2025/10/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ブティック街」にカグヤさんが現れました。
■カグヤ > 煌びやかなネオンとは程遠い、落ち着いた通りには大きな窓から零れる店内の明かりと短い間隔で設置された外灯だけでも十二分に明るい。
行き交う人々も紳士淑女の雰囲気を纏い、時折若い女性が壮年の男性に連れられて入店していく。
そんな様を横目に、女が楽しむのは自身には手の届かない物で行う目の保養。
似たような素材、似たようなドレスやアクセサリーが無いわけではない。
しかしそれは着飾り自らが楽しむ物とは程遠く、憧れに近い視線をその窓に向けていた。
「いつか──胸を張って着られる日が来るのかしら──?」
大半の存在はこの富裕地区に無縁な生活を送り朽ちてゆく。
そう考えれば高望みも良いところなのだろうけれど、マネキンに着せられたドレスや、指輪、ネックレス等、値札すらつかないそれにため息が出るばかり。
そうやって、立ち並ぶ店を一歩一歩、ゆっくりと歩みながら眺め歩く。
時折買ってもらったのだろう袋を大事そうに抱えて歩く女性の姿に、少しだけ羨ましそうな視線を、立ち止まり振り向いてしまう程に──。
■カグヤ > 程なくして、店の連なる通りの端まで辿り着く。
少しだけ夢を見た心地に浸りつつ、足は帰路へと向く。
肌寒さを感じる夜風にカーディガンを引き寄せながら──。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ブティック街」からカグヤさんが去りました。