2025/08/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」に黒曜さんが現れました。
黒曜 > くい、と酒を煽る昼下がり。
酒を飲むと自然と近くなるものだ。
何が、とは言わないが。

「親父、今日はこれで。」

そう言ってそっと金銭を支払うと、
すっすっと厠…所詮トイレに足を向けていく。

黒曜 > そしてトイレの前にたどり着いて、
一つ困ったことが起きた。
男たちがそこに屯って談笑していたのだ。

「お、おいっ…。」

どけ、と一言言えれば良かったのだ。
それなのに羞恥心が勝ってそれが言えなかった。

もじもじ、と膝を擦り合わせながら男たちが退くのを待とうとする。
けれど、それに気づいた男たちはいやらしい笑みを浮かべて見せた。

『どうした?トイレか?』

と女の下半身を舐めつけるようにして眺めている。
わざわざ大声でトイレ、と単語を述べたゆえに、
酒場内の視線は今や女に集中している。

『なんだ?』

『漏れそうなのか?』

『おー、いいぞ、漏らせ漏らせ!!!』

悪乗りした男たちの声が響きだした。
それこそ酒場の外にも聞こえそうなほどに…。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にD・エーギルさんが現れました。
D・エーギル > 定期的な貧民地区の警備、という名の情報収集と賄賂を受け取るための巡回をしていた時。
この辺りでもガラの悪い男たちが詰める酒場にてまだ昼下がりにしては賑やかな声が聞こえれば様子を見に中に入り。

顔見知りの男たちに軽く挨拶をしながら騒動の中心に向かい。
数人の男と向かい合う東の圀の服装をした中性的な女と屈強な男たちが向かい合う間に入り。

「お前ら、昼間っから何を盛り上がってるんだ」

何度か制圧して力関係をわからせている男たちはこちらを見れば楽しそうに事情を説明してくれば今度は女に視線を向け。
しかし、それは助けるよう意思は見せておらず、むしろ相手の身体を舐めるように見てからにやにやと笑みを浮かべ相手に一歩近づき。

「運が悪かったみたいだなぁ。
 よそ者のお前に使わせるトイレはないみたいだぞ?」

黒曜 > 次第に女のもじもじした動きがせわしなくなっていく。
ただでさえ大勢の前でトイレを我慢していることを知らされて恥ずかしいのに、
其処に現れた銀髪の男の言葉に目を見開くのだった。

「なっ……っく、この、っ…!!!」

ぎゅうっと袴の上から下腹部をかばうように抑えている。
もうそうしていないと我慢が効かなくなってきているのだろう。
次第に女の顔は赤らんでいき、はぁはぁと呼吸も荒くなっていく。
こんな状態で刀を抜けばきっと決壊してしまうと、
黒塗りの刀を抜くこともできずに忙しなくアタリを見渡す。
周りの客は面白がって女を見ているし、給仕の少年すら、顔を赤らめて女の粗相を待っているようだった…。

「……ッ、っく、ぅ…ぅ~~~…ッ!!!」

いよいよ限界が近いのだろう、女は強硬手段に出ようと試みた。
追い詰められると正常な判断ができなくなるといういい例だろう。
男たちを振り払って無理やりトイレに駆け込もうとしたのだ。

D・エーギル > 自身に女に漏らさせるような趣向はなかったものの、恥じらいをもって耐える姿は中々嗜虐心を煽るもので。
限界を迎えようとする相手を見ていれば自身も滾るものを感じながら様子を見て楽しみ。

「ほら、漏らしちまえよ。
 楽になるぜ?」

必死に助けを求めるものの、この時間に他の兵士が警備に来ないのは知っているし。
来たとしても無関係な女一人わざわざ助けようともしないだろうことは確実で。
どうするのか視姦していれば唐突に相手が走り出し。

「おっと、そうはいかないな」

ある種、予想道理の行動にすっと槍の石突を前にすっと出せば、女の身体を知り尽くしているかのように相手の下腹部に先端を食い込ませ。
駆け出した相手の勢いだけで膀胱とその奥にある子宮まで圧迫して刺激して。

黒曜 > 『も・ら・せ。も・ら・せ。』

ドクンドクンドクンドクン。
心臓の脈打つ音すらも刺激になっているような気がして、
つう、と汗が恥じらいを浮かべている顔を伝ってぽたりと落ちる。

「う、うるさい……ッくそ、どけっ!!!」

最後の力を振り絞って走り出した。
あと少し、あと少しなのにッ…。
そう思いながら走った。

「あっ♡」

ぐりい。
男が手に持っていた槍の石突が、下腹部に食い込む。
たっぷりと我慢を重ねていた膀胱に、その奥にある子宮にも刺激を与えてくれば、
限界間近だったそこはあっけなく限界を迎えた。

