2025/10/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ヴァリエール伯爵家邸宅」にヴァンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ヴァリエール伯爵家邸宅」にナイトさんが現れました。
■ヴァン > 男が滞在する際に用いられる部屋――貴賓室はホテルのような造りになっている。扉を開けると正面に通路が伸びる。傍らに風呂や手洗いへの扉、身だしなみを整えるための据え付けの鏡などがあり、通路を抜けた先に客室が広がる。
テーブルやソファ、ベッドなど過ごしやすい空間なのだが、男はその手前、細い通路に陣取っていた。
「で……伯爵殿は何て言っていた?」
扉を開けた少女へと一度視線を向けた後、壁の近くでの作業を再開した。
男の手元にある魔導具はハンガーフックからベルトでぶら下がっている。ベルトの長さを調整していたようだ。
魔導具にはスイッチとつまみがいくつかついており、そこから細い紐が伸びて男の両耳に収まっている。
「警備の際、魔導具で通信ができるようにしているだろう。これは近衛隊長から借りてきた、親機の予備だ。
これを使って、具体的に改善すべき点を洗い出すことにする」
通信魔導具は単純な構造だ。全ての子機と連絡がとれる鞄サイズの親機と、親機とだけ連絡がとれる装飾品サイズの子機。
少女も邸内にいる時は子機を身に着けているだろう。臨機応変に立ち回るには情報が必要だ。
左耳に収まっている紐を抜くと、ふっと息をふきかけてから少女に手渡した。
先端は柔らかい小さな球体になっていて、耳に詰められるようになっている。
難点があるとすれば、紐の長さの関係で男との距離が半歩ぐらいにまで近づいてしまうことか。
■ナイト > 夕食の片付けが済んだ後、言われた通り男に貸し出されている貴賓室へとやって来た。
「入るわよー」
と、慣れた様子でノックとほぼ同時に扉を開けて、何をしているのか通路で作業中の男と目が合う。
どうやら、魔道具のチェックをしているようで、男の耳はそれに陣取られている形だった。
が、此方の声は聞こえているものとして話を続ける。
「研修先にシルバーブレイド家をって言ったら、直ぐに許可してくださったわ。
『多少の無礼もアイツなら大目に見るだろうから、しっかり学んでくると良い』と太鼓判を押されたわよ。
……本当にアンタと旦那様って仲が良いのね、旦那様がいつもより上機嫌に見えたわ」
少し感心したように少女は言うが、にこやかな伯爵の真意の半分は男への仕返しが込められていたのだろう。
心配してアレやコレやと苦言を呈する友人への、ささやかな抵抗ともいう。
副音声的には『ナイトのメイド教育が如何に難儀か。せいぜい身をもって味わえ』である。
ご存じの通り、危険と知りながらも夜会の護衛に連れて行くのを断念するくらいには、これ以上の礼儀作法を教育するのは無理だ、と既に半分匙を投げてしまっている雇い主だったりするわけで。
「改善点ねぇ。アンタが教官として来てから、ココの警備もかなりマシになったと思うけど。
これ以上改善って……どうするの?」
普段持ち歩くように言われた子機は、鎧と共に部屋に置いてから来た。
手渡された端子を一瞥し、小さく息を吐き、髪を耳に掛けてから手慣れた様子ではめ込む。
視線は俯き、すぐ目の前にいる彼には向けずにキュッと唇を噛んで。
■ヴァン > 少女の返答に男の唇の端がぎこちなく歪む。
従者を伴って出席する社交の場は、主に騎士として参加する場のものだ。
“味方殺し”が伴う者となれば、注目を浴びることになる。
伯爵が軽率でも愚かでもないことは男もわかっている。それでも単独で夜会に赴いた――赴かざるを得なかった。
