【イベント『王都から騎士団・冒険者等への緊急要請 「血の旅団」討伐依頼』開催中】
現在、王城の地下では「血の旅団」が占拠する城塞都市アスピダ攻略のため、大出力の魔導機械の改造や開発が研究されている。
また、魔導機械開発のための魔力を補うために、秘密裏にミレー族を王城地下に集めての魔力の吸収が行われている。魔力の吸収のためには性的な絶頂をさせるのが効率的であるとされ、そのために魔導機械に拘束されているミレー族の姿も見える。
王都マグメールの“王城”
その名の通り、王族が住む城であり、増築を繰り返しているためかなりの巨大さを誇る。
城内には王族のための謁見室や私室、浴場などが完備されている。
城外やその周辺には王族のための邸宅が庭園、様々な施設が存在する。
最も安全に思われがちだが、実際には王城内で、王位継承権をめぐる様々な争いや陰謀が起きている。
王位を狙う王族はもちろん、王位を狙っていない王族であっても、政争に巻き込まれることはあるだろう。
か弱い姫を狙って、毒牙にかけるような大臣や役人も最早珍しくはない。
罠にはめられて奴隷に落とされる王族とて存在している。
城の中とて、安全ではないのである。
地下牢や調教室など、歴代の王族の悪趣味な私設もここには存在している。

※王城やその周辺として様々なシチュエーションや施設を考えてお入りください。
 王城ですが、理由さえあればどのような身分の者でも入ることができることとします。

●フリー設定ルームです。最初に入室する人が部屋の設定を自由に設定できます。
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参加者(0):ROM(1)
Time:08:53:26 更新


ご案内:「王都マグメール 王城/大広間」からヴァンさんが去りました。 (03/19-00:49:11)
ご案内:「王都マグメール 王城/大広間」からナイトさんが去りました。 (03/19-00:48:31)
ナイト > 『はっはっは、それは恐ろしい。貴殿は噂に聞いた通りの男だな。……おお、すまん。ありがとう。
 ああ、全くだ。今後は気を付けることにしよう。無論、彼らにも言い聞かせるとも。
 ――ふふっ、あの時の貴殿の目は昔と同じ色をしていたが、今は随分と違うのだな……』

茶髪の男は仲間に支えられながら、渡された水を一気に飲み干し酒気を和らげようとする。
呂律は多少なりましにはなってきたが、足元は未だ支えがなければ立ってはいられない様子で、カウンターに寄りかかりながら片付けられていくショットグラスを見送る。
ふと、最後に呟いた言葉は、昔を名残惜しむようであり、また今の彼を正しく認識を改めたともとれる。
引き際を間違えれば徹底的に打ちのめされる。男は、そんな失敗をするような年齢ではもう無い。
では、何故無理をして勝負を挑んだか。それは、色々な柵が関係している――。

名を呼ばれ、少女は少し酒が回っている様子の彼を見て、まだ半分以上残っていたグラスを一瞥する。
少女とて、試験結果が覆るようなことになってはたまらないので、会場に長居するつもりはない。

「はーい、承知したわ。これ飲んじゃうから、ちょっと待ってて。――んー……、ぷはっ。ご馳走様」

素直に返事をして、グラスを傾け喉を鳴らしながら一息に飲み込み、その酒の強さに少し胸が熱くなったがそれ以上の変化はなく。
にこりと微笑みウエイターへ空のグラスを返して立ち上がる。
その瞬間、若人二人を除く男たちがざわついた。あり得ないものを見たかのように、あんぐりと口を開け、少女の姿をまじまじと見つめる。

「あん? 何よ? 何かついてる?」

そう男たちを一睨みするが、彼らは開いた口を今度は固く閉ざし、首を横に振る。
隣に座っていた二人にも視線を向けるが、彼らも首を横に振り、いぶかし気に男たちの様子を見て首を傾げた。

