2025/10/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセニアさんが現れました。
セニア > 【夜中:王都マグメール 貧民地区 酒場】

夜の帳もすっかりと落ち切った中、ちびちびと麦酒を飲み下しながらテーブル席に独り陣取る。
周りはそこまでうるさくは無いものの、ぽつぽつとテーブル席やらカウンター席には酒宴に興じる者や酔いつぶれた姿が見えていて。
まあ、中には柄の悪く未だに騒いでいる者は数名は混ざっているものの、凡そは繁忙期を超えた様相。
酒場の主人も、それに合わせるように落ち着いた様子でオーダーを受けては注文された品を用意し、給仕へと渡している。

酒場の表通りはそれでもちらほらと歩く姿は見えて、この時間でもこの店に駆け込んでくる姿も見えて。
頬杖をついてその様子を眺めながら、くい、とまた麦酒を傾けた。

軽く目を瞑り、声やら小さいながらも起きている喧噪になんとなしに耳を傾ける。
辺り触りのない事だったり、他愛のない世間話だったり、酒場でその話するか?というものだったり様々だ。

無論、酒の席なので話半分が丁度いいくらいで。

「……」

ぼんやりと瞑ったままでいれば、視覚以外の感覚が鋭敏になっていき。
自分の身体の中を飲み下したアルコールがぐるぐると回っていくような感覚を感じ取れる。
とはいえ潰れるにはまだまだ早い。
また一口、酒を喉に流し込み、そのぐるぐるしていく感覚を楽しんでいく。

セニア > また少し時間が経ち、麦酒を一杯飲み干して、追加の麦酒を頼む。
どうせ今日はこの酒場の上の安宿を取っているのでいつ戻ってもいいワケで。

飲み干す数が増え、時間が経てばまたアルコールが身体に回っていく。
先ほどよりふわふわとした感覚が身体を包み込んでいて。

「んん~」

少しばかり息を吐いて唸る。
余り酔いすぎれば、ちらちらとこちらを見ている奴らもいるのは知っているので。
そうなればどうなるかは火を見るより明らか。
ほどほどに切り上げよう、とは思いつつ問題ない内は酒盛りを愉しみながら。
誰かいればそういう事も気兼ねなく呑めたりもするのだが。

「それはそれかあ」

追加でテーブルに置かれた麦酒を拾い上げ、呟くと、また一口傾ける。

セニア > 追加で頼んだ一杯も飲み干して。
時間も時間だ。
ゆっくりと立ち上がり、主人に会計を済ませて。
部屋の鍵を弄びながら欠伸を一つ。
ゆっくりと階段を昇り取った部屋へと向かっていく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセニアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアルカさんが現れました。
アルカ > 空が橙から黒へと変わる頃。
大きな広場の一角、数人規模の小さな人混みがひとつ。
中心から響くは蒼の髪の持ち主から放たれる透明な声による歌。
即興の歌詞と旋律で奏でられる歌を終えて、観客達からの控えめの拍手が彼に送られる。

「 ーー ありがと、ございましたっ! 」

聴いてくれた一人一人に深々と頭を下げ、足元に置いていた小銭入りの木箱を拾い上げる。
広場を離れて人の数少ない道を行き、目に入った路地裏へと入り込み。
観客の皆様がお気持ちとして渡してくれた小銭の数を確認すれば。

「 ……今日はちょっとだけ、贅沢していいかも。 」

口の端を吊り上げて嬉しそうに微笑み、薄暗い路地裏の中でも目立つ蒼髪を揺らす。
昨晩の食事はパンの耳だけ。今日は甘いものでも食べようか。
隙だらけで無防備な少年は、口に溜まる涎を飲み込んだ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアルカさんが去りました。