2025/08/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 王都マグメール、貧民地区。
今日のこの地区では、不思議な現象が起こっていた。
もっとも、事件とする程の事でもなく、その理由も分からない。
その為、その影響を受けた者でさえ、そのほんとんどが自覚のない、そんな程度のもの。
さて、その不思議な現象の正体とは…
そんな貧民地区、大通りから外れた、人気の疎らな路地のいくつか。
そうした場所を囲うような、その中心地、建物の屋根の上に、少女の姿はあった。
「………悪戯は、ばれぬように、こっそりと…我ながら、完璧じゃのぅ」
ふふんっ、と、どこか自慢気な様子で、胸を張る一人の少女。
機嫌良さそうにゆらりと揺れる複数の尻尾、その視線は、今まさに、どこぞの路地の一つに向けられた。
まぁ、何をしているのか?と問われれば、そこかしこの地面に、一瞬だけ、踏んだら離れなくなるようにしているのだ。
ある者は、履いているものがすっぽぬけ、またある者は、そうした要素がない為に、片足が引っ掛かったようになる。
そうして、その誰もが、色んな形ですっ転ぶ。
いや本当に何がしたいの?と言われそうだが、今、そうしたいと思っているのだから、仕方が無い。
この少女がやる事、その大体は、そこまで深い理由はないのだから。
■タマモ > もちろん、そうする理由は気紛れだが、そればかりで終えている、と言う訳でもない。
その転び方によって、その転んだ相手によって、そこから派生させるように、続く悪戯が待ち構える場合もある。
例えば、履物がすっぽ抜け、派手にすっ転んだ場合、その履物はどこかに消えてしまう。
転んだ瞬間、己の手元に引き寄せたのだから、見付かる訳がないのだが。
転んだ相手からすれば、転んだ勢いで、その辺りに飛んで行った、と思う訳で、探そうとするだろう。
そこまで派手に転ばなかった場合は、さすがに、そこで手を止める訳だが。
他にも、それが女性であり、スカートの類であった場合、転んだ弾みで捲れたようにさせる、等もある。
体格が丸みを帯びた相手の場合、転がしてみるのも面白い、とか思っているが、今日のところ、それはまだ無い。
何か荷物を持っていた場合は…それもまた、それが何かによって、更に分岐する事だろう。
そんな感じに、無駄に色々と考えた悪戯を行うのだ。
すでに何人かで成功した事、それに味を占めているのか、少女はまだまだやる気である。
もっとも、その相手が相手の場合は、また違った悪戯が待っているだろうが…それはそれ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカチュアさんが現れました。
■カチュア > 大きな怪我もなく、事件と言う程ではないが少々困っていると相談を持ちかけられてやってきた貧民地区。
問題となっている場所にやってきて辺りを見回すと確かにおかしな点は何もない。
ただ、魔力の残滓を感じ、それを探るようにゆっくりと歩いていると、一瞬足を取られる。
最初から警戒していたため、転ぶことなく動きを止め、周囲を見回す。
「今ならいたずらという事で収めてあげますから、姿を表してください」
怪我人なし、探せば荷物などもすぐに見つかっている。
そんな事をする者の姿がなんとなく頭に浮かび、確かめるように声を上げて。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカチュアさんが現れました。
■タマモ > と、ぴくん、と耳が揺れる。
どこかしらから、間違いなく己へと向けた声、と言うものが聞こえたからだ。
ただ、その声には…聞き覚えがある、それを思い出せば、ふむ、と頷き。
「………まぁ、それを望むのであれば…良いじゃろう」
ぽつりと囁く言葉は、その相手に、直接に聞こえる事はないのだが。
くすりと笑えば、ぱちん、と指を鳴らす。
声が聞こえた位置は、己が仕掛けをした場所の一つ、反応もあったところを見れば、わざと踏んだのだろう、と予想だが。
踏んで留めるだけの力は、あくまでも、その時点で、だけの話だ。
そこに何かを加えるのも、別の何かの仕掛けにするのも、己の意思で自由自在。
…と言う訳で、姿を現わして欲しい、と言ってくれるなら、そちらから引っ張り込んでやろう、と考えるもの。
ゆらり、と己の姿が消えるのは…そんな、己に声を掛けただろう、女が居た位置に別の仕掛けが発動するのと同時。
ここで己が消えたように、そこに居た、女の姿も同時に消えている事だろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカチュアさんが去りました。