「…………まぁ、良いわ。今日の夜会は中々楽しかったから、その無礼も見逃してあげる。
 待たせたわね、行きましょう」

少女は暫くの無言を挟んだ後、ゆっくりと瞬き、小さく嘆息して彼らを睨みながら歩き出す。
かつ、かつ、かつ、としっかりとした足取りで彼の方へと向かい、シグルズとそのお目付け役には「また合同訓練でね」と軽く声をかけてその場を後にする。

―――――

―――

――

狂犬と聖騎士が大広間を去った後、彼ら二人は先輩たちのしでかしたことを知ることになる。
その話を聞いて頭を抱えそうになったが、またそれと同時に先輩たちと同様、茫然ともしてしまう。

男達は少女の酒に混ぜ物を加えるよう、密かにウエイターにチップを握らせ薬を手渡していた。
そのため、色の濃い、アルコールの強い酒を選び作ることとなった。彼がそのレシピを聞いたなら、巷のレディーキラーをベースにしつつ、高級感ある仕上がりにまとまるような内容になっているだろう。
しかし、きっと彼がその酒を作っても同じ味にはならない。
あれは象を一瞬で倒すような痺れ薬と、高濃度の媚薬を混ぜた特別製だったのだから。

そんな毒を一服盛られても、ケロリとした様子で立ち去る少女の姿に男たちは驚いていた。
そして改めて思うのだ。どんなに見た目は人間に見えても、あの小娘は魔族の国から来た化け物なのだと――。
(03/19-00:42:23)
ヴァン > 茶髪が己の負けを認められる男でよかったと思う。
粗相をするようではこの剣会で今後、事あるごとに話のネタにされてしまうだろう。
武を重んじる者達は往々にして酒の強さも競いたがる。引き際を見誤る者という烙印が押される前に決着がついたのは幸運だった。

勝負が決まる前、若者たちが飲んでいるものを男は見た。
ウィスキーはワインのように樽で用意されたものがあるからそれだろう。泡立つワインは一種類しかなかった気がする。
少女が口にするものは――濃い青色からしてブルーキュラソー、柑橘系の口当たりが強いものだろう。
菓子類など甘いものが好きだという印象が強かったので、少し意外だった。とはいえ、勝負中なのでその程度の印象だった。


「人にちょっかいをかける時は、その前に相手をよく観察することだ。
子爵とのやりとりを見ていたようだが――物事は落としどころや、とりなす人物の存在が大事だ。
それらがない場合、本意ではないが徹底的にやらざるを得ない。地獄の底まで追いかけ、ツケを払わせる」

茶髪がもし続けていたならば、彼は嘔吐、気絶などに至ったかもしれない。
負けを認める、落としどころとして提示されたから男はそれを呑んだ。相手が挑戦的なら男は更に酒を勧め、無理にでも飲ませたろう。
男の預かり知らぬ所で動いている出来事を知る茶髪と金髪はどんな心情で聞いただろうか。

「……久々に、一気に飲みすぎたな。元々の予定通り、我々はこれで失礼するとしよう。
ナイト、飲み終わったなら行こう。今ならまだ馬車もスムーズに出発できるだろう」

誰に話しかけるともなく呟いた後、シグルズとそのお目付け役に対して辞去する旨を告げる。
一杯だけ、という約束は守られている。男は好きに飲んだだけだ。
少女に対して声をかけるのは、長居するつもりはないという意思表示か。言外に早く飲干せと言っているあたり、デリカシーがない。
その間にウェイターにレシピを聞く。少女好みの味なら、次飲む時に酒を勧めるいい道標となるだろうという考え。

男の顔は全体的に赤みが増している他はいつも通りだ。
何事もなければ大広間を出て廊下を進み、男が手配した馬車に乗り込むことになるだろう。
(03/19-00:04:15)
ナイト > 浅はかなのは生まれ持っての性質か。酒だけが原因ではないだろう。
金髪の男はつまらなさそうな顔をして、未だ反骨精神旺盛に彼を見ていたが、それを茶髪の男が許さず話をかっさらってしまう。

