2025/08/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にブライトさんが現れました。
■ブライト > 貧民地区の表通り。
日中でもどこか危なっかしく、路地裏に続く道の先は闇が広がる物々しさが治安の悪さを物語っている。
それなのに、すっかり日没の時刻が迫りとある方角からは青黒い夜空が覗き始めている。
まだ明るさを保っているから……と警戒心の緩い一般人を狙って、ごろつきや盗人は目を光らせる頃合いだ。
元々、衛兵が仕事をしないことと出自が謎めいた者が大勢行き交うことで有名な貧民地区では怪しい商人や物乞い、
訳ありな感じの娼婦などが堂々と獲物探しに明け暮れている。
「慣れたもの……とも言えないか」
かつては貧民地区に診療所を開いていた丸メガネの男は捨て放題のゴミ袋や、時折聞こえる怒声や悲鳴に肩をすくめ。
すっかり荒れ果ててしまった王都の内情。昔はスラム街ではなかった場所も決して少なくはないだろう。
知人からの頼まれごとの帰り、ヒビや蔦だらけの建物や施錠すらされてない空き家の数々を眺め平民地区行きの馬車を目指して表通りを歩く。
時折あくびをする白衣の男はどこかくたびれた様子で。
■ブライト > 扇情的な出で立ちの女性に見送られる男が、しばし歩くと肩で息をして家屋に手をついて息を切らしている。
先ほどの女性の姿といい、男のへばりようといい何があったのかは概ね想像がつく。
”激しい運動”もこの季節は程々が大切だ。白衣の男は数度、件の男性が無事かどうか繰り返しチラチラ見つつも歩みを進める。
心の中では「運び込まれないようにね」と零し。……お子様やご老人も大勢いるなかで、厳つい人物に連れられた患者の話を思い浮かべつつ。
平民地区になってから、極端な患者は大分減ったのだがそれでも予想の斜め上を行く者は枚挙に暇がない。
ほとんど治る見込みのない末期症状でようやく駆け込んできた者や、その場で処置をしなければ死ぬ重傷者……
戦場かな?と錯覚さえ覚えたのもいい思い出である。
「……!!……いたたたた……」
瞼を閉じながら歩き続けていると、街灯の柱に肩をぶつける。
やってしまった と肩を擦りながら、大あくびをして歩き続けるも足取りは見てて不安になる。
平民地区の診療所に帰ればゆっくり…………出来たらいいな。
いつもの事と慣れているが、休息らしい休息が……欲しい。切実に。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からブライトさんが去りました。