ちょろ、ちょろろろ…。

袴の股間が色を変え、酒場の床に水滴が堕ちていく
そして次第にしょろろ…、と勢いを増して、床に水たまりが広がっていく。
一瞬の沈黙の後、男たちの下卑た視線が女に注がれる。
慌てて股間を隠そうとする両腕を両脇から掴まれて固定され、
女は無数の男たちの前で恥じらいながら失禁してしまった。

「い、や…いやぁ、見るな……あっ、止まらな…っくぅン…ッ。」

D・エーギル >  
石突が確実に相手の下腹部を捉え圧迫した瞬間。
相手の股から小水がある触れだすのを目にし、遅れて匂いと音が響けば笑い声が響き渡り。
一部では漏らすか漏らさないかでかけをしていたのか絶望と歓喜の声すら聞こえ乾杯を交わすものすらいるようだ。

「おいおい、共用の酒場をしょんべんで汚すなんて躾けのなってないやつだな。
 仕方ない、俺が栓をしてやろう」

そういえば相手に近づき、腰に挿していた刀を鞘毎奪い。
相手の着物の紐をほどいて前をはだけさせ、袴も脱がして水溜まり広がる床に落とし。
そのまま手にもっていた刀の柄頭を割れ目に軽く入れてやり。

「ははは、これじゃあ栓にもならないな」

黒曜 > しょろろろ…。
我慢を重ねていた分、その量が多かったのだろう。
両脇から腕を固定されて身じろぐ事もできず、
ましてや小水を溢れさせる股間を隠すこともできず、
女は我慢からの解放に軽い快感すら覚えている顔も男たちに晒していた。

「あぁぁぁ…♡
 いや、いやぁ……、ッ、っく、ふ…うううっ…。」

恥ずかしさから泣き出しそうなほどに顔をゆがめる。
そして着物を開けさせられれば、体躯のわりに小振りな乳房、
そして袴を脱がされれば、つるんとした無毛の割れ目が露になる。
さいごに刀を鞘毎奪われれば…。

「あぅうううっ!!!っや、やめ、やめっ…いやぁっ!!!」

ぐじゅり、と小水と…僅かな愛液でぬらつく割れ目に刀の柄頭を突っ込まれれば、
いやだ、と頭を振った。

D・エーギル >  
「おいおい、これはなんだ。
 しょんべん以外で濡れてんじゃないのか」

小水が伝って汚れる刀が入った割れ目を見れば。
尿とは明らかに違う、別の体液で濡れる感触を感じ取り。
ニヤッと口角を上げれば鞘をしっかりと握ってから軽く挿入を繰り返して見せ。

「最初からこいつで切り開かなかったあたり。
 もしかして皆に見てもらいたくてわざとトラブルにしたんじゃないか?
 とんだ糞ビッチだなぁ」

鞘を上下に動かし、時折円を書くようにして相手の膣をクチュクチュとかき回しながら。
相手の羞恥を煽るように言えば左右で掴んでいた男たちも遠慮なく相手の尻に片手を伸ばせば揉みしだき。

黒曜 > 「ちっ、ちが……あぁぁっ、嫌、見るなぁっ。
 濡れてない、濡れてないから…あぁぁっ、いやぁぁっ♡」

刀の柄が入り込めば、ごりごりと膣の壁を擦り上げていく。
次第にぬちゃりぬちゃりと音が変わっていくのを周りの男たちも聞くことだろう。
給仕の少年も、ごくり、と生唾を飲み込みながら股間にテントを張っていた。

「違うッ、違うっ!!!
 いやだ、見るな…きゃんっ!!!
 いやーーーっ!!!触るなッ、ひいっ、嫌ッ!!!」

膣内をくちゅくちゅとかき回される。
普段自分が握っている刀の柄が自分の中に入っている。
そんな事実で頭がおかしくなりそうなのに…。

「っひん、さわ、触るな…ぁっ♡ぁっ、ああ、あっ♡」

左右で腕を掴んでいる男が尻を揉みしだいてくれば、
それを合図にしたように周りの男たちも近づいてきて、
薄い乳房を揉みしだき始めていた。そうすれば、次第に乳頭からじわりと白い液体が滲みだすことだろう。