庶民風に率直に言うならば「教育? できるもんならやってみろ」……ということだろう。
実技・座学を通じて少女のスキル向上に寄与した点をアピールしすぎたかもしれない。
「あぁ……改善するのは警備じゃない。伯爵殿が君を護衛として伴えるようにするために、改善を検討する行動だ。
じゃあこの魔導具は何のためにここにある、ってことになるな。今から説明する」
言い方が悪かったな、と反省しつつ続ける。
今は獣の耳は出ていない。目の横にある人間の耳に端子をはめるのを眺める。
「この魔導具には隊長……というか、親機を使う者しか知らない機能がいくつかある。口外しないでほしい。
その中から今日は――簡単に言おう。これから、警備中の近衛兵が話している内容を盗み聞きする。
先程、何名かの近衛兵と君のことについて話した。今頃、『さっきこんな話をされた』って話題になっている頃だ……多分。
あと、注意。普段ナイトさんが話しているような音量ではこっちの声も向こうに伝わってしまうから、小声で話すこと」
男は説明を途中で切り上げた。原理を伝えるよりも、何をするかを理解してもらえればそれでよい。
男が懸念していることの一つに、正義感の強い少女が盗聴に対して忌避感を覚える恐れがあった。
そうなったら、まずは少女の説得から始めることになりそうだ。問題がなければ、魔導具をいじって誰かの声を拾おうとするだろう。
■ナイト > 確かに、男は教官として優秀過ぎることをこの短い期間で証明した。
目の前の少女だけに留まらず、近衛隊長は勿論、個々は然程変化は無いが兵団としての練度は確実に上がっている。
彼に対し不信感を抱いていた者達も、今では一定の信頼を男に抱いていた。
あの狂犬を手懐けた。と言う勲章が信頼を得る要因の一つになっていることは言うまでもない。
「あ、そう言うこと。ふーん……」
納得して一度大きく瞬きをしチラリと彼を見たが、やはり直ぐに視線は逸れる。
俯いて音に集中しているのか、視線と共に顔も逸れて行った。
「わかってる。悪用する奴や、情報を外に漏らすバカもいるかもしれないものね。
盗み聞き? 兵士の? 悪趣味ね……。
――って、ちょっと待ちなさい。私が持たされてるアレも、知らない内に盗聴されてたりとか……」
手短に必要なことだけを聞かされ、待って、待って、待って!と内心焦り出す。
それなりにサボったり、街のゴロツキ殴り飛ばしたり、独り言を呟いたり、秘密の時間を過ごしたり……あまり大声では言えないことも多い。
仕事中は装備してるように言われたからずっとつけてたし、休み時間も基本は近くに置いてた……。
これ、何処まで音拾うの……???
プライバシーと言う最近覚えたての言葉がグルグルと頭の中で回っていた。
「ぐぬ、ぬぅ……わかったわよ、静かにしてるから……やりなさい」
額に片手を当てて唸り声を漏らしながら、早速始めようと魔道具に手を伸ばす彼を見て。
近い距離にドギマギとしていたのも馬鹿らしくなり、大きな溜息を吐いた。
■ヴァン > 男は教えることがうまい――訳ではない。
人や物事を見て、弱い所、悪い所が強い所、良い所よりも目につきやすいのは人間の特性だが、男はその傾向が強かった。
後はその点を角が立たないように――これが難しいのだが――提示するだけ。とはいえ、それはそれでうまくいっているようだ。
「彼等の本音が聞けるってことだ。なかなかないぞ、そういう機会は。
――この機能は本来、子機の所有者が応答不能になった時に敵の数や物音といった、音声で情報収集するために用いられる。
通常より情報量が多くなるから、短い距離、具体的には子機が屋敷の敷地内にある時しか使えない。
近衛隊長だけに本来の目的を教えている。こうやって悪用することは真面目な彼には思いつかないだろうし、しないだろう」