これぞ正しい大人の在り方。と示す男の忠告に三人は耳を傾け、まるで学生が課外授業でも受けている一場面にも見えてくる。
少女と次男坊は声を合わせて「はーい」と返事をし、黒髪の騎士は困り顔で苦笑した。

勝負が始まってすぐ、彼の提案でカウンターにはショットグラスがずらりと並べられた。
それぞれ十杯ずつが並べられ、これらが空になる前にギブアップをすれば、それはそれは情けない。所謂、ダサイ男になってしまう。
『これは負けられないな』と、男は独り言のように呟いて、軽々二杯目を空にした彼に続いてグラスを手に取る。
二杯目、三杯目と続く内、最初は男に後れを取らずに続いたのだが、空のグラスが増えるにつれて、そのペースも落ちていく。
グラスに手を伸ばすのが遅れるたびに、待ってますよと隣で煽りグラスを揺らす姿に食いつくようにして、次のグラスをひっつかみ、飲み干す。煽る。空にする。


――勝負が盛り上がるその陰で、少女らの注文を受けたウエイターを金髪の男がこっそりと呼び止めた。また酒でも注文しているのか、二言三言会話を交わし、何かを握らせ帰らせる。
目の届かぬところで男たちが悪だくみをし、愉し気な笑みを浮かべる中、二人の男のプライドをかけた飲み比べ勝負は続く。

「どーも。このカクテル、名前はあるの? え、私の名前をつけるの?
 ……なんかちょっと恥ずかしいけど、まぁ、悪くないわね。いただくわ、ありがとう」

やがてテーブルに各々の酒が届く。次男坊がウイスキー、黒髪の騎士がシャンパン、少女はオススメのカクテルを注文していた。
出来上がったのは、夜空のような深い青色の中に金箔が星のように散りばめられたカクテル。少女のドレスからイメージして作られたものだそうで、そんな歌い文句に密かに喜んだ少女は照れくさそうにしながらグラスを受け取る。
味は見た目より甘ったるくてあまり好みではなかったが、飲めなくはない味だった。
その一杯をのんびりと飲みながら、勝負の行く末を見守ること暫く……。

相手が一人では物足りないのか、彼は金髪の男にも勝負の誘いをかけてくる。
既に頬に赤みが差してきている金髪が勝負に加わったところで、結果は見えているのだが……。
他の取り巻きたちは顔を引きつらせて、お前が行けよ、いやお前がと生贄を選ぶ始末。

そうして、誰かが助け舟を出す前に決着はついた。
勝者は言わずもがな、涼しい顔で立ち続ける彼であり、敗者である茶髪の男はカウンターに寄りかかりながら、ずるずるとその場に崩れ落ちて膝をつく。
ここでバトンタッチと後に続く馬鹿がどこにいようか。
これぞ悪い酒の飲み方としか言いようのない情けなさに、男の仲間たちは大人しくなってしまい、取り巻きから二人が男の傍に寄り『大丈夫か?』と声をかけ、肩を貸して立ち上がらせようと腕を取る。

『と、とと……らいろうぶ(大丈夫)だ。立てる、一人で立てるかぁ、ぁぁ……っ。
 ――おぉ、すまない。はぁ……。聖騎士殿、いやはや……酒もお強いとは、うっぷ……。失礼……。
 他の者は残念ながら、私より酒は強くない……。相手にもならないだろうなぁ。いやぁ、参った。私の負けだ』

