―――成程、と、なんと無しを察した。

「―――――――…………さぁ、こっちには来てないね。」

肩をすくめて、エールを煽る。
同時に、屈んだ女の頭を、安心させる様に指先で撫ぜた。
事情は知らないが、逃げて居るのだと言う事だけは判るし
多分、面倒な手合いなのだろうと言う事も、何となく、あの態度から感じ取れたから。

「―――――……まさか、こんな人気の多い所には来ないでしょ?」

にこり、何時もの微笑を連中へと向け乍ら、やり過ごそうと図るのだ
――ひとつのパーティを率いる己が、そう発言した意味を
ギルドの中にいる冒険者連中は、きっと察する筈だ。
……王国に雇われて居る連中が、中に混ざって居なければ、だが。

枢樹雨 > 受ける依頼を己の出来る範囲に絞っていることもあってか、幸い貴方の作ったパーティの名を汚すには至っていない。
霊体となっての運搬は馬車や船よりも早く、あまりに早いと怪しまれた経験もあってか程よく運搬先で時間を潰すという知恵もついた。
ただ、直近で受けた依頼で思わぬ面倒事が発生した。
それはギルドを経由せず、ひょんなことから妖怪の下に舞い込んだ依頼。
困っているならと軽い気持ちで引き受けた結果が、今この現状で。

「っ―――」

魔族の女。違うけれど、違うとも言い切れない。
男の声にどうしようと眉根寄せれば、同じ男であっても耳馴染みのある貴方の声が頭上から降ってくる。
そして、頭に何かが触れる感触。
白絹越しのそれが貴方の指と判れば、少し視線を持ち上げて。

『……そうか。…その女は違法物を運んだ罪人だ。見つけたら南の警邏班に報告するように。』

貴方の言葉以上に、警邏の男達へ返る言葉はない。
訝しむように顔を歪めるも、ギルド内を操作する権限がないことは男もわかっているのだろう。
警邏の男達は声ばかりを張ってそれだけを言い残し、出張所を後にする。
これ見よがしに勢いよく、乱暴に扉が閉まれば、妖怪は小さく肩を跳ねさせて。

「………ポリアン、」

遠ざかるいくつかの足音。
出張所内に戻ってくる冒険者たちの話し声。
妖怪はしゃがみ込むままに貴方を見上げ、前髪に隠れた眉を困った様子でハの字に。

ポリアン > ――――――成程、そう言う事か。
男達の言葉で、事情は理解した。 女が何に巻き込まれたのか、も。
だが、其れでも先刻の言葉を撤回したりはしない
一方の言葉を鵜呑みにして、もう一方からの事情を聴かぬのは不公平だろう
特にそれが、仲間、であったのならば、だ。

「……はいはい、見掛けたらね。」

言葉は少なく、されど笑顔は崩す事無く
ひらひらと片掌で、ばいばい、と男達の行方を見送っては
――勢い良く閉ざされる扉の音に、小さく口笛を吹いて、茶化すのだ
短気だねぇ、と。

「――――――……さて、一旦大丈夫だと思うけれど…。
……、……あの感じじゃ、暫くうろうろしてるかな…。」

――ああいう手合いは、其れなりにしつこいのが御決まりと言う奴だ
出ておいで、と、影に隠れた女の肩を、ぽむりと叩いて遣れば。
少しばかり考えた後、すぐ後ろにいた職員へと耳打ちをして。

「――――枢、取り敢えず一旦、僕の部屋に来るかい?
僕の名前で取った部屋だから、君の名前が記帳されるより良い筈だ。
此処だと、流石に落ち着いて居られないだろうしね。」

また、いつ戻って来るか判らないし、場合によっては、正式な書面をもって確認しに来るかも知れない
流石に客室全部を改めたりなんかはしないだろうが、記録は残さない方が良いだろう
――其の上で。 既に確保してある己が宿部屋なら、隠れるには良い筈だ。

「……事情、話してくれても良いし、無理に話さなくても良いけど。
ま、対策は考えよう。」

枢樹雨 > 「そう、か…」

妖怪は、己が罪人とされる理由を正確には把握していない。
しかし貴方がそう言うのであれば、これで片付いたというわけではないと認識する。
負担は真っ直ぐに伸びた背中。しゃがみ込むままそれを僅かに丸めれば、優しく肩叩いた声に応え立ち上がり。

「……ん、行く。話、聞いて。」

しばしの逡巡の後、貴方名義の一室に身を移すと頷きを。
霊体となって王都までさっさと戻ってしまうことも考えるが、しつこく追われるならそれは面倒でしかない。
そしてその面倒は、貴方にも降りかかりかねないと、そう思えば、貴方の服の裾を軽く引き。

「悪い事、していたら、…ちゃんと謝るから、」

己の行いが悪い事であったのか、それも含めて判断をしてほしい。
言外にそう込めて続ければ、先ほど貴方が示した天井を見遣る。
其処に部屋があるのだろうかと、間違っていないなら上階に移動する素振りを見せ。