子機を普段持たされる人間ならば疑問に思うであろうことは当然調べているのだろう。淀みない答えが返ってくる。
男の言う通り隊長は真面目で実直な性格をしている。他の兵士はいざ知らず、彼ならば安心だろう。
「さて……これから俺は君をどう呼ぶべきか。公的な場で従者にさん付けするのは違和感があるな。
ナイト君……ぐらいしか思いつかないが、何か意見や希望はあるかい?」
男はよほど親しい相手か、特定の状況下でしか呼び捨てにすることはない。
その状況は、少女が先日体験した通りだ。そういうポリシーらしい。
「本当は客間で座って聞くつもりだったんだが、ノイズが混じって聞きづらい。ここが一番クリアに聞こえる。
音が反響してしまうからこの紐を使うのと、立ったまま聞くのが難点だが――そう長い時間はかからないから、我慢してくれ」
腕を伸ばせばすぐ届く距離にいることを簡単に詫びつつ、魔導具を操作する。
いくつかの子機にアクセスするも、仕事中に雑談をしていない者が多いようで。数分ほど男は同じ動きを繰り返す。
やがて――子機の一つが、音を拾った。
■近衛兵たち > 『さっき、教官殿から狂犬について聞かれたんスよ。性格で、ここを直すと助かることがないか、って』
【……ナイトのことか? 同僚はちゃんと名前で呼べ。それで……?】
年若い少年の声に応えるように、落ち着いた男の声が返される。
窘める言葉のトーンはあまり強くない。そう呼びたくなる気持ちを理解しているのだろう。
『明日の朝、紙に書いて渡すんスけど。やっぱ喧嘩っ早い所スかね?』
【そうだな。彼女がお使い等で外に出るたびに、どこかで揉め事を起こしてやしないか不安になる】
『ナンパしてきたチンピラをぶちのめしたりしてそうスよね……』
二人の耳には、忌憚のない意見が入ってくる。
■ナイト > 「そうでしょうね、うちの兵は真面目なのが多いから、酒で羽目を外してってことも滅多にないもの。
……ったく、言いたいことがあるなら素面の時でもはっきり言えば良いのよ、そんなだから他所の兵に腰抜けだって笑われるんだわ。
――なるほど、屋敷の外まで離れれば音声は拾えないのね。良かった。
っと、その機能の使い道はわかったわ。確かに、近衛隊長なら悪用はしないでようね。
機能の機密も口外しないだろうし、私もうっかり口を滑らせないように気を付けるわ」
兵達の規律を重んじる真面目な所は評価すべき点であるが、喧嘩っ早い少女にとってはそう映るようで。
他の荒くれ者の腕自慢が多く在籍する騎士団から見れば、情けないと馬鹿にされることもある。
そう言う点を悔しく思っているようで、少女は苛立ちを隠さず口を尖らせた。
そして、男の返答を聞けば安堵してホッと大仰に胸を撫でおろし、秘密が秘密のままであることを喜んだ。
「呼び名なんて好きにすれば良いわよ。一応、ヴァンは私の上官になるんだから。
ナイト君でも、ブラックフォードでも、呼びやすいのにしなさい。
……ああ、でも“犬”とか呼んだらぶっ飛ばすから覚悟しなさいね」
キョトンと不思議そうに首を傾げた後、可笑しそうにクスクスと笑って返すが、最後には何を思い出したか空気を震わせるような低く唸るような声で呟いた。
以前この狂犬をそう呼んだ命知らずが居たのだろうか、吠えて怒りを発散するいつもとは違う、恨みに近い怒りが滲んでいる。
「……べ、別に、気にしないわよ。ノイズが入るなら、まぁ、仕方ないって言うか……うん――」
話がまた無線機の方へと戻ると、首を軽く横に振って、ポツポツと言い訳を並べ立て。
耳につけた端末に耳を傾ける。やがて聞こえてきたのは、若い兵士と覚えのある年長者の声。
後者は直ぐに誰であるか見当をつけ、柄にもなくドキドキと周囲からの評価に期待したが……。
「う、ぐ、ぬぅ……っ!」
言い返せない。ぐうの音鹿出ない……!
