2025/11/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクロスさんが現れました。
クロス > (寒い夜風が吹き始める貧民地区。
火を焚いたドラム缶には浮浪者が集まり、皆暖を取って寒さを凌いでいる。
そんな中、貧民地区には似つかわしくない恰好をするロングコート姿の男が道を歩いていた。
黒い髪に黒いコート、長身のその姿はまるで影の様であり、頭の上からは耳が生え、腰からはふさふさの尻尾が生えていた。
その男の名前は『クロス』この地区では有名な男だ。)

「さて、と…仕事も終えたし、面倒なことはこれで終いだ。
ん~…!早く娼館に行って気持ちよくハメてぇな…」

(伸びをしながらも片手には金貨の詰まった麻袋を持っていた。
貧民地区では命取りとなる様な行動、だが男は平気そうな顔で歩き回り、呑気に伸びをしながらも娼館に向かおうとしていたのだった。
一仕事を終え、一日の締めとして気持ちよく過ごして朝を迎える、そんな最高の一日にするべく、風に当たりながらも歩き続ける。)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセニアさんが現れました。
セニア > そんな夜も静かになろうという中。
残念ながら面倒な事は続くかもしれず。
後ろの路地から騒ぐような数人の男の声がミレー族であるクロスには聞こえたかもしれない。
『まちやがれ』だの『そっちいったぞ』だのと剣呑な言葉が並べ立てられていて。

その声の騒ぎの男達の少し前を一人女性が駆けていく。
黒ずくめの服装にジャケットを羽織り、出来る限り姿勢を低くして。
それはぱっと見でわかるぐらいに男達から逃げているようで。

「……めんっどくさいなあ」

ぼそ、と呟きながらちらちら、と後ろを確認しつつ、まだ追ってくるのを見ながらため息を吐く。
前を見れば路地を歩くロングコートの出で立ちの男性。
顔をじい、と確認した後に手に持った麻袋を伸びをしながら持っているのを確認すれば。
腿から護身用のナイフを一本取り出して。

「前の人ちょーっと……ごめんね?」

そう一言詫びながら。
すれ違いざまにナイフで小さく麻袋に切れ込みを入れていく。
もし、クロスが仕事終わりで少しばかり気が緩んでいたなら、ちりんちりんと数枚の金貨は足元に落ちていくだろう。

クロス > 「…あ?なんだ?」

(遠くの方で騒がしい声が聞こえる。
ミレーとしか、本来の動物的能力故か地獄耳な為にその声が聞こえていた。
内容からして面倒事なのがすぐにわかり、ため息を漏らしながらも無視を決めようとする。
本来なら面倒事には首を突っ込む主義だが、今回は別件だとした。)

「…ん?」

(彼女が詫びを入れてい来る声を聞き、男の目線がそちらを見る。
通り過ぎようとする人間の容姿を確認すれば、同時に光り輝く刃物も確認した。
そして、狙いは男の持っている麻袋、どうやら傷をつけて金貨を落とそうとしたのだろう。
後ろの存在が警官かそれとも貧民地区の住人か、それを確認する暇はなかった。)

「…あぁ、メンドクセェ…」

(一言呟けばナイフの攻撃を避けるために麻袋を高く上げる。
そして、そのまま通り過ぎようとした人間の腕を掴もうとしたのだ。
一瞬の隙に腕を掴めば拘束するわけでもない、追っても善人と言う保証がないのだから。
掴んだ手を引っ張り、男の小脇に抱える様にして持ち上げれば近くにある裏通りに入り込もうとした。
住んで長い土地勘故に追ってから振り逃げるルートを頭の中で即座に思い付き、人外染みた身体能力で素早くその道を逃げようとしたのだった。)

セニア > 予想していた行動は男の警戒心と洞察によりあっさりと避けられる。
逆に言えば変に迷惑をかけずに済んだか、と思い直して。
となれば次の行動に……。

「……って」

逆にぐい、と引っ張られて。
避けられる事までは考えていたが、それに加え腕を掴まれるとは想定していなかった。
目の前にいた男は単に不用心なだけの御仁ではなかった、というコトで。
次は掴まれた腕を振りほどく必要もあると考えた所で。
更に引っ張られて小脇に抱えられて。

「ちょ……」

思い切り暴れてもよかったのだが、瞬時に裏通りへと入っていくのを見て暴れるのをやめる。
手にナイフを持ってもいたので下手をすれば当たりかねないのもあって。
大人しく、されるがままに運ばれることとする。

追手の方は追手の方で彼ほどの身体能力も無く、またこの辺りに彼ほど明るくもなく。
探せだの、とは最後に聞こえてきたがそれ以降の声は聞こえなくなり、あっさりと逃げおおせるだろう。

クロス > 「…何とか巻けたな。」

(かなりの距離を離しながらも建物の影からこっそりと顔を覗かせて表通りを覗く。
追手の声が聞こえなくなり、姿も見えなくなったところで小脇に抱えていた人間を下ろす。
持ち上げた瞬間と布越しからの感触で分かった。相手が女性であると。
地面に下ろせば髪を掻き、ため息を一つ漏らせば明らかに『また首を突っ込んだ』と思うような雰囲気を出したのだ。)

「…んッ、急に持ち上げたりして悪かったな。
お前さん、なんで追われていたんだ?」

(下ろした彼女と面を向かい合わせる様にしながら話を始める。
一先ずは事情聴取をしなければならない。
何故、追われていたのか。どうしてこちらにちょっかいを掛けて金貨を落とそうとしたのか。
そう思っていたのだった…)

「…あぁ、こういうのは名乗らなきゃいけないか?
俺はクロス、この地区で何でも屋をしているミレーだ、アンタの名は?」

(唐突な自己紹介、最低限の礼儀だと思ったのかそれとも警戒を解いてもらうための行動か。
いずれにせよ、何かを効くならば先にこちらから提示をしようと言うう意思表示なのだろう。
名前を名乗れば煙草を一本取り出して咥えて火を灯す。
先を蒸かし、煙を吸えば空に向かって吐き出し、一服する。)