2025/06/01 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にアードルフさんが現れました。
■アードルフ > 水遊場の下層、そこを流れるプール。水流に乗って同じ場所を何度も通るその脇に置かれたいくつかのビーチチェア。
もう既に水に入ったのか、髪も身体も濡れたままそこへ横たわるとこの時間には珍しく酒の入っていない男。
喉の渇きを覚えるけれど、改めて買いに出るのも億劫で、チェアに身を横たえると暫くはダラダラと時を過ごす。
「ちょっと、タイミングが悪い。今度にしてくれ、それか……なんか飲み物くれたら考える。」
下層故に、自らを売り込みに来る際どい様々な種の女性が居たが、心地よい疲労感と喉の渇きに少々男の出足も鈍ったようで、
そんな男に甲斐性を見出せなかった女性陣は男に聞こえない所でボロクソに叩くのだろう。
■アードルフ > 暫くチェアで寛いだ後、気だるい身体を引き摺りながら街へ戻ってゆく。
残るのは、払いの悪い男が居たという悪口のみ。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からアードルフさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にアイシャさんが現れました。
■アイシャ > 人生初の水遊場。
人生初の水着。
王族と上級貴族だけが入ることを許されるエリアに、普段の黒いワンピースを纏った姿とは趣が異なる白い水着姿の王女が独り。
「…やっぱり、母さまのお召し換えが終わるまで待っていた方がよかったのかしら」
他でもない大好きな母に誘われて二つ返事で了承はしたものの、日焼け止めや水辺の化粧についての理解がない次女は母よりも随分と支度が速く終わってしまった。
はじめての水遊場に高揚した気持ちが母を置いて先に出てくるという今の結果に至っているのだけれど
「…でも、同じ場所で楽しむのだから問題はないわよね」
よし、と、自分に気合を入れるかのように小さく拳を握って更衣室の前の扉からたっぷりと水がたたえられたそのエリアへと歩き出す。
はじめての場所への不安は有れど、水場に近づくほど馴染みの深い水霊たちの優しく和やかに自分を呼ぶ声に導かれて足取りは初めての場所にしては随分軽い。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にロゼールさんが現れました。
■ロゼール > 娘とは逆に、日焼け防止や化粧など、一通りキッチリと終わらせてからやってきた母親。
もうだいぶいい年なのだが、それにしては大分若く見えると言われる姿。
……口さかしいものに言わせれば、妖怪か何かか?とも言われることもある、ぱっと見で15は若く見えるらしい姿。
そのため、まったく気にせずビキニの水着を着てやってきた。
程なく1人佇む娘の姿を認め、そちらの方へと近づいて。
「アイシャ、お待たせ。……あら、大分早い感じだったけれど、つい楽しみで気が急いてしまったのかしら?」
楽し気な口調で告げるのは、娘と2人、こういう場所に来たという高揚感から来る者もあるのだろう。
■アイシャ > 「んー…。
わたし、こういうところは初めてなんだけれど、どうやって楽しんだらいいのかしら」
わかる?と首を傾げて尋ねる先は滔々と湛えられた水に宿る精霊達。
一風変わった彫像を見上げている間にもいろいろ遊び方を教えてくれる声が聞こえるが、それらをすべて遮って聞こえる耳慣れた声に水際で水霊たちと語らうためにしゃがんでいた体は慌てて立ち上がる。
振替ってその豪奢な存在を銀色に認めれば喜色を隠さずに駆け寄って、その腕に自分の腕を絡めようと
「母さま!」
ぱたた、と軽く響く足音はいつも肩口で跳ねている三つ編みの代わりに弾む音か。
憧れと諦めだけで名前を認識していたこの場所に連れてきてくれた母に存分に甘えるスタイルでくっつくのは、王女がこれでもかと甘やかされて育った証拠かもしれず。
「急いだわけじゃないのよ、でも初めてなんだもの。
着替え以外は何をしたらいいのかわからなかったから…」
だから、日焼け止めも、水際の流れ止めを施した化粧も一切の準備がない。
それよりも、母とこの水遊場に来られることが嬉しくて選んだ水着を披露したいとばかりに母の前でくるりと回って見せて
「どうかしら、母さま。
わたし、変なところ…ある…?」
こういった赤裸々な社交場での振舞いを求められるのは初めて。
だから、自分よりも知見のある母にまずは評価してもらうべく意見を求めた。
■ロゼール > 声をかけた後で、笑顔湛えて近づいて、腕を取ってくる娘の姿。当然そのまま受け入れて。
色々あった娘故に、本人の良いように、としていたのは自分と夫。
その結果、どうしても外が怖くなって引きこもりがちになっていたことは気にしていたのだが、
ここの所、レオンハルトと一緒に旅行に行くとか、王城内の図書館に行ってくるとか、ちょっと買い物に外に出るとか
自室の外に出る機会が増えたことは知っていた。
だから、というのもあるし、何よりも自分が行きたかったというのもあるのだが、ここへと誘ってみたという訳で。
その結果がこの状況。改めて誘ってよかったと思っていて。
「確かにそうよね。事前にあれとこれととやることを教えてあげればよかったわ。
そうすると、今は着替えだけという訳ね。じゃぁ、ちょっとこちらへいらっしゃい。」
そう告げて、娘と腕を絡めたままに、先導するようにデッキチェアの方へと誘導していきつつ、
アイシャが向けてきた質問へは、改めてその姿を上から下へと確認した後に
「ううん、まったく変な所なんてないわよ。
その白いビキニもパレオもアイシャに良く似合ってる。
……ふふっ、白もとてもいいチョイスね。貴女の白磁をより映えさせる白。とても素敵よ。」
たとえ自分の娘でも、変なもの変とはっきり言うタイプの母親が、似合っている、と口にするのだから、変なところなど全くないのだろう。
そして、デッキチェアまでやってくれば、アイシャを座るように促した後で、手に持っていた小さなバッグの中から日焼け止めを取り出して
「アイシャはまだ若いから大丈夫、かもしれないけれど、出来るだけ日焼けの対策はしておいた方がいいわ。
そうしないと、ヒリヒリ痛くて夜眠れなかったり、湯浴みの際に浸みてしまうから。」
手早く娘の顔に、デコルテに、そのほか全身へと塗っていく手はとても手慣れたもの。
ただ、ビキニの中へも手を入れるのは、少し気が気ではないかもしれないけれど。
■アイシャ > 「本当?嬉しい!