だって、だいたい当たってるし、否定のしようがない……!!
少女は両の拳を握り締め、ふるふると肩を震わせながら怒鳴りたい衝動を抑える。
■ヴァン > 噛みつかれるとわかっていて猛犬をからかう者はいない。
少女を軽率にからかった結果、大怪我をしたという話は十三騎士団絡みで何度か耳にした。
伯爵家の近衛兵が堅実・真面目なのか、他所が彼我の差を理解できないのか。おそらく両方だろう。
悪用はされないことを伝えると少女は安心したようだ。男も今後、この機能を使うことはないだろう。
「自分の部屋を除いては、どこで誰が見ているかわからない。指摘されて戸惑うような振る舞いはしないに限る。
呼びやすい、か。考えておこう。……犬ぅ? たちの悪い貴族が奴隷を呼ぶような言い方だな」
呼び慣れた、というと「お嬢ちゃん」だが、人前では憚られる。結局君づけが無難かとひとりごちる。
続く言葉には眉間に皺を寄せた。名前を覚えない者が外見的特徴で呼ぶのを聞いたことがあるが、あまり愉快なものではない。
――そう口にする男は、しばらく前に街の外で(挑発目的ではあるものの)雌狼呼びしたことはすっかり頭から抜け落ちている。
「君の耳ならばノイズの中からでも聞き分けられるだろうが、俺はそうはいかないからな」
視線を合わせようとしない少女を見て、聞くことに集中しているんだなとずれた考えをしつつ男も耳を澄ませる。
流れてきた声は大方予想通りであった。若い声は年上の女性の横暴に困る様子が、年長者からは少女を心配する様子が伝わってくる。
他にも言葉遣いや物腰が荒っぽいとか男勝りとか、若者が指摘しつつ年長者が同意するという流れが続く。
それを聞いた男は――ぎゅ、と歯を食いしばっている。頬の様子から、笑い転げるのを必死に堪えているようだ。
大きな声をあげて近衛兵たちに盗聴を疑われては、新しい情報も出ないし今後の警備にも支障をきたすことになる。
ふるふると震えながら、小声で少女に話す。
「いや……うん。いい同僚じゃないか。君のことをしっかり見ている。
トラブルの種に立ち向かうのではなく、回避などうまく立ち回る術を学ぶ、というのは課題だな」
『教官殿にも言いたいことはあるんスけどね……』
男の目が点になる。まさか自分に矛先が向くとは思っていなかったようで。
少女と目が合う。魔導具を見て、もう一回少女の目を見た。
■ナイト > 「戸惑うような振舞ねぇ。ふーん。
……奴隷かどうかはさておいて、確かに性質の悪い貴族が言いそうな呼び方よね」
自室以外では気を抜かない。そう言う彼である。呼び名や敬称への拘りも、そう言う点から来ているのだろうか。
いやしかし――あの決闘の場での事を思い出し、少女は顔を顰める。
照れくささから逸らしていた視線もすっかり冷めて。対峙した少女を雌狼と称したことをすっかり忘れている様子の男の顔を、しらーっとした目で見返しながら、呆れた様子で同意した。
耳の良さは人間の形のままでも健在であり、聞き分けも勿論得意な部類だ。
現金にも彼の言葉に機嫌を直し、ふふん、と鼻を鳴らす。
「コイツら……っ」
言わせておけば好き勝手に……!
今すぐ現場まで行って取っちめてやろうか、とも一瞬考えてしまう。
無線に乗って聞こえる周辺環境の音から、だいたいの場所を察しているので、向かうことは出来るが……。
今はまだ大人しくしていよう。多分駈け出したところで、力づくで彼に止められる未来が見えるから。
そんな抑止力たる男は、口を固く閉ざし僅かに震えていた。
「……ふっ。ふふふっ、ええ、ええ。本当に良い同僚だわ。明日の稽古では三倍増しで相手をしてあげなくっちゃね……っ!
