2025/10/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にルーパスさんが現れました。
ルーパス > 貧民地区の外れにある既に教会としての体を成していない木造の小屋。
屋根に掲げられた十字架が嘗ての名残を残すのみ、そんな小屋の前で
飢えた子供や浮浪者へとパンや飲み水を与えている、いわゆる施しの一環。

「すべては御神様と聖女様の思し召し。御心のままに──。」

小さな子供を前にすれば膝を折り視線を合わせ、
病に伏せる者や年老いた者へは手を重ね柔らかく握る。
そうやってやってくる者へ施しをするも時間が経過すれば訪れる人も減っていき

周囲では修道士が居るならば安全と未だ子供達のはしゃぐ声が聞こえていた。
もう片付けを始めて戻っても良い頃合いではあったものの、
自らがこの場を去ったなら子供たちが安心して遊ぶ場を失ってしまう。

そう考えるとその一歩を踏み出す事も憚られ、そっと教会の扉に続く階段に腰を下ろした。
深紅の瞳が愛おしそうに遊ぶ子等を眺めて、それに重なるのは幼いころの主。
今はもう、無邪気ではあるが純粋でないその姿なれど、懐かしむように双眸は細まる。

ルーパス > そろそろ、日が傾き始める。盛りを過ぎた日は残酷な程に早く落ちてゆくから。
階段から立ち上がると遊ぶ子供達の方へ近寄ってゆき、軽く手を叩きながら注意を向ける。

「そろそろ、御戻りなさい。闇は御神の目も届かない時間、守ってあげられませんよ。」

そんなお伽噺のように語り聞かせて帰路へと誘う。
足元にじゃれつく子供たちの髪の毛を撫でて愛でた後、寂れた教会にまた静けさが戻る。
パンを入れていた袋を畳み、教会の中へ、床の軋む音を響かせながらその奥の祭壇へ。
祭壇の前に跪き両手を組めば暫くの間、祈りを捧げるのだろう。
薄暗い、朽ちかけた教会の中ただ無防備に。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からルーパスさんが去りました。