2025/08/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/娼館「プリプリ」」にメイベリーンさんが現れました。
メイベリーン > 昨日のことを思い出しながら、自分の持ち部屋で化粧をした。
テーブルの上に鏡を置いてリップを引く。
ピンクのベビードールに合うように、同じ色の。

(お姉さまにオズくんを取られた)

若干気分が良くない。選んだのは最終的にはお客様である彼なのだ。
選ばれなかったということをちょっと引きずっている。

要するに何事も自分ごととして引き受けなさいというマダムの言葉は。頭で分かっていても、どうしても感情が騒ぐ。

どうして選ばれなかったのかと言えば、その瞬間自分に価値がなかったから、に尽きる。

呼び出しの声を黒服に代わって行ったのは、選ぶっていう遊びの一環で許されたが、いいか悪いかと言えば。

(良くないよね。)


ため息。

メイベリーン > その瞬間、価値がなかった。
それは結果。
選ぶのは買う側であって、その時の欲情の最大瞬間風速と風向きが全てを決める。

マドレーヌとは積み重ねが違う。
年齢も全然違うが、両方抱いた彼ならわかるはず。
どちらがよりオトコとして満足できたのか?

マドレーヌの豊満の極みの体型と顔つきに負けたのかと言えば、そうではなく。
相手に達成感を与えて見せるコミュニケーションスキルがあったから、である。

(わたしだっていっぱいぬいてるもん)

わたしだって!

ふん、と鼻息を荒く部屋を出て、接客用の下着の上からワンピースをがばとかぶって着て、一階に降りていく。


従業員だけが通る廊下で、老黒服に釘を刺された。
「顔に出てるぞ。」

裏口から休憩スペースに出ると、ポケットの中の飴を口に放り込んで、バキバキっと噛んでいる。

(ううううううう〜〜〜〜)

メイベリーン > 今、お客様が見ていないからいいものの。
見せられた顔ではない。

(そんなに負けたくなければ、もっと自分を作りなさい)
(それがいやなら、自分を貫きなさい。あとは人の身に立って考える…)

前にローズマリーさんに相談したら、そう言っていた。


アメデオくんにもこないだ聞いてみたら
(…逆にそれはぼくも知りたいよ。時々お客様の考えることがわからないし…)

何も得られなかった。

生ぬるい夜風がどこか冷たい。

メイベリーン > 誰も悪くない。
その日の売り上げは、あのようにして成立した。
お客様は満足された。

自分が勝手に傷ついて、お客様に独占欲をちょっと持っていた。
その浅はかさだけが燻っている。ただそれだけ。

お店の待合室と、カウンターにはお客様の影がない。
とりあえず再び自分の部屋に戻ろうとする。

今日の勝手な怒りは、寝て起きたら消えているけど、時々胸をちくりと刺すのだ。

メイベリーン > 「やることやって満足する時ってのは、どういう時なんだろうな?」
「知らなーい…」

と、階段を上ろうとするメイに声をかける老黒服に、うわの空の返事をして、今夜もお客様の前に降り立つ準備をする。

メイベリーンは、たくさん気持ちよくしよう、と思っている。
マドレーヌは与えられるにはまず与える、と思っている。
抜き取るだけではエクスタシーでなく、こちらが受けて悦ぶ。
お客様はおのずからオスとしての自分のプライドが満たされる。
あとは自分から昂っていくようになるとその仕事ぶりで示していて、同僚たちには誰にも隠していないのだが…

19歳には何もわからない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/娼館「プリプリ」」からメイベリーンさんが去りました。