2025/07/20 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にリンランさんが現れました。
■リンラン > 街道沿い――ギルド出張所。旅人達に一時の宿も提供するその施設の、
宿泊受付にて。1匹のちんまいパンダが愕然としていた。
「なにゆえ…………」
経緯は単純だ。街道を往く途中、一晩を過ごそうと立ち寄ったはいいものの。
『いや… 君みたいな小さい動物に一部屋貸すのも…』と断られたのだ。
確かに小さい。縫いぐるみといっても差し支え無い仔パンダっぷりであるし。
どう見てもころころまるまるした生き物である。
だけれども、熊猫族的には立派なレディであるわけで、何なら宿屋の親爺より長生きである。
「琳嵐、立派なおとなであるゆえ、路銀だって持ってるネ!」
『いや~でも…ねぇ。ほら、小さいし雑魚寝の大部屋とか…』
確かに丸まったら何処でも寝れるけども。そういうことじゃあないのだ。
うっかり憤慨――してはいけない。クールダウンクールダウン。
「だいたい、動物呼ばわりは失礼ある!琳嵐は由緒正しき熊猫の――…」
『はいはい!早く決めないと大部屋も埋まっちゃうよ』
「うぐ………!」
どうやらこの相手にはアイドル的可愛さも通じないらしい。
なんなら人語を解すフレンドリーモンスターくらいに思われてそうな。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にクロスさんが現れました。
■クロス > (ギルドの出張所、その近くを歩く甲冑姿の黒い狼のミレーが寄ろうと歩んでいた。
周りは彼を見ればヒソヒソと小声で噂をし、ジロジロと見てくる。
堂々と露わにしている頭から伸びた犬耳と太く大きな尻尾、ミレーである証拠を大胆にも露わにしながら歩いているからだ。
そして、もう一つはその装備。
着こんでいる甲冑は市民が護衛用に使っている謂わば護身用の甲冑だ。
そんな装備でギルドに訪れるとなれば死にに行くものか冷やかしだと思われること間違いなしであるが、男はそんなことを気にする様子もなかった。)
「さて、と…さっさと報告して俺も休むか…
ん…?」
(丁度ギルドの依頼を終えて夜も更けっては宿を借りようと思ってここにやってきたのだった。
カチャカチャと甲冑を鳴らしながら入室し伸びをしながら報告をしようとした矢先に騒がしい光景を見る。
受付の男と揉め合っている様子の一匹の…熊?
あまり見たことのない小動物が居るのを見かけたのだ。)
「…どうした?一体何の騒ぎだ?」
(順番待ちや見学をしている様な他の冒険者の間を抜けて先頭へ、ズイッっとその身を寄せれば二人、もしくは一人と一匹の間に立ち仲裁をするように声をかける。
この様子を見ては放っておくのは少々後味が悪いし、面倒だと思ったからこそ自分から声をかけたのだった。)
■リンラン > ギルド員とにらみ合う――といっても、つぶらなお目々の表情筋も少ない仔パンダなので
胸キュンな破壊力こそあれ覇気はほぼほぼ無いに等しいのだが、兎も角。
ギルド員と拮抗すること暫し、何やら場に割り込んでくる男がいた。
男の目に映るのは中年のギルド員と、
彼の3分1の背丈にも満たないコロコロとした獣人らしき生き物であり。
『いや、この小さいのがなァ……』
「ちいさくないネ!だいたいさっきから失礼ある!」
大きな籠を背負った小さな熊との諍いのようだった。
周囲には受付を待つ者や野次馬、パンダを愛でる者まで様々で。
ギルド員が口を開く前に、パンダが高い声で男へ訴えた。
「琳嵐には部屋を貸せない言うネ。子供扱いなんて心外ある。」
■クロス > 「・・・。」
(詳しい話は話されていないが事情は何となく把握した。
どうやら、今客としてきているこの「リンラン」と名乗る小動物に部屋を貸すことが出来ないらしく、そのせいでこうやって騒ぎになっているようだ。
確かに、パッと見の外見では愛らしく思えるような姿のせいで通常の部屋を貸すのは難しいと判断されてしまっているのだろう。
だが、このままにしてはいつまでも受け付けは終わらない上に、部屋が取れなかったようの為の大部屋も埋まってしまう。)
「…だったよ、こいつと俺、二人で相部屋するってなら構わねぇだろ?
こいつ一人の為に部屋を貸すのは渋るかもしれないが…こいつも同意の上だったら俺の部屋に連れて泊ったとしても別に構わないんじゃねぇか?
