2025/08/03 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にミランダさんが現れました。
ミランダ > 陽も落ちてくる時間帯。
子供を連れたいくつもの家族連れが笑いながら手をつなぎ「今日楽しかった」なんていう感想とともに入場ゲーから帰路へと向かっていく。

ここからの時間は大人の時間。
目をぎらつかせた若い男や、女が期待と打算と性欲をにじませながら入場ゲートからそれぞれの目的地へと向かっていくだろう。

そんな中、ひときわ目立つ魔女帽子の女は――いくつかかけられた声を手で遮りながら――メインの流れから離れての寄り道を。
いかにもスタッフがいます。という建物へと向けられて。

『とまれ』
建物の前、職務に忠実な大男が一声かけると同時に、女は豊満な胸の間に挟んでいたやたらと質のいい紙を取り出し手渡す。

『……む』

ひらひら、と魔女は何も言わずに紙を揺らして大男へと手渡した。
紙の内容と女を交互に二度、三度。
男は小さく頷くと、持ち物を確認するぞと一声かけてから肉付きの良い女の身体にごつい手を伸ばすだろう。

どうぞ?とばかりに小さく首を傾げた魔女は両腕を横に開いて受け入れる、が――。
随分と紳士的なボディチェックで、触られるのは必要最低限。

「もっと触っていいのよ?」
小さく頬を緩めながらの挑発的な言葉。
それを相手にしない大男は事務的に言葉をつづけるだろう。

『水着はこのロッカーだ。 相手の希望は?』

差し出されたロッカーキー、水着の用意までしてくれるとは至れり尽くせりだろう。
受け取りながら魔女が返す。

「てきとーに見つけるわ……お仕事終わったら、中で会えたり?」

魔女の細い手首に巻かれるのはピンクのバンド。
フリー、特に希望なしの合図である。

『……家で妻が待ってるんでな」

いけ、とばかりに守られていた入り口が開かれて、薄暗い中、地下への会談へと向かうように促される。

「……振られちゃった。」
残念。とばかりに手を振りながら促されるまま、地下へ。
手渡されたロッカーキーで用意された水着――随分と肌の露出面積が大きい。
に着替えれば、入り口からすでに男と女の絡み合う音と淫靡で品のない空間に足を踏み入れることだろうか。

ミランダ > 招待状を持つものしか入れない水遊場の地下。
中央のプールの水音だけでなく、肌が重なり交わる水音に、隠しようのない色の声。
先日参加した――させられた王城での催しと同じような乱れた宴である。

魔女の左手首に巻かれたピンクのバンド。
それを目ざとく見つけた男がさっそく声をかけるが、もうちょっと落ち着いてから。
と返事をすればあっさりと身を引かれる。
態度も余裕がありがっつきすぎていない――すぐにまた次の相手へと声をかけに向かっていった。

「少しは落ち着けそうね」

いいながら、プールサイドに設けられたカウンター。
大人しかいないのだから、当然置いてあるお酒類。
口当たりの良い、飲みやすいアルコールを注文しつつ、頬杖をついて周りの状況を眺めることとするだろうか。

ミランダ > 用意されたカクテルを口にし、舌を滑る甘さが回る。
地下室のあちこちで繰り広げられる乱痴気騒ぎは人を変え場所を変えて止まることはない。

「……乗り遅れちゃったわね」
ごちそうさま、と空いたグラスを返し、重い腰を上げようか。

日の出まではまだたっぷりと。
深まる夜の乱れた宴に、魔女の声も混じて溶けていく……。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からミランダさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にイザベルさんが現れました。
イザベル > 取引客より豪儀にも乗組員へと配られた水遊場の入場券。普段海水、揺れの上で過ごす男たちにとってはまたとない機会。
喜び勇んで散っていく乗組員を見送って、女は別の階層へと上がっていった。
誘われた商会の男と中層のバーに腰を下ろしていたけれど、相手はどうやら口説く目算だったらしい。