母さまが褒めてくれるなら、きっと間違いないわ」
似合っている、と、そう聞こえる言葉は間違いなく誉め言葉だと感じられる。
自分よりも頭一つ近く背の高い母と腕を絡めて歩くのは、コンパスの内径がどうしても短い次女には少し忙しなく動かす必要があったのだけれど、そんなことは母と外に出かけられた楽しさに比べたら何てことはない。
こちらへと誘われるままについていく様は母を信頼しきっている娘そのもの。
だから、座る様にと促されたデッキチェアにも初めて座る楽しみはあれど不安に思うことなんて何一つなかった。
「…若いと、日焼けは大丈夫なの?
アスティが外に出るならってくれたものはあるけど……ひ、日焼けって、そんなに痛いの…?」
一年の殆どを邸城の自室で過ごしている次女にとって日焼けとは縁が遠いもの。
上の妹が、わざわざ菫の香りがする日焼け止めを用意してくれるけれど、中々使う機会がないから今この時になるまですっかり忘れていた。
自分よりも洗練され大人らしい母の掌によって塗り薦められる日焼け止めは柔らかくて、熱を出した子供の頃に胸に塗ってもらった咳止めの軟膏を塗る掌の優しさを思い出しもしたが
「……っ、母さ、ま、手、ちょっと、擽ったい」
白く布地を重ねたその下に潜り込んで塗りこめる手の動きは少しだけ恥ずかしい。
でも、母がそうするべきだというのなら娘はそのくすぐったさを堪えるしかなかった。
母がそうするべきだということに対して反対する意思など、この次女は最初から持ち合わせていないのだから。
■ロゼール > 「若いと、日焼けで傷害した部分の直りが早いから、ね。多少の日焼けならそこまで気にしない、というのもありかもしれないわね。
ただ、私は若いからこそしっかりケアをしておいた方が良いと思うの。
あぁ、アスティの作った日焼け止めは良いものだからね。……今の季節は日差しが強くなっているから、肌を晒したままで一日いたりしたら、とっても痛いわよ?」
そんな言葉を向けながら、手慣れた様子で日焼け止めを塗っていく母。
そして、日焼けの豆知識はもう少し披露される。
「日焼けを放置しすぎると、お肌にしみが出来たりするのよね。
アイシャの綺麗な白肌にそんなものが出来るだなんて、勿体ないし許せないもの。
とはいえ、塗り忘れる事だって結構あると思うのよ。
だから、日焼け止めは常に持ち歩くようにしておくといいわ。」
そして、程なく塗り終わるのだが、くすぐったいと告げる言葉と、その時の己の手の動きに少し楽し気な笑いこぼれて
「ごめんなさいね。でも、全身に塗っておいた方がいいから……あ、でも水着じゃない日は露出している場所だけで大丈夫よ?」
先程の話の流れから、服をしっかり着て出かける時まで全身塗りをしていたら、色々勿体ない気がしたので、そこだけ補足をつける。
そのあとで、水着を手早く直してあげて、確認してから頷いて。
「うん、これでよし、と。元々にあっていて素敵なアイシャが、日焼け対策もばっちりになって、完璧ね。」
我ながらいい仕事をした、というように頷いて、その後で立ち上がれば
「まずはどれかのプールを使ってみる?ここにはね……」
このエリアのプールの種類を説明していく。多種多様のプールがあって、興味は尽きないだろうけれど、言葉だけでは良く分からないかもしれない。
■アイシャ > 「……!」
とっても痛い。
その言葉だけで、大人に未だ成れていない次女には効果は覿面。
暑さで少しばかり紅潮していた頬がさっと蒼くなるさまは目の前の母にも見て取れるだろう。
上の妹が作ってくれる日焼止めの成分を母が保証してくれるのだからあれは本当にいいものに違いない。
だから、明日からは外に出る時にはきちんと使わなくてはと己への自戒を込めながら、今は母の手によって日焼け止めを塗りこめられるその感触に耐えることを選ぶ。
「そうなの?
