2025/07/26 のログ
エーディト > 腹が減ったら喰う。喰わねば死ぬ。ただ、それが並みならない。
安い仕事をやった場合、その殆どが食費に消えてしまう場合も少なくない。なんともまた因果である。
この場所で質の良い食事、なんてそもそも期待していない。期待しようもない。
なんにしても量。量である。大振りのジョッキに並々盛られたエール、硬く乾いたパン、塩漬けキャベツに焼いた腸詰多め。
他の生鮮食品の類は、どうやら翌朝に来る隊商を待たなければ現状品切れであるらしい。
金額相応のボリュームの品々を、片っ端から運び込んでくるウェイトレスの言葉に成る程、と頷いて。

「此れだけ残っていただけ、僥倖と思うほかあるまい、か。……うむ、それでは……」

取り敢えず一杯。まずは一杯。これはまだ在庫があるエールを喉に流し込み。
くー、と快さそうに声を零した処でパンにむしゃぶりつき、キャベツと腸詰をがっがっがっ、と言わんばかりの勢いで食う。兎に角喰う。
巨体に違わない食べっぷりは、巨獣が餌を貪る様にもよくよく似ているかもしれない。
腹が減った時の勢いは、存外男女の区別もないかもしれない。
おかわり!と空になったジョッキを掲げ、追加のエールを貰ってはさらに喰う。

討伐を主にこなす冒険者はよく喰う類とされがちだが、この女もまたその例に漏れない。
魔物狩りも得意とする上に、“体質”的にも十分なエネルギーの補充が無ければ動けない。走り回れない。

エーディト > 数度のおかわりを経て喰い終えれば、満足満足とばかりに、ぽむぽむと腹を叩く。
飢えが満たされれば眠気も催すが、この辺りの宿が不安である。
この時間だと既に満杯になっているかもしれない。満杯であったら、次の宿場町でも目指して進むしかない。

「……仕方がない。少し見回ってみるか。
 馳走であった!また世話になるかもしれぬが、その時はまたよろしく頼む!」

欲を言えば、血にまみれた得物を洗える場所も欲しいが是非も無い。
先ずはグダグダ思う前に、見て回るほかない。
そう思いつつ立ち上がり、素直に礼の声を投げ遣る。勘弁してくれ、と言わんばかりの視線やら反応やらがないわけではない。
奇異含む他の視線を受け流しつつ、颯爽と荷物を取り上げて出張所をあとにする。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からエーディトさんが去りました。