2025/10/16 のログ
ご案内:「娼館・大衆店「プリプリ」」に店内さんが現れました。
■店内 > 夜が早く来るようになった。
夕の明るいうちに飲んで元気よく入ってくる客が減り、肌寒さにせき立てられるように、暖を求めて店内にくるかのような趣がある。
夏場と違い窓は閉めがちになるので、店内に漂う、うっすらとした化粧の気配や人間の匂いというものがいささか濃くなっている。
カウンターの中では、老黒服が手指の爪にヤスリをかけている。
「ちくしょう。指の爪が変な割れ方してやがる…」
■店内 > 店長的な存在だが、店の主役はキャストたちなので、雑用に徹することはしばしばある。いろんなことをこなしているうちに、爪がちょっと割れる。爪の、指から生えた肉の隙間に、小さな枝のように割れている。
歳のせいか、栄養状態のせいか。
「小癪ってのはこういうののことを言うんだよなあ……」
絶妙に嫌な位置にあって、ちょっと変な力がかかると、脳に直結しているような不快感がある。
「根っこにちょっと残ってるんだよなあ…」
さりさり、爪が擦られて粉になっていく。
魔法でどうにかするにはあまりに即物的な現象。ワンスペルでポンと取れるなんて都合のいい魔法は、こんな小市民ライクな小規模な出来事にはない。
■店内 > 今日はオールキャスト時間がピタッと開いている。
日頃なかなか枠が開かない人まで、開いている。
しかし、キャストと客を引き合わせたら、客の来ない時間の黒服などは暇なもの。
部屋が使われていると言うことは、部屋の手入れなどは発生しないと言うことだから。
目つきの鋭い長身痩躯の親父が、爪をなおやすりがけしている