2026/03/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 食事場の一つ」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 王都マグメールの午後
 まだ日が落ちず、風の強い日
 外は生温い空気が出始めたかと思えば、その風のせいでまた昼も夜も冷気が漂っている。

 風が強いせいか、外を出歩く富裕層は少ない。
 馬車などで囲いされたもので運ばれ、店前で下ろされて中へと入っていくものばかりだろう。
 おかげで人の気が少なくて好い、とメイラは一人気儘にこの肉の店で寛いでいた。


   「―――(あぐっ んぐ もに、もにゅ)


 コースや一品料理を提供するような品のある場所ではない
 ただ漬け肉を大量に提供し、好きに焼かせて喰らうタイプの店故に富裕層に店を構えることになる。
 客層は男性客とテーブルマナーを雑にしてきた人種が主。
 じゅうう、じゅうう、と髪や衣に煙と匂いが付くのも構わず、皿で出されたそれを炭火を転がした網の上
 ひたすらに注いで適当に広げ、端が焦げるくらいまで縮めて焼く。

 一枚ずつ綺麗に広げて焼くような、格式高い形ではない 精々が生と焦げの極端さが出なければいいというくらい。
 提供されている箸は水浴び場もある以上珍しくはなく、甘いタレ皿に掴んだ薄い漬け肉をまとめて4,5枚掴み上げ
 がもっと頬張る素振り ギザ歯とそれなりに大きな口だからできる行為だろう。
 エプロンを身に透け、膝元にはナプキンを備え、肘も突けずに背筋は伸びている。
 食らう首から上だけが静々と口に運ぶ御令嬢方とは程遠かった。

 アスピダで大暴れしてからの王都故か
 皿はすぐに空くし重なっていく。
 時折開ける水に浸かったボトルの白桃ワインとゴワゴワと泡の強いエールは数度は空にしている。

 

メイラ・ダンタリオ >  
 食べている肉は極端で バラ肉(カルビ) 横隔膜肉(ハラミ) 舌肉(タン)
 内臓系よりもそれこそ大量に削げる部位から割と希少な部位まで 肉という肉を喰らっている。
 今の時代家畜などは王族レベル これは狩猟や討伐で手に入れた統一性のない赤身肉ながら
 漬けと柔らかく潰したことで大差もない。

 それを一枚一枚丁寧に焼かず、ドサリと網にのせて焼き焦がしてまとめて口に数度運ぶ
 とにかく消費が大きい食べ方だ。
 質より量 量より質 ではなくほどほどの質と余程の量だ。


   「―――(ぐびっ ぐびっ) ふはぁ…っ。」


 添え物に出てくる銀シャリは穀物類を焚いた炭水化物ながら水浴び場からの流し品
 野菜に分類する者も多いものの、メイラからしてみれば脂が重なった口の中を薄めるための態のいいもの。
 野菜を一切挟まない食事は見るからに肥えそうなものの、痛め続けた腕を、足を、腹筋を
 体と言う体が肉を繋ぎ直して強靭にしていくための材料とするかのようで、飲み干した酒は血の速度を上げて
 失った血がまるで元通りになっていくような野性味を持つ。
 恥ずかしげもなく大量の肉を消費する一人焼肉擬きを堪能するそれは堂々としたものだった。
 周囲は、怪力令嬢が一人でもりもりと肉を食べている光景を遠巻き。
 近寄りごまを擦る必要もない無領地の武貴族相手だ。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 食事場の一つ」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。