2025/11/20 のログ
ご案内:「富裕地区 劇場」にルーベルさんが現れました。
■ルーベル > 富裕地区にいくつも存在する劇場のひとつ。
表通りから意図的に離れた場所に構えられたそこは、ホールに入ると照明が落とされて薄暗く。
個別に区切られた席ごとに、その場所の音が近くの席に聞こえないように魔導具で細工されている。
外からの音は聞こえるようにしてあって、観劇には影響を及ぼさない仕様。
余人のことを気にせず、静かにでも、連れ合いと会話を交えながらでも、自分らの好き好きに楽しめる。
本来はそのような意図なのかもしれないが、その劇場ではその魔導具の造りを逆手にとっていた。
舞台上で繰り広げられる演劇はひどく卑猥で淫靡な内容のもの。
ホール内を煽情的な格好をしたスタッフが歩き、飲食物と共に、自分自身を供している。
観劇席では客たちが連れ合いと、あるいはスタッフと、淫らな劇を眺めながらに『自分らの好き好きに』愉しんでいた。
魔導具で抑え込みきれないのか、故意にか、席外でのものか。時折淫らな声色も漏れ聞こえていて。
その日、知己に誘われてそこへ訪れていた魔導師貴族は劇を眺めながら上等なソファ席に深く腰掛ける。
自分も知己の者もそれぞれ傍に観劇の供を連れて。
「艶劇の場合は、役者同士は割り切って絡んでおるのか…愉しんで絡んでおるのか、どちらかのぅ」
どちらかのぅ、と、男は供にと声をかける。
魔導師貴族の供は外から連れてきた男自身の連れか、それとも劇場内で宛がわれたスタッフか…。
前者であれば、どのような心境で男の傍に侍り。
後者であれば、どのような背景で劇場で己を供しているものだろうか。