D・エーギル > 「おいおい、今度は母乳か?
 どれだけこの酒場を自分の体液で汚したいんだよ」

男達が胸を揉みしだくとともに白い液体が滲めばクツクツと笑い声をこぼし。
相手の脚を軽く蹴って広げさせれば、股に刺さった日本刀と広げた脚の三点で身体を支えるようにさせ。
槍を立てかけてから、相手に近づけばその胸に顔を寄せて乳頭に吸い付き。

「は、こりゃ本物の母乳だな。
 何度か孕ませた女のを呑んだことあるからわかるぜ。
 もしかしてこのなりでガキでも孕んでるのか?旦那の子供か?」

甘い母乳の味に確信を持ち。
両手で相手の腰を掴んで親指を下腹部に食い込ませればぐりぐりとその奥の子宮を揺らして刺激を与え。

黒曜 > 「~~~!!!
 いやだ、もう嫌だ、見ないで、見るなッ!!!」

じゅわり、と母乳が滲んで男たちも少し驚いた様子。
刀と足の三点で身体を支えさせられたまま、
もみゅ、もみゅ、と乳房を弄ばれ、
男の唇がちゅば、と乳首に吸い付いてくればビクンと背筋をのけぞらせた。

「ひゃぁっ!!!
 ち、ちがう、孕んで何かいな……ああぁああぁっ!!!
 っや、う、あうっ、やめ、またイく、いやーーーーーっ!!!!!!」

そういう体質だと言い訳をしようにも、立証する証拠はない。
男たちに下腹部をくいっと押し込まれて、
子宮が揺らされれば泣きながら女は頭を振るのだ。

D・エーギル >  
「嘘つけよ、外でしょんべん漏らして母乳溢れさせるような女なんだからな。
 どうせ行きずりの男とやって孕んだんだろう」

相手の母乳を堪能したのち、顔を上げて軽く唇を舐めた後。
周りに目配せすれば、男達が手を伸ばして相手の服をすべて脱がせ。
相手の身体をテーブルの上に仰向けに寝かせれば、刺さったままの刀を引き抜けば小水の水溜まりの中に投げ。

「そんな女にはご褒美をやらねぇとなぁ。
 出来てねぇなら俺たちの種で孕ませてやるよ」

そういってズボンの前を寛げれば太い逸物を露わにして。
周りも『犯せ!犯せ!』と囃し立てるように声が響き。
それに答えるように相手の腰を掴めば太い逸物をあてがってそのまま中にねじ込み。

黒曜 > 「そ、それはお前たちが……っ!!!
 っひんっ、きゃぁぁぁぁああ!!!やめ、やめて、もう嫌ぁっ!!!」

仰向けにテーブルの上に寝かされれば、
今までよく見えなかったらしい男たちの目線にも裸が晒される。
『パイパンだ。』『胸ちっせぇwww』と、あざ笑う声が聞こえる。

「いやーーーっ!!!
 やめて、やめっ、あぐ、ひいいいいっ!!!!」

ぼろん、と露になった男の逸物が一気に身体を貫く。
パイパンゆえに、男の逸物が抜き差しされる様が良く見えるのだろう。
両脇の男たちは乳房に吸い付き、めったに味わえない母乳の味を堪能しつつ、女の下肢を舐めるように見続けている。

D・エーギル >  
「っはぁ……おもらし女の癖に中々名器じゃないか。
 やっぱり東の女はいい身体してるぜ。

 ほら、よく見てみろ坊主。
 お前も強くなってこうやって好きに女に種付けできるような男になるんだぜ。」

ごちゅっんごちゅんと突き込みながら、絡みつく相手の膣肉の感触を堪能し。
突き込むたびに相手の子宮口を亀頭でたたきつけながら。

近くで興味を持っていた若い少年を近くに寄せれば犯す接合部をしっかりと目に焼き付けさせながら教えてやり。
別の男がテーブルに乗れば相手の顎を掴んで口を開けさせればそのまま喉奥まで逸物を突き込み。

黒曜 > 「っくうううっ!!!
 いやぁっ、やめ、あ、あ、あ、あっ…♡

 っや、やめ、見るな、見るなってば…。
 あう、あんっ、あんっ…♡いやぁ、おねがい、もうやめてぇっ…!!!」

ごちゅんごちゅんと、何度も何度も突き上げられ、
そうしているうちに子宮口がくぽりくぽり、と柔らかくなって亀頭を受け入れようとしていく。

若い少年がアソコを覗き込んでいると知れば、恥じらいから全身を真っ赤に染める。
少年は「これはなぁに?」と、陰核を指先で突きだす。
それだけで痺れるような快感が襲ってきて涙を溢れさせつつも、
抵抗するために開いた口に別の男の逸物が捻じ込まれて…。

「ンぐううっ!!!んむ、ンッ、ン――――ッ!!!

