2025/11/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/娼館「プリプリ」」に娼館「プリプリ」さんが現れました。
娼館「プリプリ」 > シーナ→売約済み(予約中の意味)
ローズマリー→売約済み


と、いうような、本日の予約状況。

カウンターの内側で老黒服が例によって客を待つ。


「しかしまあなんだな。今年もあと1ヶ月。もうちょっと頑張りゃ無事に年が越せるか…年々一年が早くなるな。」

俺も60だしな、と老黒服は思う。

今夜もローテーションは順調に回っている。
メイベリーン、ノーナ、マドレーヌの3名の回転が多い。
冬場は豊満さで暖を取りたい、のだろうか。

が、老黒服は冷めた目で今日の予約状況を見ている。
キャストに色々な容姿の者を揃えているのは、人類の欲は多種多様だからに他ならない。
細身極まるミエルでさえ、エルフの容姿と本当に細い体がたまらないという客がついているのだ。
豊満よし、痩身よし、筋肉よし、凡庸よし。

(うちは大衆店だからな。一般大衆に受けてナンボだからよ)
そんなふうに黒服は考えている。

娼館「プリプリ」 > 色々な容姿を揃えるのは、投資のバスケットを組むようなもの。煎じ詰めればリスク回避であり、商機を広く浅く探るための手でもある。
一定の清潔さ、一定の容姿の洗練、そういうものを共通項としている。

貧民街から生活の向上を目指して飛び込んでくる者にも例外はない。
とはいえ、貧困だった状況で人並みかそれ以上の稼ぎがいきなり入ることからくる苦労はまた別件であり、店としてはそこまではどうにもできない。

結局、金を手に入れた当人が強く正しく生きる他ない…。

さりとて当座の生活の安定にたどり着けるというだけでも、世のため人のために役に立っているといえよう。


一階エントランスのカウンターで老黒服は仕事を続ける。

「おっ、いらっしゃい。バレンシアさんね。2時間。」

予約で来るお客様を待合室に通し、キャストに部屋まで案内させる。

「どうも。当店は?初めて?ではシステムの説明だな。」
別の客にはざっくりと説明した。
「…ワンダちゃんね。はいよ。待合室にどうぞ。」
ワンダはやたらとゴージャスな外見の偽令嬢なのだが、そそっかしくノリが良くめちゃくちゃ庶民的なのでこれまたファンが多い、


さっきの客2名の気配が、館の上層階へ、ふっと消えていく。
ひとときの静寂が訪れる。

メイベリーンとノーナの予約枠が開いた。