「アンタ、商売相手に女を見たら、痛い思いするよ。 それに若いんだ、こんな阿婆擦れでなく生娘でも探しな。」

そんな言葉と共に、バーテンダーや給仕の目も気にせず、男の唇を思いきり吸い上げてやった。舌先も絡め丹念に味わった後席を立つ。
ぼぅと呆けた男を他所に、折角もらったトロピカルなカクテルを手にして向かう水辺。
ちゃぷ、と水の音を立てると水面に置かれたウッドチェアに腰を掛けてサイドテーブルにグラスを置く。

「ま、若い顧客の未来を滅茶苦茶にする趣味は無いってね……。」

取引先の女に溺れた組織の末路なんて言わずもがな。それは自分にとってもメリットが無い。
チェアの傾きに身体を任せて寝そべりながら、心地いい気温と波の音。そして喉を通るカクテルの熱さに満足げな笑みが浮かぶ。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」にシアンさんが現れました。
シアン > 茹だるような暑さにたまらず涼を求める人たちで、水遊場の人気も加熱しきり。
芋洗い、程でないにしても水場がちょいと温くなってしまいそうな人集りを避けて中層へと上って一休み。
天面を覆った硝子から日差しは注ぐがいかなる細工か直射よりは随分柔らかい日差しの下、
人工的に作られた波間に撫でられながら寛げる寝そべり椅子にごろんと寝っ転がって。

「ふぁ~……。ぅん?」

心地良いぐらいの塩梅になった日光と波で作られる涼しい風に波の肌触りにうとうと。
大口開けて大欠伸しつつの偶にサイドテーブルに置いた酒に手を伸ばしてリラックスしていた折。

「おんや。サンチェスの。こんなとこで会うたぁ奇遇だなぁ」

近くでぽつりと独り言が聞こえてきたが内容そのものより何だか聞き覚えのある声に首だけ巡らせば、
幾度か外征で利用させてもらった海運会社の若き女社長の姿が目についたものだから声に出た。
よう、と、ちゃぷ、と、水面からのんびりと手を上げるとゆらりゆらり緩々と手を振る。
一顧客の姿なんかあっちは覚えているかは解らないが……
サンチェスの、というからには客だった奴ぐらいは知れようか。

イザベル > 細かく砕かれた氷は容易に溶けてゆく。飲み干したグラスにまた水が溜まりはじめる頃、不意に欠けられた声。

「──悪いねぇ、イイ男ってのは大概忘れないモンなんだけど。」

一度に百何十と乗り降りする船であり、荷物の搬入などに関わる人員を含めればもっと。
直接自らサービスする事が殆ど無い身であれば顧客との接点が薄く一方的に知られているのは良くあること。
それが水の中から、顔だけ覗かせたのではさもありなん。

チェアから足を下ろし踝が浸かる程度の深さのそこから、足を進めれば一気に深くなるその彼が揺蕩う場所まで辿り着けば水面をパレオが撫でて遊び。

「挨拶返して欲しかったらしっかり顔も身体も見せなってんだ。」

胸の下で腕を組み、じとっと見下ろす視線は冷たい。とはいえ、上客である可能性も否定は出来なかったので無下にするわけにもいかず。

シアン >  
「ふははは。まあそりゃあ覚えてねーわな」

イイ男だとは思うんだけどな、なんて厳つい顔に手振りと同じぐらい緩うい笑みを浮かべながら頬を撫でる。
彼女の会社や船舶を利用したとき彼女とは挨拶やちょっとした世間話程度の付き合いでしかない。
人、物、何十何百と遣り取りする仕事でちょっと顔に自信があるぐらいじゃあそりゃあ覚えてない。
そう頷きながら目線を戻しかけた、が、わざわざ足を濡らしてやってきてくれたので、

「ああ、それもそうだ、悪かった。ついでに自己紹介もさせて貰おうか。シアンだ、シアン・デイエン。
 ……【フルムーン】っつったっけかあの船? ありゃあ良い船だな、次も利用させて貰おうと思ってるよ」

よっこいしょ、なんて掛け声一つ、ざぱりと水面から顔も身体も引き上げると軽く伸び。

首からしてもう太く肩は丸々として胸板ときたら彼女の胸囲にも勝るとも劣らぬ範囲の太い身体の、
至る所が搾り上げられて脂肪を削ぎ落とされた筋肉でみっちりと詰まって肌を盛り上げた筋肉質。
上背がもう少し足りなかったら、手足がもう少し短かったら、肥満とも取られかねないが……
骨格が随分と良いようで筋肉達磨のくせに一見スマートにさえ見えるようなバランスの身体付き。
シャツで隠れているところもシャツが水で濡れて張り付きその逞しさをよく物語っている。