D・エーギル >  
「それはクリって言ってな。
 女はそこ刺激されるだけで絶頂するくらい弱点なんだよ」

相手の悲鳴のような声を無視しながら。
少年の質問に答えてやり。

やがて徐々に相手の子宮口も柔らかくなってくれば。
逆に自身の逸物には血が滾り、絶頂が近くなってきて。

「ずいぶんほぐれて来たな。
 それじゃあ一発目は俺が中に出して種付けしてやるからな」

そういえば一気に腰の動きを激しくしていき。
接合部を激しくかき回す水音が響き渡ったあと。
グッと腰を押し付けてから勢いよく相手の子宮内に精液を吐き出し。
それと同時に口に入れていた男も爆ぜれば、濃厚な精液で相手の腹の中を満たしていき。

黒曜 > 「やめぇっ、やめ、さわらにゃいれ…ひいんっ!!!
 イく、イくイくイくーーーーっ!!!あぁぁあーーーーーっ!!!」

少年の質問に律儀に応える男に非難の声を上げるも、
そんなことは知らぬ存ぜぬで少年はこりゅこりゅと陰核を扱きだす。

『あはは、ちんちんみたい!』

と笑って、無邪気故に残酷なほどの刺激を与えてくる。
その刺激に女はのけ反り、ぴゅー、と愛液を迸らせて絶頂した。
それでもイった直後の敏感な身体にも残酷なくらいの刺激を与えられる。

「あぁっ、だめ、中は嫌……嫌、ぁーー……。
 らめぇ、そんなぐりぐりされちゃ、またイく、イ、ひーーー♡」

ぐっちゃぐっちゃと中を掻き回され、
乳首を吸われ、陰核を弄られ、弱い部分を全て刺激され、
女は泣きじゃくりながら腰を揺らしていく。
そして子宮内にぐぽりと亀頭が入り込み、精液を注いだその時、
女は連続して潮吹き絶頂を迎えた。
ぴゅ、ぴゅ、ぴゅーーー、と、潮を噴水の様に迸らせて。

D・エーギル >  
「っ、はぁ~。
 仕事中に女と一発やる感覚はたまんねぇなぁ。」

どくどくと相手の中に注ぎ込みながら快感に身を震わせ。
絶頂とともに潮を吹き出す相手を見ればクリを除いていた少年の顔にかかり。

「ははは、色々と股の緩い女だ。
 ほぼ全部出し切ってるんじゃないか」

驚きながらも濃厚な雌の匂いに顔が離せない様子の少年を笑いながら。
ぐじゅっと中から逸物を抜けば割れ目から精液が溢れだし。
自分は離れればすぐに別の男がその位置に変われば今度は自分の番だというように犯しはじめ。

「こりゃ酒場の男全員相手にしないと終わらなさそうだなぁ。
 はは、まぁ殺されやしないから、たっぷり楽しんでいけよ」

そういいながら自分は身支度を整え、マスターからもらった水を一杯飲んでから。
終わったらその辺捨てとけと荒くれ者たちに伝えてから、自分は一度兵舎に戻ることにして。
女の悲鳴が響き続ける酒場を後にすることだろう。

黒曜 > 「はぁぁ……っぁん……ぁぁ…♡」

奥底にびゅーっと吐き出された精液に身体をのけぞらせ、
逆に自分の愛液を浴びた少年を見ては罪悪感に苛まれる。

「っく、ううう、見るな、見ないで…。
 きゃーーーーーぁぁあああああああああああーーーーっ!!!!」

愛液を浴びた少年に、じゅる、と陰核を吸い上げられた。
加減も何もなく吸い上げられた快感にまたイって、
もうアソコがぐちょぐちょになっているのを見て少年も楽しそうで。

