2025/11/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城・一室」にエリザベートさんが現れました。
■エリザベート >
王城にいくつかある個室。
使われる用途も様々なそんな一室にて。
「さぁて、こいつはどうしてくれようか…?」
白いゴシックテーブルの上に乗せられた一冊の帳簿。
帳面の表には何も書かれていないそれを見下ろす龍眼の女は不敵に笑みを浮かべていた。
これぞまさに裏帳簿。
裏金、献金、様々な表には出せない記録が残された一冊。
その内部に出てくる名には悪徳と噂される名がズラリ。
そしてそれだけでなく、表向きは怪しい動きなどしていなかった家の名も連ねられている。
「一斉に炙り出してやるのも面白いが、一人ずつ吊し上げてやるのも良いか♡」
帳簿を紐解けば裏であくどいことをしている者だけだなく、それと繋がる人間までもが見えてくる。
侍従の一人が手に入れてきたこの帳簿こそまさに、王国の闇そのものであった。
■エリザベート >
「おっ、こやつは…確かでぶでぶに肥えたムカつく顔のヤツじゃったな…王女に手を出しおった…」
見覚えのある名を見つけ、眼を細める。
証拠を掴みきれずに野放しとなっていた小悪党。
自らが魔術の教育をしていた王女の一人を貶めた醜悪な貴族男である。
──これで尻尾が掴めたと、白魔女は北叟笑む。
「くく、さてどんな目にあわせてやろうか…♪
ただの問題提起では済ませてやらぬからな~♡」
まさに必殺の武器を手に入れたかの如く、心が踊る。
世直しは女の趣味が一つ。此れまでにも悪どい行為を暴かれ、曝け出された者は多い。
牢獄送りになった者もおり、相応に女はそういった悪徳の連中からは煙たがられていた。
そんな女が裏帳簿を手にする──危険以外の何物でもない。