まぁ、その分払えって言うなら払うがな…?」
(受付で騒ぐ小さな動物の子を指さしながら相部屋をすることを提案した。
背格好や動物だからと言う理由で部屋を貸せないと言うならば一人同室者が居れば借りれるだろうと思ったのだ。
無論、それは同意の上での話だ。
嫌だと断ればそれまで、それでも良いと言えば一晩見知らぬミレーと同室、二人分払えと言われればそのぐらいは負担する。
どちらにせよ、問題解決には近づけれるだろうと男の中ではそう考えていたのだ。)
■リンラン > お喋りなパンダがごねているせいで、受付は確かに停滞していた。
もう一人、別のギルド員が代わりに利用者を承っているが、
受付がひとつ滞っているのじゃあ進行も随分違うだろう。
勿論パンダとて、皆の迷惑になるのは避けたいところではあるのだが。
それでも譲れない一線はあるわけで――。
そんなこんなしていたら、現れた男の思わぬ申し出に、パンダが小粒な瞳をしばたかせた。
「構うにきまってるある!なにゆえお兄サンと相部屋あるか?
琳嵐はひとりで部屋を使いたいってさっきから――…っ」
『おお、そりゃあいい!こんな小さい熊っ子だ。
たいした場所も取らないだろうしそこらへんに転がしときゃ…』
「熊じゃないある!熊猫族ある!!」
いちいち突っかかって喧しい。ふんす、と鼻息荒くして。
■クロス > 「と言った物の、じゃあどうやって部屋を借りるって言うんだ?」
(こちらが提案をした内容に不満を持ってるように食いついていく小動物。
どうやらお気に召さない様子の様であり目的はあくまで『一人だけで部屋を借りたい』と言うことである。
当然と言えば当然であった。
そして、その提案を飲み込もうとする受付人の言葉に再度噛みつく熊猫族と言う小動物。
収めるはずが一向に収まらず、それどころか火に油状態となった様子になってしまったようだ。)
「あーもう、めんどくせぇ…
だったら、こういうのでどうだ?
俺が部屋を借りる、そしてその権限を熊猫族の嬢ちゃんにやる、俺は大部屋で寝る…それで良いだろ?
それで、部屋がどっか割れてたり汚れたりした時の迷惑料も俺が払う、それで良いだろ?」
(皺が寄った自身の眉間に親指を当て、グリグリと回しながら擦りつけてはため息交じりに次の案を出す。
部屋をこの男名義で借りるがその部屋に泊るのはこの熊猫族の子に。
自分は大部屋で一夜を過ごす、その上部屋の迷惑料は男が払うと言うのであった。
何とも勝手な内容ではあるが相部屋を断る上に収集がつかない上にこれ以上面倒ごとになったら尚更身を引くのを躊躇ってしまう。
少々強引でごり押しかもしれないが解決策としてはありだろう。
そう信じたいと思った。)
■リンラン > ふんすふんすと小さな黒い鼻先を鳴らしていたところ、
そこでまさかの提案である。熊猫フェイスがはっとして男を見る。
今、男が、娘にとって最の高の申し出をした気がした。
「……………お兄サン、ひょっとしてめちゃくちゃイイヒトあるな???」
吃驚である。通りすがりの耳と尻尾の生えた人が、
娘が一部屋を借りるのを助けてくれるというのだから渡りに船というヤツで。
一瞬面食らったギルド員も、
これ以上事が長引くよりはミレーの申し出を受けるが吉と踏んだのだろう。
『いや、まぁ。そう言うなら別に構わねえけどよ…』――と、そんな言葉である。
ぽてぽてと小動物が男の前に歩み寄る。小柄が男を仰ぎ。
「お兄サン、ホントに大部屋でよろしいある?
