2025/07/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」にベアトリスさんが現れました。
■ベアトリス > 王城に設えられている政務官向けの執務室。さほど広くはないが、一室与えられているその中で、先だって行われた会議の議事録を纏めていた。
上質な紙の上を滑るペン先の音が静かに響く。
こうして記録に残された後は、書記室の上司の確認を経たのちに正式に議事録として資料室に収められる。
事実を事実として残すだけではあるのだが───。綴りの一つを間違えるだけでも公文書として意味をなさなくなる以上慎重になるのは致し方ない。
この膨大な量を書き直しするのは己とて遠慮したいところだ。
時折辞書や、草稿を確認し、間違いがないことを確かめてからペンを走らせる。
どれくらいそうしていたのかは、窓にかかる陽射しが傾くことで知らせてくれる。
ペン立てに一度ペンを戻すと、力の入りすぎていた肩から力を抜くように背もたれに身を預けた。
「────春先ほどではないけれど。物資輸送の許可申請が多いですね…」
行き先はタナールか、アスピダか。あるいは他の災害による救援要請。
草稿の書類を手に、その数字を眺めながら静かに眉宇を顰め。
必要なところに必要なだけ行き渡るように、滞りなく手続きが進めばいいのだが、と小さく呟く。結局のところ、王宮内の権謀術数に巻き込まれて割を食うのはこうした現場になるのは目に見えた話。
己にできるのは、公文書としてそれらを記録に残し、そして滞りなくこれらの書類が上に奏上されるよう体裁を整えることだけだ。
■ベアトリス > 書類を手放し────改めてペンを執るのではなく、傍らのティーカップを手に取った。
大分時間がたって温くなっているそれに唇を寄せ、一口。
香りも、熱も失せてはいるものの、喉を潤すにはちょうどいい。
まだ少し業務は続くし、と一息いれて。
日の傾いた窓辺に視線を向ける。今日の帰りは何時ごろになるだろうかとぼんやり考える。結局手元の書類が終わるまでは執務室を出ることはないのだろうが。
■ベアトリス > 暫くして、再びペンを走らせる音が響きだす。
それが止むのは──月が昇ってしばらくしたころ。
ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」からベアトリスさんが去りました。