2025/10/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にオドグさんが現れました。
オドグ > 「ぬぅ……ぬうぅ?」

 王城の一室。自身用に宛がわれた執務室と寝室が合わさったこじんまりとした部屋で、黒肌の肥満男は2つの帳簿を突き合わせていた。部屋に一人きりなので偽装を解除し、ほぼ球体となって両側からスライム触手を生やす様は、まるで王都富裕地区で流行っては廃れる、風変わりな菓子のよう。

「数字が合わぬぞ……おのれぇっあの白豚王族めが、一切れ200ゴルドのステーキを暴食しおってからに」

自身の体型を棚にあげて毒づきつつ、ぶよんぼよんと身体を揺らして紙面を交互に見る。

オドグ > 「おおっそうか。そういうことか。よぉし。これで……と」

 数度の確認の後、本の間に挟まっていた領収書を帳簿に書き記し、証憑を別の帳面に貼り付け、泡音のようなため息をつく。罪のない娘たちを肉便器にして愉しむのも、貴族や富商を集めて酒池肉林を繰り広げるにも、ゴルドの問題は付きまとう。
 一仕事終えてにんまり笑った魔族の密偵は、人間型に戻ってドアを開け、魔法の灯りが照らす薄暗い廊下に目をやる。

「溜まった仕事が終わると……くくっ! 溜まってくるものだ。さあて誰ぞおらぬものかな」

 いかにも陰険で好色そうな細い目を更に細め、通りがかる人々を物色する。オドグの形振り構わぬ漁色は有名である。貴族に強く出られないメイドは勿論、様々な事情を抱えた貴婦人、果ては女騎士さえも、オドグの部屋に独りで入っていくのを見た、という噂さえ立っているのだ。

オドグ > 「むっ。そうか。精勤、感心であるな」


 さる王族の名前を出したメイドに不満顔で頷いた後、男はドアを閉めた。いつもいつも相手と出会える日ばかりではない。

「よし。寝るか」

 黒肌の肥満男はうむ、と頷いた後、部屋の灯りを消した。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からオドグさんが去りました。