お兄サンの部屋、琳嵐使ってよろしいカ??」
恩人である。熊猫の目がきらきらと輝いている。
■クロス > 「あ?まぁ、そうでもしないとお前さん、納得できないだろ?」
(”イイヒト”そう言われると片眉を上げて聞き返す。
男の性格上、面倒事が目の前で起こると放っておくことが出来ずに損得関係なしに首を突っ込んでしまう。
後になって思い返して、そのうえで更に面倒だと思ってしまうのを嫌うために今もこうして首を突っ込んだのだ。)
「…あー、とりあえず、後が詰まっているだろうし…一旦外れるか。
部屋、適当に良さげな所で頼むぞ。」
(面食らうギルド員の気配を察しては周りを見て片方の口角を舌に下げる。
苦虫を嚙み潰したよう顔をしては長い髪を掻いて歩み寄る熊猫族の子を拾い上げようとした。
受付に最後に言い残してはそそくさとその場を後に適当にある程度の高さの上に熊猫族の子を置いて開放しようとする。)
「フゥ…やっとこさ解決か…。
あぁ、別に構わねぇし、大部屋もギチギチなら適当に晩酌してそこら辺で寝泊まりするさ。
部屋は好きに使え、帰るまでの面倒は見といてやるからよ」
(目をキラキラと光らせて確認する相手に対して構わないと返す男。
かなりの長身があるために雑魚寝が最悪できなくなるかもしれないがそれはその時、酒が入ってもなんとでもなるため近くの街に歩を進めて、また抵当に宿でも取ろうと考えた。
無論、迷惑料分の金銭も渡しておいてだが。)
「…お前さん、『リンラン』って言うのか?
なら、俺も名乗っておくぜ…『クロス』だ、ギルドでの賞金稼ぎ兼貧民地区の何でも屋だ…」
(自分のことを名前で呼ぶ相手に対してこちらも名前を出す。
握手は流石にできないために軽く手を振って挨拶代わりをする。)
■リンラン > 「そりゃそうネ。こんな美少女に雑魚寝を命じるとは、イイ度胸ある」
イイヒト。その響きに違和感がありそうな顔だが、
今此の場に於いて娘にとっては紛うこと無きイイヒトだ。
だって雑魚寝の大部屋を免れたのだから。
雑魚寝するくらいならまだ、野宿の方が広々開放的でマシというものだ。
とはいえ、突然パンダをを拾い上げ――もとい抱え上げるのもどうかと思うのだが。
恩義があるのでそこには文句を言わないでおこう。
「お兄サン、謝謝よ。とてもとても助かったネ。
お礼は――… 桃持ってくよろし。美味しい仙桃よ。
イイヒトのお兄サンには特別サービスで3つあげちゃうネ。
お兄サンお酒飲むカ? ならちょうど熟れて酒桃になったのがあるネ。」
問答無用でパンダは籠から桃を取り出し押しつけた。
いらないと言っても押しつける所存。もふもふのパンダハンズで、ずずいっと。
ひとつだけ柔く熟れた桃からは酒精が香る。
熟れ過ぎると媚薬効能すら現れる凶悪な――…もとい霊験あらたかな桃だが、
これくらいの熟度なら酒の代わりになるだろう。
「お兄サンの名前はクロス、ね。いつかお礼にお仕事お願いしにいくヨ。」
パンダがふっくりと笑う。挨拶に黒い肉球ぷにぷにとした手を挙げて。
■クロス > 「美少女、ねぇ…確かに、お前さんに雑魚寝をさせるのは罪かもしれないな?」
(自ら美少女と名乗る相手の様子を見る。
小さいが故に特に目を動かさずにその全貌を見ることが出来た。
結果的には可愛らしいと思える姿、人間体での美しかわからない男にとっては判断基準が見当たらなかったがその外見ならそういう言い方も適切なのだろう。
受付に言われた事を不満がる相手の言葉を聞けばニヤっと笑って災難だったなと共感するように答える。
笑った口の中からは鋭い牙が見えるだろう。)
「ん?あぁ…謝謝、か…別に礼なんざいらねぇよ。」
(あまり聞きなれない言葉を聞いて一瞬ピクリと眉を上げたがすぐに思い出す。
この国とは違う、確かシャンヤン方面の言語でだと気付いたのだった。
その後も突如として出された桃を受け取ることに、貰えるなら貰っておこうとすんなりとその大きな手で受け取る。
ひとつ香りの強い物があり、スンスンと鼻を動かして嗅いだ。
かなり強い香り、あまり酔うことが無いはずだがその匂いだけでフラッと心地よくなりそうな気分になってしまった。
晩酌の共に食べることにしよう。)
「ん、できれば面倒じゃない物で頼むぜ?
…そういや、嬢ちゃん…シャンヤン出身か?
その恰好にさっきの言葉、それに…「熊猫」だったか、あまり聞きなれない言葉や雰囲気だな…。」
(仕事を頼みに来ると言う熊猫、少々冗談交じりに苦笑をしながらもそう返事をした。
その後に相手のことについて質問したのだ。
知り合いに同じような人間が居たためそれと似ている雰囲気故に相手も同じなのかと気になり、思ったことを口に出したのだ。)