2025/07/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 テラス」にベアトリスさんが現れました。
■ベアトリス > もはや初夏の様相を通り過ぎ、夏といっていい陽射しを遮る屋根の下。
庭園を臨むテラスの一席に腰を預けていた。
癖のない深い碧髪を編み込み、整えて背に流し。
黒を基調とした堅い印象を与える官服に袖を通した女。
背筋を伸ばし、時折通る温い風に毛先を遊ばせて、一時の休息をその場で味わっているよう。
昼食を終え、食後のお茶の時間。
その後は午後の職務に戻るか──あるいは別の知らせが来て予定が書き換えられることになるのかはまだ定まっていない。
何もなければ、午後からもまた己の執務室で書面と向き合うことになるのが、日ごろのルーティンではあった。
ご案内:「王都マグメール 王城 テラス」にファルスィークさんが現れました。
■ファルスィーク > 石床に印影がはっきりと刻まれる日差しは、夏特有のものである。
救いと言えば心地いい風が吹いている事と、時折流れてくる雲が日差しを遮り、一時的な避暑を提供してくれる事か。
そして、この季節のこの時間帯ともなれば、暑さから逃れるために人気は少なくもあるようだ。
王都を一望できる眺めの良さを堪能してはいたが、外套のフードを被っていても日差しのきつさにはどうしても目を細めてしまい……溜息を一つ零した後、リュートを抱えたまま一旦影を求めて歩み向かうのはテラスの方。
そこでようやく気付いた先客の姿。
屋根の下へとたどり着けば、フードを上げて軽く目礼を向けた。
「久方振りだが、壮健なようで何よりだ。
職務に追われているのは相変わらずなようだが、だからこその息抜きは重要ではあるか。
では、その休息を程良いものにしなければ…だな」
ゆるりとした口調で言葉を向けると同時に、女性の周囲へ目線を送りつつ外套より右手を出して軽く鳴らす指。
その後に、女性の周囲の空気は涼しい位の気温へと変化していく事になる。
そして、同席しても良いだろうかとの声かけ。
許可が出るならば、椅子を引いて腰掛けるのだが。
■ベアトリス > 女にしては珍しいことに、あるいはその暑気の中にあっては自然なことだったのかもしれないが、少し襟元を緩めていた。
勿論執務室に戻るころにはきちんと身繕いは整えるつもりだったのだろうが。
「─────あ」
そうやって気を抜いていると誰かの訪れを告げる足音。
かけられた声音に、軽く腰を浮かしかけたのは、彼がどんな立場であるかを認識しているからだ。
同時に、そう言った格式を好まないこともまた知っている。
どちらの立場で接するかを悩んだ末の中途半端な挙措は、普段の女らしくはないが、気候と場所に不釣り合いな涼やかさに包まれると薫衣の双眸を柔らかく細めることになった。
同席を求める言葉に頷き、己もまた席に身を戻せば。
「ファルスィーク様もお変わりはないようで。
今日は……、サロンからの避難でしょうか」
彼が手にしたリュートへと視線を向け。
以前もそうして喧騒から逃れるように人の少ないテラスへと足を向けていたことを思い出しての言葉を返し。
■ファルスィーク > 普段から着衣の乱れなどなく、姿勢を正している女性の姿ばかりを目にしている為に緩めている襟元は珍しくもあるが、この気温ではそれも当然の事ではあるが――それだけで涼を得るのは難しかろう…と半ば感心はしていた。
故に……これくらいはと、女性に施した術で多少は心地よくはなる筈。
己の外套の下にも施している術でもあり――そうでなくては、夏の炎天下に外套など纏って歩けるはずもない。
腰を浮かしかけたのを見れば緩く首を横へと振りながら、そのままでいいと目礼に続いて目線で伝え、許可が出るのならば椅子に腰を下ろしていった。
「私の方は相変わらず好き勝手にさせてもらっている。
ご婦人方が増えてきたので逃げてきた」
冷却魔術をきかせている事もあり、午後の一時という事もあってテラスよりは人が増える傾向にあるのも、この季節ならではの弊害か。
リュートへと視線が向けられれば、軽く即興で一曲を奏でながら……。
「まだ時間があるようならば、少し付き合って頂けるだろうか」
そんな誘いの言葉を向けてみる事に。
誘う先は、この時間ではまだ利用する者のいないだろう小ホール。
一曲を奏で終われば席を立ち、ゆるりと会釈をしつつ手を差し伸べてみる。
己の上に手が置かれるならば、その手を取りつつエスコートするように共に歩き始める事になる。
■ベアトリス > あまり魔術の素養がない女にとって、そう言った生活を楽にするような運用法すらあまり思いつかないし。そういった魔道具があったとしてもそれらは気軽に手を出せるようなものではないという認識だった。
そのため、涼しさに思わず弛んだ表情を浮かべてしまったのを、引き締め直して。
「相変わらずですね、ファルスィーク様らしい」
彼の容色や、立ち居振る舞いは女性を惹きつける。
それがわかっているからこその言葉を返し、即興の一極に耳を傾けたのち。
誘いの言葉に静かに首肯を返した。
何処に向かうのか──は分からないが差し伸べられた手に掌を重ね。
行き先が小ホールだと聞かされたなら素直に首をかしげただろうが、ともに歩いていったことだろう。
ご案内:「王都マグメール 王城 テラス」からベアトリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 テラス」からファルスィークさんが去りました。