呂律が回らず、視線も定まらず、眠たげに瞼を半分降ろした顔は泥酔の証拠。
取り巻きが慌てて椅子を寄せて男を座らせ、カウンターに水を一杯注文する。これ以上やる気は無いらしい。
茶髪の男は虚ろな目で金髪の男と目配せをし合い、頷きが返ると小さく嗤った。
(03/18-23:25:21)
ヴァン > 手にしたものが何か、金髪はわかっていなかったのだろう。
柄まで刃の諸刃の剣だ。男がなぜそう呼ばれ、そして今公の場では呼ばれなくなったのか。使い方も知らずに振るうのは危険だ。
興味がないとはいえ、男に関することで軽率に彼等が破滅することを無視するほど男も冷血ではない。
危ういことをする子供がどこの子であっても、良識のある大人なら叱る。そのようなものだ。

「大丈夫だよ。若者たち、よく覚えておきたまえ。酒というのは自分のペースで飲むものだ。
他人には無理強いをさせないこと。いいね?」

茶髪の言葉をほぼ無視しつつも、どうやら飲み比べは社交辞令のような「いつか」ではなく、「今」やるようだと気付いた。
三者三様の若者たちに心配するなとばかりに手をひらひらさせて応じる。
ハンデという声も気にすることなく、二杯目に手を伸ばす。
男が飲むジンも、茶髪が口にするブランデーも酒精の強さは大差ない。
軽く掲げてみせる茶髪のパフォーマンスに目を細め、男は二杯目を飲み干した後はグラス逆さにしてアピールしてみせる。

「まどろっこしいな……あぁ、バーテンダーの君。しばらく我々二人は同じものばかり飲むから、それぞれ十ほど用意してくれ。
空にしたと思ったら次がない、では観客(ギャラリー)の彼等が興醒めしてしまう。面倒なことを頼んですまないね」

二杯目を飲み干した後、時間がかかると踏んだのかそんなことを使用人に伝えると、三杯目からはスムーズに火酒が供される。
口ぶりからして、こういった勝負にも男は慣れているのだろう。
ショットグラスを呷り、五秒かからずに飲み干して次のグラスに手を伸ばす。
茶髪の準備が遅いようなら手首を捻ってグラス内の液体に小さな波をたたせ、まだかまだかと煽る。

十杯近くなって男の頬に赤みが差しているが、立ち居振る舞いは変わらない。飲んでは空のグラスを丁寧にカウンターに返し、次をとる。
水車小屋の内部のように機械的に同じ動きを繰り返す。今の所、男の方にはそれを止める理由は見当たらない。
盃を空にする作業――そう、作業を繰り返しながら、空いた時間で男は語りだした。

「三年くらい前までは、素面でいる時間の方が少なかったんだ。酔えればなんでもよかった。
さっきハンデと言ったが――おい。二人がかりでも構わんぞ?」

言いながら金髪へと視線を向ける。だいぶ酒が入っているようだったが、ブランデーを飲める程度には酒に強いようだ。
他に助太刀する者がいてもいい、それくらいの表情で他の四人をも眺める。彼等をいつまでも観客席にいさせるつもりもない。

とはいえ、男が語ったこと以外にもからくりはあった。
少女だけは知っている。男はこの会場に入ってから多少食事を摂っていたが、酒は白ワイン一杯しか飲んでいないのだ。
ほぼ素面の人間と、夜会の社交の輪に入り既にたらふく飲んでいる人間。しかも男は自分のペースで飲んでいる。
実力とハッタリ、そして状況を活かす手管。

男はまだまだ飲めるようだ。茶髪がギブアップするか周囲が助け舟を出さなければ黙々と続けていく。
(03/18-22:58:41)
ナイト > この次男坊も教育中だというのは強ち間違いではない。この通り、目付け(フォロー)役が居なければ問題を起こしかねないと家や騎士団から思われているのだ。黒髪の騎士は、碧眼と目が合うと肩身の狭い思いで、申し訳なさそうに苦笑し頭を下げるのだった。

