2025/06/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にゼランさんが現れました。
■ゼラン > 王城の中庭に面したサロン。貴族の男女が愉し気な、あるいは後ろ暗そうな話に興じる中、黒髪、緑目のいかにも貴公子然とした――そして、「いかにも」が芝居がかっているほど露骨な――男が、庭に植わった異国の大樹の陰の下、椅子の背もたれに上半身を委ね、ティーカップを手に寛いでいた。
目の前のテーブルには古書、地図、写真が並んでおり、その隣には書きかけの文書。自称学者として、男は最近の調査結果を反映させた論文を構想しているのだった。
「ふむ……発表する会を考えるならば、やはり……」
口元に笑みをたたえながら、メモ帳代わりの使い古した紙へ筆を走らせる。貴族である男の研究活動はあくまで余興である。知識知見を競い合う学究の徒とは違う。なので、内容は面白さ優先。聴衆の好奇心を煽り、あわよくば調査費用の援助を求めるためのパフォーマンスが肝要。
そんなことを考えながら、ゾス村北部で撮影した薬草の群生地の写真を手に取る。
■ゼラン > 「先方にお伺いでも立てましょうか……それとなく」
自分一人で考えを巡らせるのも限界がある。私物を手早くまとめ上げた男は、近くの人々やメイドに愛想よく会釈した後、サロンを後にした。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からゼランさんが去りました。