2026/01/31 のログ
レディ・レッド >  
 月明りが濃い 中の談笑や奏でる音とは違い静寂
 まばらに見えるのは、酒の火照りを冷ます者 一人の時間が恋しくなった者
 そして同じように煙が欲しくなった者だろうか。


   「さて、どれくらいで迎えに来るかな。」


 カツンと置かれるテラス縁の杯
 ピラミデ型の吸い口の先が細まるコロナサイズのそれ
 美しい肌を思わせる焦げ蒸すような色味の葉巻が金属筒から取り出される。
 先端をバチンと切り落とされるギロチンのようなシガーカッター
 やや長い鬼歯と鬼歯の内側の角に葉巻を固定するように挟み込んでしまえば、長い燐寸
 それが適当な壁面へと擦りつけられ、一瞬激しく燃え広がってから落ち着いた火種
 横向きにした柄まで広がって火が大きくなったところで、先端の部位を包むように火が焦がす。

 甘い煙と白く濃いそれ。
 舌先を辛くするような刺激は肺に納めず口の中に転がすから余計に辛みが残る。


   「―――ふぅぅぅぅぅ…、…。」


 ドラキュリーナにとって、薔薇の花 血 溶かしたチョコレート 酒精
 それ以外で唯一口にするだろう煙の味。
 磨かれたような白い牙の内側で、煙を愛でるように吹くようにではなく柔らかく押し出すように。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 どこかの夜会」からレディ・レッドさんが去りました。