あらぁ? ヴァン、そんなに力んで何を我慢してるのかしらー?
我慢は身体に毒よ? ――ん?」
沸点ギリギリ。額に青筋を浮かべて微笑んだ少女は無線の向こうの二人へ怒りを向けていた。
そして、次の獲物は目の前の不敬にも笑いを必死に堪えている様子の男へ。
半歩を詰め寄り、下から睨み鋭い犬歯を見せて笑って見せた。
しかし、そんなところで二人とも目を丸めた。
魔道具と少女を見比べる彼を見上げ、少女はにやーっと意地の悪い笑みを浮かべる。
■近衛兵たち > 『いやぁ、教官殿って愛想良いし優しそうに見えるんっすけど、無茶ぶりが過ぎるって言うか。
あの人の出す課題キツすぎなんすよね。最初の一週間とか、マジで飯食えなくなりましたもん』
【それはお前らがたるんでるから……とも言い切れんな。お前たち新兵以外からも、似たような愚痴を聞かされた】
『っすよねぇ。なんて言うか、ギリギリ越えられそうな壁だからやれちゃうのもまたね。もう今じゃあの人の笑顔が何より怖いっす』
少年は半笑いで声を震わせて言い、その背を優しく叩く音がする。
『あと、噂で教官殿ってプレイボーイだって聞いたんっすけど、あれマジな話っすか? 愛人囲ってるとか……』
【あー……教官殿のそう言う話はあまりしないように。他の奴らにも言っといてくれ】
『えぇー?』
渋り誤魔化す年長者と、まだ気になる様子の追い縋る少年の声が聞こえている。
■ヴァン > 目の前の相手が決闘の時のことを思い出しているとは露知らず。
いつの間にかしっかりと男を視界に入れるようになった少女に頷いてみせた。
男は心の底から、自分の行いに恥じることはない――そう思っているのだろう。
「……いいか、盗み聞きがばれるようなことはするなよ? 彼等だけに強くあたったら不信感を持たれるだろう。
いや……ふふ、笑い声をあげたらさすがに彼等にばれるからな。毒でも我慢、しないと……」
三割増しならぬ三倍増しという言葉に恐ろしいものを見る目つきを向けるも、笑いを堪えるような小さい声はそのまま。
半歩詰められたら少し動くだけで相手に触れてしまいそうだ。睨み上げる少女が歯を剝きだして笑うのに応えるように、にやりと笑う。
獰猛な笑みが揶揄するようなそれに変わるにつれ、男の顔が渋いものになる。
男から若者に声をかけたから、言及される可能性は確かにあった。
無茶ぶりがすぎる、という言葉に男の表情が消える。
外国語で話しかけられた幼子のように、言ってる意味がわからないと首を傾げた。
教える相手は友人に雇われている者達だ。伯爵に苦情が入ったり、逃げたりするような辛いメニューは組まなかった。
成長には現状の能力の少し上、ストレッチした目標達成が一番。できなさそうでできるラインの見極めに自信はある。
愛人云々についてはとても小さな声でいやいやいやいやと否定の言葉を紡ぎだした。
不自然なほど自然にサファイアの双眸から目を逸らした。
……話題は少女騎士から男へと移ってしまった。これ以上聞いても本来の目的を果たすことには繋がらないだろう。
このままだと少女にからかわれ続けるからではない。男はそう自己正当化して、一旦子機との接続を絶った。
「……ナイト君。俺の座学と実技、厳しい所あった?」
他人行儀な口ぶりで問いかける。少女だけ指摘する、というのはフェアではないだろう。おそらく彼女は納得しない。
ひとまずそういった声があることを受け入れ、男自身も飲み込んでから他の子機にアクセスすることにしよう。
もう一つの話題に少女が触れないように願いつつ。