2025/06/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 深夜の王城」にエリザベートさんが現れました。
エリザベート >  
「やっとるやっとる」

夜もとっぷりと更けた時刻。
王城の地下に伸びる階段をおりた先、いくつか地下室のある廊下を歩むは城に住まう白の魔女。
現存する魔法で使えぬものはない、と豪語する魔法使いであったが今は一線を退き、悠々自適に生きている楽隠居である。
豊かに実った…というにもふくよかな肢体を白の装いに纏う姿が宇久ぐらい地下室によく目立つ。

そんな女がこんな時間にこんな場所で何をしているのかと言うと…。

大仰な鉄扉の前で女は立ち止まり、耳を澄ます。
──聞こえるのは男達の声と…悲鳴にも似た、嬌声。

聞き覚えのあるその声を耳にすれば、白魔女の眉根に皺が寄る。

私利私欲に囚われ王国の王女である姫の一人を籠絡し、手慰みにしているという噂のある王国貴族の一門。
あくまで噂であるならば善かったが──。
その聞こえてくる悲哀の混じった女の声は、この白魔女が魔術顧問としての教え子の一人だった。

「──さぁて。どう懲らしめてやろうか」

現場を押さえれば言い訳ができまい。
今後の王城での立場も含め、文字通りの詰みとなる。
…無論こんなことは氷山の一角であろうが──自身に関わる娘に手を出したのが運の尽き…というものだ。

エリザベート >  
「──まぁ、正面突破とゆくか♪」

あれこれ考える時間も勿体ない。
悪党にかける情もなし、と鉄扉に白魚のような手をかける。
無論施錠されている。
こういった輩こそ警戒心が強いものである。───が。

「そのような幼稚な鍵が妾に通用すると思うなよ…?」

不敵な笑みを浮かべ指先が陣を描けば、音もなく錠が落ち、鉄扉が開く。

「さて、邪魔するぞ。覚悟は良いな?お主ら──」

王女を籠絡し肉欲の贄とする肥え太った悪徳の臣。
彼らは突然の闖入者に動揺、その目を見開いていた───事が公に出た彼らの顛末は──言うまでもない。

ご案内:「王都マグメール 深夜の王城」からエリザベートさんが去りました。