金髪の男は酒で気も大きくなっているのだろう。
あの子爵が本人の前で言えなかったヴァルキリーの名を言ってやったと得意げな顔をしていたが、それが彼の地雷であると知っておきながら、いざ目の前で爆発の予感を感じ取れば臆して口を閉じてしまう。小物だ。
周りでにやついていた他の取り巻きも、先王のことを持ち出す冷たい声に思わず怯み、眼を逸らす者、酒を煽る者。
それらよりは幾分ましな言動をする茶髪の男も、礼儀を重んじ貴族らしい振る舞いが出来ているかと言われれば、否だろう。

『ほほう、なるほど。これは手厳しい。我が友も良い教材にされてしまったなぁ。
 こらこら、突っかかるような真似だけはするなよ? ん。敵は取ってやるから、まぁ見てろ』

彼の言葉に言い返そうとするのを宥めつつ、前半は彼へ、後半は金髪へと告げる。
煽っているつもりなのだろうが、この程度で彼はムキにならないだろう。
現に、少女たちに向けて余裕の表情で声をかけ、さっさと自分の――勝負用の酒を頼みだす。

「ええ、そうさせてもらいます。情けないところは見せないでね、聖騎士様」

少女らは一度顔を見合わせ、カウンターの後ろにある丸テーブルに腰かけながら、勝負を見守ることにした。
注文を取りに来たウエイターには、各々シャンパンや、ウイスキー、カクテルなどを注文する。
面白いものが見られそうだと乗り気なシグルズとは違い、少女は少し心配そうに、黒髪の騎士はハラハラとした様子であった。

『――失礼、お待たせした。おっと、もう先に飲まれてしまったか。一杯目はハンデと言うわけですな?』

暫くもしないうちに、彼の隣へ茶髪の男が来る。
カウンターに置かれたショットグラスをまるで水でも飲むかのように、何の抵抗もなく軽々と飲み干す様子を見て、笑いながら尋ねる声は笑ってはいるが嫌味っぽく。
男はグラスを手に取り、後ろで見守る後輩や同僚にもわかるよう、軽く掲げてから一杯目を煽って飲み干す。
喉を焼く高濃度のアルコールにむせることなく、一気に今で流し込み、彼の後に続いて『私もだ』とグラスを差し出し次を要求する。

男は勝負を持ちかけるだけあって酒には強かった。
一杯、二杯では顔色も変わらず、余裕の笑みを浮かべて周りにアピールしていた。
しかし、五杯、六杯と続き、十杯を超えようかと言う頃には、顔は真っ赤で、足元も危うい。
周りはそろそろ止めた方が良いのでは、と囁き合うが、男は『もう一杯』と注文する。
(03/18-22:08:43)
ヴァン > 感情は飲み込み、行為で示す。それで十分だ。
他人事のように呟く青年を一瞥してから、お付きの黒髪へと視線を移す。少女ほどではないが彼も教育が必要な段階だ。
青年の声色から、上下関係と少女と知り合いであるという二点で白羽の矢が立ったのだとわかる。

六人に見覚えはない。社交界を主戦場とはしない男だが、有力・有望な貴族家に連なる者の顔と名前ぐらいは記憶している。
距離の近さからすると、元々彼等六人はそれなりに親しい間柄なのだろう。次男殿は体よくパシらされた訳だ。
面と向かって呼ばれると、女男爵の時のように不機嫌そうな表情になった。だが、続く言葉はその時よりも苛烈だ。
長い溜息をつくと共に、冬の朝のように冷たい声で抑揚なく告げる。

「その名で呼ぶな。貴様ら、先王の決定を愚弄するのか?」

男が今“そう”呼ばれていない理由に亡き王が関わっている。男の背中をみる少女にもそれはわかるだろう。
少人数ならば忠告で済む。うやむやにできる。大人数では無理だ。不用意な言葉は狩られ、彼等自身の首を絞める。
その縄を持つのは男ではない。周囲でその言葉を聞いた者達だ。酒が入っているとはいえ不用意すぎる発言だ。
短く警句を発した後、口調はいつものものに戻った。