じっとりとした冷たい視線に物言いに、たしかに寝っ転がったまんま挨拶は失礼だった、とばつが悪そうに笑いつつ手を胸の前に持っていって立てるのは異国式の謝罪の仕方。

イザベル > 「自分でイイ男と言ってりゃ世話ないねぇ。 ──ま、自信の無いモヤシよりはよっぽどマシってもんだが。」

勿論、イイ男なら忘れるはずがない。その条件が何よりも【金払い】優先なのは商売人と言った所。
勿論上客ともなれば接触する機会も格段に増える。会話も、肉体も。

水の中から身体を起し自己紹介と次回利用の意思を告げてくる彼へ、ふぅん、とその肉体をつま先から頭まで眺める。

「シアンね、イイ男かどうかは置いといて、乗船中に働くなら少しマケてやるよ。積み荷の上げ下ろし位朝飯前だろ?」

筋肉達磨、その表現は実にしっくりきた。これだけの肉体をただ載せているだけというのは機会損失も良いところ。
他の船員の負担を減らすためにも良い交渉材料にはなるだろうか。

「なぁに、本気で怒ってんなら目の前に来やしないサ。
それに、名前でなく社名で呼ぶあたりッ最低限のマナーを持ってるのもわかってたしな。」

軽薄で場を弁えない無礼者なら名を呼ばれた時点で踵を返していただろう。自分でなく船を褒めたのも気に入った要因なのかもしれない。
だから先ほどまでの視線とは打って変わって口角を吊り上げ目元を細めて満足そうにうなずく。
ぺちぺちと硬い筋肉を無遠慮に叩きながら。

「ウチの連中にもこんくらいのがありゃぁねぇ……。」

シアン >  
「だろ、このツラとガタイでよ、もじもじもじもじしてたら気色悪ぃだろ」

平素でもかなり癖があるが水に濡れると一層癖が強くなってもはやワカメみたいになっている黒髪を真後ろに撫で付ける。
その髪にしろ目元の赤い化粧にしろ体躯の良さにしろ値踏みする視線に。
ぐ、と握り拳を作ってから両腕を伸びから弛めてポージングしてみせた。

ふはははは! とそのあと直ぐ可笑しそうに笑いつつ、

「お~。そりゃ助かるな。移動費ケチる程懐は寂しかねぇがマカるに越した事ねーや、お任せあれ?」

下手な船に乗って、狭苦しい船室に押し込められて揺れに揺られて吐きそうな思いするよか、
彼女の船に乗って、見目より広い船室で舵手の腕まで良いのか小気味いい揺れを満喫したい。
それに惜しむ懐ではないが浮くのは助かるから二つ返事。
謝罪も受けいれてもらったし、表情も口調も先程よりずうっと柔らかくなったし、彼女の様相にほっと一息とばかり肩を竦めてから。

「いやぁ、おたくんとこの船員も粒揃いだよ、どいつもこいつも気は良いし身体もよく締まってる。
 俺ぁ冒険者で、且つ、秘伝の薬やら鍛錬法やらもあっから比べるところが違ぇのさ」

これは戦闘用の身体付き、おたくんとこの船員は船旅用の身体付き、と……
褒められるのに悪い気はしないので笑みはますます緩くなるし礼も告げるが、
それはそれこれはこれなんて言って。
ぺしぺしぺし、と叩かれると擽ったそうに笑い、彼女の手には、硬い肌と、硬そうに見えるが実は触ると思ったよりも弾力のある感触が返る。