…じゃあ、ちゃんと化粧する時に使うようにするわ。
外にも持って出られるように、アスティにお願いしなくちゃ」
きっと上の妹のことだからもっと作ってほしいと頼めば嫌がることなどきっとあるまい。
材料が足りないと言われたならこの姉には調達できるだろう手段もある。
引き続き水着の下にも日焼け止めを塗りこめる母の手がその使命を完遂するころには娘の顔はすっかり真っ赤になっていた。
きっと体温が上がったおかげで日焼け止めはいつもよりも随分と柔らかく塗りこめやすい片さになっていたことだろう。
終わり、と聞けばいい仕事をしたと満足そうな母の表情に嬉しくなりつつも内心では漸くの平穏を得たことに安堵する娘の気持ちが密やかに細いため息をつかせるに至った。
母に直してもらった水着を改めて確認すれば小さく、んん、と咳払いをしてから再び母に甘えるべく日焼け止めを塗ってもらったばかりの腕を母の腕に絡めようとしながら
「どこも入ってみたいけれど、こんなにいっぱいあったらわたしにはちょっと難しいわ母さま。
えっと…母さまのお勧めはあるのかしら。
泳げないから、足がつくところだと嬉しいのだけど」
すぐ兄との旅行の間に海で遊ぶことはあったけれど海のすぐ側で服を脱いだことも無ければ水着を持って行きもしなかった。
波や海、砂うち際で遊ぶことが殆どだった次女は今この時まで水遊びは勿論のこと水練の経験の経験だってない。
だからそれを博識かつ経験豊かな母に補ってもらおうと申し出ることにしたのだ。
■ロゼール > 「私は若い頃にやらかしたことがあるのよ。あの時は、夜の湯に肌が触れるだけでしみて痛くてね……同じ痛みをわざわざ娘に味合わせる必要もないでしょう?
大丈夫よ、アイシャ。貴女の素敵な白磁は、母が守りますから。」
効果てきめんな反応を見せた娘に少し脅かしすぎたかと、ちょっとだけ緩めるように言葉を選び。
「ええ、そうして頂戴。アスティなら、きっとその望みも聞いてくれるでしょうか言ってみるといいわね。」
化粧品やケア用品については、双子の姉に任せておけばよいと自分もまた思っている。
なにせ、自分でも作れるのに、モノがいいからアステリアのお願いすることがあるくらいなのだから。
日焼け止めが終わり、改めて腕に絡まる娘の腕は、当然のように受け入れてから
「やっぱりそうよねぇ……そうすると、浅めの流れるプールでちょっと足を濡らしてみるか、深めの流れるプールに大きなパラソルデッキボードを浮かせてその上でゆっくり流されながらお話しするとかかしらね。」
ちょっと考えて、とりあえず二つを考えた。どちらにしても、泳ぐことは目的ではなく、脚を濡らして涼むのか、水の上を流されて涼むのかの差程度の提案を向けるだろう。
その後で、少しだけ考えて
「ちなみに、そういう勉強のために連れてきたわけではないから、純粋にどう思っているかを教えてくれていいのだけれど……
アイシャは水練は学ぶつもりはあるの? あるなら、少し考えないとかしら、と思っただけなのだけれど。」
■アイシャ > 「…聞いているだけでとっても痛いわ、母さま。
でもさっき薬を塗ってくれたから、きっとそれで大丈夫なんでしょう?」
母が痛くないように守ってくれる、というからにはその手段は先程の膏薬だろうと推測できる。
母のお墨付きもついた妹お手製の日焼け止めを持ってこなかったことを後悔するも、今は母の言葉に縋るしかない。
痛くなりませんように、と銀色の睫毛を震わせて自分に呪うように願いを唱える様は年の割にはやはり子供っぽいのだろう。
「泳ぐことは難しくても、折角だから水の中には入ってみたいの。
浅いプールだと、どのぐらいの深さなのかしら?
入ってみて駄目って思ったらまたその時に考えるのではダメ?」
母の提案してくれた言葉に少し考えるようにした後、自分なりに答えを一度出す。
昔は引きこもりを極めていたこともあり、駄目だと言われたら駄目だと素直に受け入れていたけれどある程度考えられる年齢になったことで自分から意見を提案することも学んだ節があった。
「学べるなら学んでみたいとは思うけれど…今からでもできるのかしら。
まずは水になれるほうが先に必要なのかとおもったのだけど…母さまはどちらがいいかご存じ?」
泳げないよりは泳げる方がいいに決まっている。
それは、万が一の自分の生存確率を高めるためだ。
だけれど、自力で自分の生存確率を高める必要がないというのなら、そこは勿論母に従うつもりで。
■ロゼール > 【継続】
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からロゼールさんが去りました。