「未来のある若者に道を示すのも悪くないものだ。そう、飲み方を教えに来た。
『飲むのなら自尊心を持って飲みたまえ』ってね。飲む前から悪い例を見れて、さっそく勉強になっていると思う」

カウンターへと向かいながら使用人の背後にある酒瓶を眺める。夜会だけあって良い品が揃っている。
カクテル用の割り物も揃っているようだ。彼等が友好的ではないことも把握できた。それならば――。

「昔に比べて弱くなった。ナイト、それに君達も飲むといい。
――マティーニをベルモット抜き、ショットグラス、ダブルで頼む。銘柄は『サファイア』を」

飲み比べをしたい、という茶髪には謙遜した言葉で返す。挑戦されたなら断りはしない。
顔だけ向けて背後の若者たちに告げた後、バーテンダーの使用人にオーダーを通す。

ジン――ジュニパーベリーを使った火酒は薬用とされ高級品だった時代があったものの、今は大衆が好む安酒となっている。
いやしくも貴族たる者が口にする酒ではない。少なくとも、同じ階級がいる場では。男は騎士達をそう見做していない、ともとれる。
しかし、不快感を示したならば男の罠に嵌まることになる。ラインメタルは黒ビールやシードルと同じくらいジンが愛飲される土地だ。
故郷に親しむことにケチをつけるのか、と絡まれかねない。

小さなグラスに注がれたジンそのものがカウンターに出されると、男は指先で軽く摘まむ。
手が持ち上がり、無色透明の液体は吸い込まれるように男の口に消えていった。
少女か、青年か、騎士達か。もしかしたら誰か乾杯をしようと考えていた者がいたかもしれない。
そんな空気を嗅ぎとったならば、男は静かにバーテンダーに告げるだろう。「もう一杯(ワンモア)」と。
(03/18-21:34:22)
ナイト > 彼から注意を受けると、少女は一瞬キョトンとした顔になったが、周りの視線を伺い見て考えを改める。

「……失礼しました。以後気を付けます」

口では素直に謝ったがその表情は不満ですと言わんばかりの顰めっ面であった。
そのやり取りを見ていたシグルズはまた珍しいものを見たと目を丸め、『躾中って本当なんだな……』と呟いていた。
これは躾ではなく指導である。人を犬猫のように言うシグルズを一睨みすると、全く悪びれた様子のない顔をするので、今度の訓練ではいつも以上にきつく扱いてやろうと思うのだった。

『それはあっちの先輩方に直接言ってくれ。……と言いたいところだが、穏便にしてもらえると助かる。
 俺も夜会で悪い噂が立つようなことは避けたいからな』

彼の返答に、あまり乗り気ではないと誰もが察する。
先程のひと悶着を何とか丸く収められ、これなら試験も無事終えられると安堵していたのに、神様はまだ一つ試練をお与えになるらしい。
シグルズの返答の後、男を先頭にして三人も後ろをついてバーカウンターへと向かった。

四人を出迎えたのは六人の騎士だった。その中心にいる人物は二人。
派手な金髪をオールバックにした青服の騎士と、長い茶髪の髪を後ろでひとまとめにした黒服の騎士。
どちらも年代は彼と同じか、少し上くらいで、貴族としての位もシグルズと同じ子爵家、或いはそれより上だろう。
彼らはあくまで自分たちだけで楽しく談笑をしている席に四人が加わったとしたいらしい。その為に後輩達に圧を掛けて促したのだ。

カウンター席とその背後にあるテーブル席に座っていた男たちの視線が一斉に四人――主に先頭にいた聖騎士へと向けられる。

『やぁ、これはこれは。噂のヴァルキリー殿ではないか。若者たちを連れて凱旋気分かい?
 噂じゃ、最近は若人に色々教えてやってるとか。次は酒の飲み方でも教えてやるのか?』