イザベル > 「いきなりポーズ取り始めるのも十分気色悪いったらないよ。」

ため息交じりに紡ぐ言葉は、船員にも似たような事をする輩が一定数居るため。
筋肉が付き自信がついてくると誰しも通る道なのかと首をかしげたくもなった。

「じゃ、交渉成立だね。ウチの連中にはワカメ頭ってのと名前覚えさせとくから、声かけけな。」

つまり、乗船までの手続きすらスキップ出来るという特典もついた。
時期や海の様子次第では長い事並ぶ事も珍しくない乗船の手続き。
勿論その分使い倒す気ではいるのだろうが、彼であればそれも問題の無い範疇だろうと。

「成程ねぇ……、まぁ荷物相手と生き物相手じゃ、使う力がまるで違うか──。」

これに関しては船員への認識を改めねばならないと少し反省した様子。
手の指を広げて両手で包もうとしても余りある太い腕や、硬い胸筋、押して返す柔らかさはあるものの、当然自身の柔らかさとはベクトルが異なるわけで……。

「あ、一応とはいえ乗船中はウチの船員扱いになるんだから、客に対して軟派やらセクハラなんかしたらタダじゃぁおかないからね。あと尻も気を付けるこった。」

そう釘を刺した。船のブランドに傷がつく行為はNGだと。ただし、あくまで客に対してと紡いだのは、
船員同士が休憩中に何をしようが、客の目につかなければ勝手にしろ、の放任主義だからでもある。

シアン >  
「マッチョって生き物はガン見されるとポージングするもんなんだ、勉強になったな!」

ため息たっぷりの疑問に、ビッ! とムダにキレのいいサムズアップをしながら答える。
ぶはははは! とまた笑いがそれも一段階声量でかくなった辺り、ふざけてる疑惑もありありだが。

「助かる。後日、予約は郵送で入れるが世話んなる旨の手紙も同封しとくよ」

この茹だるような熱気の下べたつく潮風に晒されながら乗船手続きは仕方ないとは言え億劫なとこでもある。
それをちょっとした手伝い程度で、運賃は安くなるのも加えるとかなりいい取引ではなかろうか?
両手を胸板の前で合わせて礼を一つ。

「そういうこった、俺ぁ魔導巨兵だって仕留められるがな、多分1ヶ月もみっちり船旅を働く側でやったらへばるわ」

船員なら出来ること、出来ないこと、冒険者なら出来ること、出来ないこと、得手不得手色々あると首肯して。
叩かれたり触ったりとあれこれ堪能している様子に腕を差し出したりと気楽に応じつつの、
彼女は彼女で女性の豊満さもそれを難なく成立させる筋肉の付き方も併せ持った体躯に目を遣り。
まじまじ、と、ついついその乳房や腰回りあたりを見てしまったが『悪ぃ』とまた謝罪してから視線を外す。

「わかってるさ、サンチェスみてえなデカい看板じゃねぇけどさ、冒険者ってのも結構そーゆー稼業だ。
 ……そこらへんわかってねー奴も多いんだがなぁ……信用無くしたらおまんま食い上げなんだよなぁ……」

尻のくだりは笑いつつ、自分だって変な噂立てられたら自分の稼業が困るってんで頷き一つ。

「ああ、そしたら、サンチェスのって言い方はまずいな。姐さんっつったほうがいいか?」

一応、雇用主になるわけだから呼び方も改めたほうがいいかと首傾げ。

イザベル > 「脳みそまで筋肉ってのは本当なんだねぇ……。 あと煩い。」

下層に比べれば人の密度は緩いとはいえ無人というわけでもないのだ。なんなら下層に比べれば立場のある人間も増える、
故にその立てた親指を握って下ろそうとした。力では敵わないからただ手を握っただけになりかねないけれど。
手続きもしっかりと段取りを組む様子に旅慣れていると感心すればこちらも頷いて。

「次の航海の時は少しマシな酒を載せといてやろうかねぇ。露骨な褒美じゃ調子に乗るからね。」

ククク、と思わず喉を震わせて笑う。見せつけるかの如く谷間も膨らみも男の前にずっと晒していたのだから、
それを今さらながら注視してしまったと謝罪する様子に、彼から腕を離すと覗いていただろう谷間に自らの指を指し込んで、ずり下げて見せた。まろびでる乳房が彼の視界の端に入っただろう……が。