「やぁあーー!!!もうやめてぇっ!!!
 いや、いや、いやーーーっ!!!入っちゃう…っひーーー!!!」

そして次の男が入り込んでくれば女はまた悲鳴を挙げる。
さっきまで陰核を弄っていた少年は、乳首にも興味を抱いて、
陰核を弄りながら乳房を吸ってきた。

もう座ったままの男は居ない。
抑えつけられたまま、女は次から次へと男たちに乱暴されたことだろう。
最後に犯されたのはあの少年。
筆おろしを任されたのち、最後の情けにとばかりに酒場の二回のベッドに運ばれたのは別の話。
…もちろん、その後も散々犯されることになっただろうが。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」から黒曜さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からD・エーギルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/暗殺者ギルド」にカイルスさんが現れました。
カイルス > 『結果を確認した。契約通り、残りの報酬は匿名で指定の施設に送っている』
「そいつはどーも……神のご加護があらんことを」
『神のご加護があらんことを』

受付の男が無表情に告げるのに対し、灰色服の男は苦々しそうに呟く。お定まりの聖句。
暗殺者ギルドを経由した『ある組織』からの依頼を男は断れない。
直接組織お抱えとしないのは、リスクヘッジ――いざという時はトカゲの尻尾切りができるように。

下水道や地下墳墓を経由して到着する暗殺者ギルドは、意外と快適だ。
灯はないが、ここに来るような連中は暗視や赤外線視、あるいは視覚に頼らずに歩いていける。男もそうだ。
平民地区の宿のように眠ることもできる――奴隷の給仕相手に愉しむことも。

報酬の一分にも満たないが、一週間分の生活費がある。酒でも飲んで気を紛らわせようか――。
今の所、客というか、利用者は男だけのようだ。複数ある入口に視線をやりながら、果実水を頼む。
ここに来る連中は依頼人だろうが仕事人だろうがろくな連中ではないが――。

カイルス > 果実水が入ったコップを受け取って、依頼が張り出された掲示板へと向かう。
冒険者ギルドのように、紙片がいくつか貼られている。
もし明かりがついていたら、ただ白紙が貼りつけられていることに多くの人は訝しむことだろう。
男は上から紙片に指先をあてて、微かな突起を読み取る。通常とは異なるルールの点字。半分ほど読み終わると呟いた。

「ダイラスの商人は終わったのか。バフートの奴隷商は……値段が上がってるな」

暗殺の仕事はしばらく放置しておくと値段が上がることがある。これはどこでも共通だ。
「その仕事は割にあわない」と受注者側が一致団結することで、発注者側に値上げを迫るのだ。
冒険者ギルドでは配達と護衛の仕事を受けて効率よく仕事をこなせることもあるため、なかなかそういったことにはならない。
一方で、受け手がいないと発注者が諦めて依頼を取り下げてしまう。その見極めがなかなか難しい。
ふ、と指先が止まる。一枚の紙をもう一度、丁寧に最初からなぞっていく。苦虫を嚙みつぶしたような顔。

「おいおい……値段が上がってるぞ。
東方の黒装束、ストールで顔を覆う、身長150cm程度……これで受ける奴いるのか?」

冒険者ギルドで飲み交わし、雑貨屋で話しただけの相手だが――余程やばいヤマに首をつっこんだのだろうか。
王都は人が多い。それらしき人物を見つけるのも苦労するだろう。何よりこの情報では標的の真偽がほぼ不可能だ。
まさか本人に名前を確認するような者もおるまい。名前を――。

「……ちっと深刻らしいな」

前回は記載がなかった名前がある。男は知っているために、その違いにすぐには気付かなかった。
暗殺者ギルドのメンバーがもし彼あるいは彼女(女性だと思うが、声変りしていない少年かもしれない)を見つけたら、少々面倒だ。

カイルス > 酒を飲んでいる場合ではないが、さりとてできることはない。
この前だって偶然見つけたから話せたようなものだ。相手の常宿さえ知らない。
追われている身ならなおの事、日々転々とするだろう。手掛かりは皆無に近い。
先日の会話を思い出して、ふっと笑う。

「服を変えるだけでこの問題解決するんだよな……」

考慮する、という口ぶりの相手を思い出す。本当に考慮してくれていたらよいが。
説教好きな年上が何か言ってる、と思われていたら悲しい。

・この情報は暗殺者ギルドに所属している人間しか知らない。
・例外として、依頼人に連なる連中。王侯貴族とその手先。
・追いかけるのは黒装束の小柄。依頼人側は情報が多い可能性あり。
・手持ちのカードはない。

「……どーしたもんか」

もし王都にいるならば、出会った場所をぶらつくのが一番か。
冒険者ギルドと市場通り……。
果実水を飲み干すと、コップをカウンターへと置いた。そのまま出口の一つへと歩き出す。

「……ま、なるようにしかならんか」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/暗殺者ギルド」からカイルスさんが去りました。