2025/10/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 広場」にカグヤさんが現れました。
カグヤ > 本来ならば就寝している時間。しかし、目が冴えてしまい眠れずに寝間着より着替えたワンピース。流石に陽も落ち夜風は冷たい、ネイビーのカーディガンを一枚余計に羽織ってから家を出る。

夜の散歩、それそのものが危険だというのは承知の上だった。
故に少しでもその危険を除こうと足を向けた富裕地区、その隅。海の見渡せる広場へと。

石造りの壁が、気持ち安全を確保しているよう。その壁の一角にフェンスで囲まれた展望台のようにして少しせり出した場所。
そこへ置かれたベンチを過ぎてフェンスの際まで。今日は下ろしている髪を後ろに流す。時折風に攫われるそれを風に遊ばせたまま見下ろす景色はただ、夜の海の黒。

「ふふ……なんだか、吸い込まれてしまいそう。」

広場に幾つかある外灯、展望台にも一つだけあるそれが心許なくとも周囲を照らし、
少し肌寒そうにカーディガンの前を合わせながら、カシャン、とフェンスの音を鳴らしながらそれに指が絡む。
全てを飲み込む夜の海、そこへ時折立って色を浮かべる白波と、霞んで見える星空に、ただ言葉少な佇んで。

カグヤ > 身体を撫でる肌寒さすら覚える海からの夜風。浴び過ぎてしまえば髪の毛が軋んでしまうだろうかと、そんな心配がうっすらと過る。
後に流れた黒髪を一房指先に絡めては撫でつけてみるが今の所その心配はなさそうでほっと一息。

「あちらに見えるのが、九頭竜山脈だったかしら……?」

フェンスを掴みながら眺める方角を変える。闇夜にも存在感を主張する海を隔てた先に見える山、その裾野には小さな灯が幾つも広がって街の存在を示す。
そこに濃淡が浮かび上がるのは享楽の都と奴隷の街の差と言った所だろう。
眺める角度を変えた事で靡く黒髪を時折抑えながら、昼間にもう一度なんて思案を巡らせる。
流石に夜の観察、それもそれで興味深くはあったが、あまりにも情報を得るには適していなかった。