「ま、見た目のわりに紳士ぶってる子にゃこれくらいの褒美があってもいいだろ。」

本来、薄ピンクや黒ずんだものがあるはずの場所には、何も無かった。
正確には肌の色と同じものがそこに張り付けられているわけだけれど……。
年齢だってそう大して変わる物じゃないだろうから、頑張って紳士的なふるまいをした彼へ、まるで年下扱いするかのような戯れを。
そしてまた、その乳肉を布地の内へと収めようとするのだった。

「そうだねぇ、ウチの連中にはキャプテンと呼ばせちゃいるが、そこまで畏まる必要もないサ。好きに呼びな。」

シアン > 「間違いないな。マッチョは、マッチョ維持するために筋肉の事よくよく考えてっからマジで脳みそ筋肉だ」
 
じろり、と、やたら煩い輩に鬱陶しそうな視線を投げる者もたしかに居る。
じろり、と、きっつい眼光と化粧の金瞳を投げ返されたら直ぐ逸れる。
彼女はなるほど荒くれも多い海の仕事もあり気質もありで臆しもしないが、
一般人からしてみればこの顔と目付きと身体は結構怖い。
きっつい眼光は別に脅そうと思ったのではなく普通に視線感じて振り向いただけではあるのだが……。

掴まれた親指は下ろす力にあっさりと折れて収まって、ちぇー、とか、わざとらしい舌打ち。
見目はとかく仕草にしろ言葉にしろ、お巫山戯に紳士ぶった事といい……

「あ、姐さん、もうちょい、もうちょい……!!」

ぶるんっ。て。オノマトペが一緒に飛び出してきた乳房に対する反応といい。
只黙って立っているだけでもよく目立つ、歩めば柔らかく弾んで殊更目立つ、
ずり下げられれば、ニップレス? で隠されているとはいえ実に良い見目に、
先程までの紳士っぷりはどこへやら一瞬ばかりで隠されようとするのに待ったを掛けたり。
年頃は変わらないのに年下扱いされても仕方ない反応ばっかりである。

年下扱いされる戯れに乗っかっているところもあるから、一層。

「あとさ、あとさ、その前張り? とかも外してもらったりとか出来ねーすかね姐さん!」

呼び方は、好きにすりゃいいと言われたから姐さんで通すようだ。

イザベル > 「欠片も褒めてないからね? なんなら馬鹿にしてるからね?」

本当に視線で周囲を黙らせる。寧ろこの体躯、外見に臆していない女の方が異常と言えば異常なのかもしれない。
しかし、それが結果としてはまぁ、人払いになってしまった感は否めない。ぬるま湯で生きて来た中流層には彼の視線は大層脅威だっただろうから。

「──さっきまで紳士ぶってたのに、急に猿になるね。」

じとっとした視線を向けながら布の内に収めようとしていた膨らみの下で腕を組みより強調するようにして見せつける。
口角が吊り上がりそれなりに女も楽しんでいる事が知れるだろうか。
しかし、ニップレスを外して欲しいと求める声に、大仰にため息を一つついてから、
ずい、と一歩距離を詰めてその胸が彼の肌に押し付けられる。

「アンタの太い腕はなんのためについてんだい? 指でも、唇でも、毟って見せなよ。」

全く、馬鹿だね。なんて嘆息交じりの言葉を零す。もう一歩、踏み出せばむっちりと形を歪ませて互いの合間に深い谷間が刻まれる。

シアン > 面と向かって喋ってみると、外見から連想されるような荒々しさはどこにもないが、遠目から眺めているだけでは外見といい化粧といい矢鱈通りのいい声音といいに萎縮する者もいて。――其れに面と向かって物怖じ一つもせずにあーだこーだと言ってる彼女に萎縮する者もいて。気付けば先程より人気が段々減っている。ん? と訝しんだものだがそれも束の間で視線はすっかりまろび出たまま、どころか、むにゅんっと腕に持ち上げられて迫り上がった胸に釘付けである。

「そりゃーしゃーねースわ姐さん、これで平静保てる程歳食っても枯れてもねーやね」

じと、とまた冷たい視線がやってきたものだが今度は謝らず開き直るのは彼女の口元に浮かんだ笑みのお陰。
喉を鳴らして肩を揺らして口元はもちろん笑い声をしきり上げながら、
ぐにゅん。
と、押し付けられるとその張りと柔さを胸筋の張りと硬さで押し返して撓ませる。
ぐにゅう。
と、己からも一歩進めば余計にその形を歪ませながら彼女も一歩で互いに密着し。

