2025/11/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にラッツィオさんが現れました。
ラッツィオ > 「――だから、何度も言ってンだろ。
 今は女は要らねェ、酒も飲まねェ、ただ使用人の部屋をちょっと見せてくれりゃいいって」

さる娼館の前で、2人の男女が対峙していた。
といっても艶めいた雰囲気はまるでなく、剣呑そのもの。
頭ひとつ分ぐらいは背丈が違うというのに、娼婦は今にも噛みつかんばかりの鋭い目つきで男を見上げている。
しかし男としても引き受けている仕事に関わるだけに、あっさりと手を引くわけにもいかない。
悪目立ちし始めているが止む無しだ。

「あのな、不能だの租チンだの、好き勝手言いやがって。
 いいか、お前みたいな小娘、一晩ハメまくってイキ潰してやったっていいんだぞ。
 ……じゃァなくてな、こっちにはこっちの事情があンだ。
 だから一晩の代金とはいかなくても、ちっとは払うって言ってるじゃねェか」

さる娼館の使用人に金品を盗まれた。
その娼館が使っている部屋に隠しているはずだから、探して取り戻して欲しい、という依頼だった。
娼館に客として訪れたとて、使用人の部屋に案内してもらえるはずもない。
なので正攻法で交渉を試みたのだが、どうやら分が悪いようで。
別の方法を考えるべきかと諦め始めていた。

ラッツィオ > 一時退却をすることを決めた男は、作戦プランを頭のなかで練りながら、道を引き返していくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からラッツィオさんが去りました。