『おいおい、酒が回ってきたんじゃないか? そう絡むなよ。
 さっきの子爵殿のように脅されて、せっかくの夜会を台無しにされるかもしれないぞ。
 ――申し訳ない聖騎士殿、ちゃんと言い聞かせておくので、酒の席と大目に見てやってくれ』

カウンター席で、ブランデーのグラスを片手に声をかけてきたのは金髪の方。
それをわざとらしく宥めて止めるのが茶髪の方。にやつく彼らの顔を見れば、その謝罪も口先だけのものだと誰でもわかる。
彼が酒を注文する前に、茶髪の男が先に口を開く。

『聖騎士殿は酒の方も強いのかい? 強いなら、それは是非に一度手合わせしてみたいものだ。
 剣では勝てずとも、酒の方なら私のようなものでも勝てるかもしれない。なんて、はっはっは……』

そう言うと茶髪の男は席を立ち上がる。座っていたので気付かなかったが、男はひょろりとした体系ながら背は非常に高く、190cmに届きそうな長身だった。
それを見上げる少女は、首の角度を保つのが億劫になって、すぐに視線を外し隣のシグルズ達を見る。
彼らは何とも言えない表情で先輩騎士たちの様子を見守り、緊張しているようだった。
(03/18-20:45:24)
ヴァン > 少女と次男坊のやり取りを眺めながら、自分と少女のそれも第三者から見たらこんな風なのだろうかという考えが頭をよぎる。
若者同士のそれよりは多少ウィットに富んでいる自負があるが、世間の評価は自分が思うよりは厳しいものだ。

「ナイト。師団内では気の置けない間柄かもしれないが……」

本人は爵位を持たないだろうとはいえ、シグルズは貴族だ。腹に据えかねる態度でも丁寧語くらいの敬語は必要といえる。
剣会は武を重んじる気風ではあるが、人間社会――あるいは文明社会内の集団である。軽く苦言を呈するに留める。
相手がさほど気にしていない点が幸いではあるが、周囲がどう見るかという観点もある。

「ふむ……ふむ。別に構わないが――後悔先に立たず、という言葉は知ってるかい?」

シグルズが視線を向けた先は数人の騎士達。青年達より一回り上――つまり、男と同じ年代だ。
男が親しくしているような相手はいない。逆に、明確に敵対している相手もいない。……その筈だ。
彼等がどういう意図で呼んだのかはわからないが、場合によっては少々かましてやるのも悪くない。
お誂え向きに、彼等のすぐ近くにバーカウンターがある。広間内のどこでも手に入るワイン以外を飲みたかったところだ。
少女もその程度なら問題ないとの反応ならば、青年二人の顔を立ててやるのもいいだろう。

やや剣呑な返答をしつつも、要請に応じて男は騎士達の方へと歩き出す。
何か用があるなら本人が出向いてくるのが筋だ。動けないほど酒を飲んで足腰が立たぬ訳でもないだろう。
先程男を呼んだ“侯爵”は、能力や思想はさておいて爵位は明確に格上――辺境伯たる父親と伍する相手だ。
年齢差も考えると男が向かうことに違和感はなかった。だが、彼等は――。

十数秒もしないうちに、若者三人を伴って男は呼びつけた相手達の前に立った。彼等を値踏みするように見つめる。
彼等からどんな言葉が吐き出されるかによって、バーカウンター近くにいる使用人に注文する酒を変えるとしよう。
(03/18-19:58:32)
ご案内:「王都マグメール 王城/大広間」にナイトさんが現れました。 (03/18-19:57:50)
ご案内:「王都マグメール 王城/大広間」にヴァンさんが現れました。 (03/18-19:50:49)
ご案内:「王都マグメール 王城/大広間」からナイトさんが去りました。 (03/17-00:44:36)
ご案内:「王都マグメール 王城/大広間」からヴァンさんが去りました。 (03/17-00:43:15)
ナイト > 【次回継続】 (03/17-00:43:09)