2025/10/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 夜会場」にベアトリスさんが現れました。
ベアトリス > 王城であまた主催される夜会の一席。断れない筋のその一つに顔を出していた。
伺候するときとは違う、華やかな装い。
いつもは流すだけの髪を柔らかく結い上げ、宝石を散らしたピンでとめ。
化粧も装いに合わせて普段よりは幾分濃いめに。深い色の紅を佩いた口許には穏やかな笑みを浮かべ、序列に従った挨拶を儀礼として行う。

稜線をより美しく見せるシルエットを付けるための下着類の上に、アンダードレス、オーバードレスを重ね。デザイン自体はオーソドックスなものを選んでいるあたりはなるべく目立ちたくない、という女自身の意思を垣間見せた。

「─────……、……ふ、ぅ」

冬を目前に控えた夜会は、豊穣を言祝ぐためのものだ。その実際がどうあれ。
祭祀を兼ねているから普段よりも参加人数は多い。
挨拶を終え、乾杯の儀礼も終われば、管楽の音色が広間に広がってゆく。

グラスの細い首を支えながら、すい、と人の輪のより外側に収まろうとその合間を泳ぐ挙措。
ドレスの裾は、骨を入れているわけではない自然なドレープが流れる仕様。その裾を無作法にならない程度に手繰り、歩を進めた。

ご案内:「王都マグメール 王城 夜会場」にファルスィークさんが現れました。
ベアトリス > ダンスを楽しむような相手もいなければ、職場──外廷のつながりのある人物へと軽く世間話に興じる。

それが己の親族であり、後見人の望んでいることかどうかは、さて、わからないが。
少なくとも王都で、ドール領の主は己、ということになっている。
表だって何かを言ってくることはないだろう。

失礼にならない程度の時間を歓談して過ごし、それぞれが己の社交目的のために散ってゆく。
ひとによっては──また別の思惑があるのもこの宮廷だ。


わずかに視線を下げるものの、背筋は伸ばしたまま。
他者の目がある場所で姿勢を崩すような教育は受けてこなかったせいもあるだろう。
少し人いきれから離れるべきかとさらに下がりながら考えをめぐらし。

ファルスィーク > 招待は受けていたが、変わり者の己相手では、一応の礼儀と言ったところではあるのだろう。
開催されている夜会には気紛れである為に、参加したりしなかったりであり……今宵はと言えば、少し暇な時間が出来たので、挨拶程度に顔を出しておこうと言った…やはり気紛れであった。
遅参故に気を遣わせない程度には気配を消しつつ、見知った顔が目礼やあれば軽く手を挙げて応えたりする程度。
軽やかな音楽は耳に心地よく、会談の邪魔をしない程度で丁度よい。

舞踏が始まれば、各々に相手を誘いつつ中央にて軽やかなステップとドレスが描く鮮やかな華を眺めていれば、見つける見知った女性の姿。
華やかな姿は普段の女性とは雰囲気から違う事もあり、己からすれば十分に目を惹き付ける。
人の中をするりと縫いながら近付いていけば、軽くの会釈を向け。

「社交界は、あまり得意ではない様だな。
……夜に映える花で有名な月下美人のようだが、それ故に周囲が気後れしているのか…確かに遠くから眺めるだけでも十分、眼福ではあるが」

ベアトリス > 人の──歓談の輪から外れ。もっと小規模のサロンに分かれて親しく話す相手も特にない。
このまま少し時間をつぶして、バルコニーか庭園にでも向かおうかと踵を返しかけたところで、ざわつく周囲の声音に視線を巡らせる。

仮にも一つの都市を盛り立てている王族を蔑ろにするものなどいまい。
むけられた会釈につい、とドレスの裾を引いて、一歩下がって頭を下げる。
遊ばせている横髪が、その仕草に肩を滑り、揺れた。