「じゃあ、遠慮なく」

太い腕を持ち上げては、広げてから、本当に毟り取るみたく力強くその体躯を掻き抱いて直ぐにぎゅうぅぅぅっと息苦しいぐらいに抱き締めてしまおうか。左腕は、腰を、右腕は、背中を捕まえたが右手だけが持ち上がれば彼女のお団子が結われた頭を掌で掴んでからその気の強い言葉がぽろぽろと零れ出る唇へと緩い笑みのまんまの唇を押し付けようと。

イザベル > 「残念だねぇ──、アタシはその紳士面がゆっくり剥がれる様子を楽しみたかったんだけど。」

何処までが本気で、何処までが戯れか、何れにせよ男が自らの肉体に夢中になる様というのはいつ見ても心地の良いもの。
本当にそれを見せ興奮して欲しい相手がこの世に居ないかもしれない、その事実が余計に煽る動機にもなり。

二人の合間で潰れる乳肉が歪んで盛り上がり其の体温を胸板に伝える。
が、不意打ちのように両腕己の身体を掻き抱いた。抵抗すら許されない圧倒的な力に片腕を抜くのが精いっぱいで、その抱く腕が持ち上がり頭を固定されてしまえば近づく唇に──。

「ば──馬鹿ッ、 あたまワカメ! 脳筋ワカメ!!! やめ、ろっ!! とっていいのはニップレスだ、ばかぁ!!!」

辛うじて抜いた腕が男の耳を摘まんで引っ張る。指で剥がすなり唇で吸い付いて剥がすなり。その意図が伝わらぬままに激しい抵抗を試みるが、
いくら海の女とは言え、所詮は女。その腕の力に敵う事なくあっけなく唇を奪われた。
むぐ、ふぐ、とその腕の中で身を捩り抵抗を試みてはいたが、それはまるで胸を押し付けてもっとと強請っているようにも取れる悪手。
その摩擦で、下肢を守っていたパレオが水面に広がった。

シアン > 彼女には、夫がいて、彼は、何処ぞの海に行ったっきり――……何て話は港だったか船内だったか、海運会社を利用した折ふと又聞きした覚えはあるけれど……触れなかったのは紳士面もあり其れもありだったが触れていいとなったらもう止まらないし止めたくない。何だかうっかりと勘違いしたらしくっても。

二の腕に、背中に、腰に、筋骨の凹凸の赤い痕さえ残しそうなぐらいに力強すぎるぐらいの抱擁で捕まえたまま。
あたまワカメ! とか。脳筋ワカメ! とか。飛び交う罵倒にくつくつと可笑しくって喉を鳴らしつつ……

「ぁいたたたた!?」

耳を引っ張られては流石に痛いものだから悲鳴も漏れたが、奪い取るようなとはいうが、本当に奪う、キス。
胸の内でもぞもぞごそごそ一生懸命悶えているが取っ捕まえたまんま唇と唇を重ねて、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と、
何度も何度も音だけは愛らしいリップノイズを奏でているのも最初だけで……

ぬるっ。

と、マッチョは腕だけじゃなくて顎や舌まで強いらしい、己の唇で彼女の唇と顎を開かせては舌まで入れる。
良うく実っているのに抜群の柔らかさを誇る乳房を、良く良く鍛えてがちがちの胸筋で平らに潰して。
悶えれば悶えるほどずりずりと擦れて心地が良いし何だか『もっと』と強請られているような錯覚は、錯覚とわかってなお楽しんで。パレオがはらり、と解けて波間に攫われていくのを横目にすると……爪まで太いし太腿や脹脛まで棍棒のような足を、彼女の足の合間に入れてぐいとやはり力強さに物言わせて広げさせる。ニップレス剥がすどころじゃない、キスだけじゃ済まないこれ、と分かるだろう。

シアン > 【継続、移動します】
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からシアンさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からイザベルさんが去りました。