堅苦しいことを好まないことは知ってはいるが、今日の夜会はそれなりに規模の大きなものだ。
礼を失さない程度の礼儀を示し、視線を上げて。

「あまり気の利かぬ人間故です、殿下。
 ─────私程度の花に過分に過ぎるお言葉ですね、今宵はさらに華やかな花々が、夜をにぎわせていますでしょうに」

穏やかな笑みで応じ、少し下がる。
風雅を好む相手は、その経歴も、立場も、容姿も目立つ。
だからこそ、そっと距離を挟んだ。

ご案内:「王都マグメール 王城 夜会場」にベアトリスさんが現れました。
ファルスィーク > 主催は来ないだろうと思っていたらしい。
出来るだけ気配は消したつもりだったが、目敏く姿を見つけたらしく慌てている様子は、周囲から多少の同情は引いたようだ。
少し上げた手で挨拶をしに来ようとするのを制したが、主催に続いて気付いたらしく一瞬、閑談に間が出来れば、邪魔をした侘びと共に己には気にせずにと言う意味を込めて周囲に黙礼を向けた。

堅苦しい礼儀は好まないのを知っている主催であれば、演奏を止めてしまった楽団へ指先で再開するように指示を出し、再び舞踏が始まった。

普段の様に礼儀をもって接する女性は、本来、至極当然の物であり立場の違いを示すには完璧な鑑とも言えるか。
己にまで招待状が来るとなれば、夜会の規模は大きなものであるので、女性も家名を背負っての事だろう。

「夜会は特に美しい花が多くはあるが、壁の花として置いておくのは私からすれば、勿体無いと言わざるを得ないが…」

気が利かない……との言葉には楽しげに笑いつつ、周囲の目を引いているようであれば、庭園にでもどうだろうかと誘いの言葉をむけるのは、立場を意識しすぎて碌に話も出来そうにないと判断しての事。
付け加えるならば、己と一緒であるのなら女性の後見人も多少は満足するのではないかとも思ったからではある。

ベアトリス > 一度途絶えた管楽が再び奏でられ始める。それを潮に人々のさざめきもまた戻ってきた。
ダンスの輪が華やかに咲き。

それに一度目を向け、戻す。

「御冗談を。すでに盛りというには少々時期を逸しているかと。
 私は賑わいの添え花となればそれでいいと思っておりますので…。」

交わす言葉、その仕草一つ一つを、歓談している人々がそっとうかがっているのは知っている。
美談であれ醜聞であれ、話の種が多いことに問題はないのだ。

添えられた言葉にテラスから続くだろう庭園へと視線を転じた。
わずかにしあんするものの、こうして耳目を引き付けたまま会話するのは己には少々荷が勝つ行為。

その申し出には素直に従うことにして───。

「それでは、殿下のお時間を幾何か御借りできればと思います。
 ご無礼、お許しください」

了承を返せば、相手の手を借り、夜会場を抜け出すことになるのだろう。
その後の庭園の語らいまでも覗くような無粋なものはいないだろうから。

ご案内:「王都マグメール 王城 夜会場」からベアトリスさんが去りました。
ファルスィーク > 折角の夜会に僅かでも水を差した事に対して、後程、主催した貴族へ詫びの品と言葉とを送る事にして、再開された音楽を聴きながら、向けられる目線に気付けば其々に笑顔を向けておくのは、誰か認識しているというのを込めて噂話と言う娯楽の種への牽制も含めての。

己だけならばまだいいが、女性まで巻き添えになるのはよろしくない。
毒牙に掛けられようとしている……と、同情を向けられるくらいが丁度いいのか。

「ふむ……私から見れば存分に咲き誇り、香りも豊かに思えるのだが」

添え花の方が目立っているように思える。との続きの言葉は、女性にだけ聞こえるような囁き。
周囲に配慮してのドレスは落ち着いており、意識して選んだものであるのだろう。
誘いの言葉に応じてもらえるのであれば、手を差し出してエスコートをしつつ喧噪より離れれば静かな夜気と星空を見上げつつ、庭園へと赴いていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 王城 夜会場」からファルスィークさんが去りました。