2025/09/25 のログ
■セニア > 富裕地区であるので、ほぼほぼ全ての屋敷には門番が居り、お抱えの衛兵みたいなのがぐるぐると辺りを巡回している。
故に彼女達に割り振られるのは富裕地区にもある歓楽通りや裏路地といった比較的危険度の高い所が回ってくる。
今から向かうのはそちらの方である。
余り休憩と言う名のサボりをしていても、監督役も数名、同じようにこの辺りを担当し、巡回しているのでそれを見られるわけにもいかない。
カンテラと槍を担ぎ直し、ゆっくりと歩き出す。
しん、と静まりかえった真っ黒な路地をカンテラで照らしながらゆっくりと歩く。
貧民地区などに比べれば、路地も整理されており見通しもいいとはいえ明かりが無ければほとんど視界は見えない。
お金を持っているのでまあ賊やらも今日が実行日でないにせよ―――下見などはしている事だってある。
辺りを武装した兵士が通るというだけでも十分抑止力であるのだ。
何もありませんように―――と思いつつゆっくりゆっくりと右・左とカンテラで照らしながら異常がないか調べて歩く。
問題が起き、それが事前に対処出来れば上乗せではあるものの、わざわざ厄介ごとを解決してまで上乗せしようと思わない。
何事もなく、歩合通りの報酬が貰えればそれでいいのだから。
深夜には慣れているし、何もない方がいいとはいえ、代り映えがない、というのはどうしても眠気を誘うもので。
ふわあ、と軽く欠伸が出そうになるのを噛み殺しながら進んでいく。
■セニア > 進み一つの裏路地を抜ければ比較的灯りなどもある箇所へと抜ける。
更に進めば、監督役の人物が通りかかり、軽く状況報告等を済ませる。
こちらは異常が無い、向こうも特に問題なし。
ある程度報告と情報交換が終われば、改めてまた、裏路地の一つを指定される。
どうしても人通り少なく、カバーしきれない部分などがあり定点で路地前を警備しているものもいれば、彼女のように巡回している人員もいる。
軽く了解しましたと言うとその指定された路地の方へと向かう。
別れた監督役は比較的安全な方へと進んでいった。
それを少しばかりじとりと一瞥する。
「……まあそんなもんだよね」
基本的に雇われが割を食うというのもいつもの事である。
いちいちそこに突っかかる気も無いし、どうせ向こうも雇われの身でこちらよ多少経験が多いだけなのであろうし。
などと考えれば、軽く肩を竦め、また次の路地へと進んでいく。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 最近は、徐々に気温も下がり、夜の活動であれば、夜風が涼しく良い感じである。
こうして、悪戯活動をするにはもってこいの時間、ではあるものの…まぁ、人が疎らな時間帯、でもある訳で。
とは言え、だからと言って、それを諦めるなんて、己が考える訳もなく。
そんな己の気紛れが、こうして、この時間の活動へと誘うのである…新たな出会いとか、微妙な感じだが。
「………しかし、あの手の者達と言うのは、よぅ頑張っておるのぅ。
毎晩と、ご苦労様な事じゃ」
とん、いつもの屋根の上の移動。
その合間に、時折、視線を下げた時に見える、巡回をしているらしき人影を見付ければ、ぽつりと零す。
まぁ、真面目にやっているっぽい者に、悪戯をするのも楽しいが…やはり、やるのならば、そうでない者達だろう。
だって、真面目っぽい連中と比べ反応が面白そうだし、なによりも、やって悪いな、との気持ちも少なめになるからだ。
…真面目な相手でも、やる時はやるが。
さて、そんな散歩の最中、たまにはやってやりたい、との気持ちが持ち上がる。
とりあえず、誰かしら目に付けば、ちょっと様子見に眺めてみようか…と、思った時、ちょうど目に付いたのが…
ふわり、と次の屋根へと移り渡り、変わらず、路地へと視線を下げる。
そこで何かしらしているだろう、誰かさんを眺める為に。
■セニア > ゆっくりとやる気なく、裏路地を進み……辺りを少しばかり見回した後また少しばかりの休憩を……、そんな時。
「……?」
ぶる、と軽く身震い。
むずむずするような……。
見られているような……?
軽くランタンを掲げて右、左と見てみるものの……基本的に相手を人間の賊と決めてかかっていたので屋根上、つまり上にいるとは思っていない。
「んん……気のせい……?」
何とも引っかかるものの、自分の視界、注視しているところには人気も気配もない。
頬を掻く。
もしかすると冷えてきて少しばかり寒気がしたのかもしれない。
終わったら酒場―――いや「九頭龍の水浴び場」にでも行こう、などと考える。
確か温かいお酒……「アツカン」とかいうのもあったはず。
値ははるだろうが、たまには真面目(と本人は思っている)に働いた分贅沢もいいだろう、などと考えつつ。
全くの上は無警戒に、上にいる彼女の存在に上手く気付けず―――少しずつまた路地を進もうと。
■タマモ > 「………ほぅ?」
偶然、眺める相手と決めた人影…遠目でも分かる、一人の女性の姿。
己の視線に、何かしらのものを感じたのだろう、その反応に、軽く瞳を細める。
大体の巡回の連中と言えば、どんだけ眺めようと、近付こうと、悪戯をするまで無反応。
これだけ気付けず、警戒も何もないだろう…と、いつも思っていたものだ。
…となると、どこまでいけるのか…!とか、挑戦してみたくなるのが、己の性格な訳で。
見た感じ、注視しているのは、人の目線程度の範囲、まぁ、普通はそうだろう。
ちょっと外しても、まさか真上に、とかなんて思いもしないものだ。
とん、と屋根を蹴り、ふわりと宙を舞う。
音も無く、距離を縮めるようにして、今度は裏路地の両を挟むような塀の上。
それでも気付けないならば、ついには、その背後にまで到達する事だろう。
…更に、そこでも気付く様子がなければ?うん、もちろん、次には悪戯が待っている。
■セニア > 引き続き路地を進む。
違和感を感じるものの……その違和感によって感知した身震いは、下がってきた気温による底冷えと勘違いしてしまっており。
彼女のとっては恰好の獲物、と言えるかもしれなかった。
「……冷えてきたからかなあ……」
とはいえ元々そこまで寒さに弱くはない、と思っていたのだが。
こんな路地に独り、という事もあり不安な感情も手伝っているのかもしれない。
と、自己分析をするものの実際に見られている、という所まで辿り着かない。
彼女が塀の上にたどり着く前に近づく気配をまた身震いという形で確かに感じたのだが―――。
「……?」
くる、と後ろを向く。
一度来た道、という事もありランタンは向けず視線だけを後ろに軽く向けた。
視界はやはり左右へと向けられたが。
遂に上、塀の上にいるとは気づけず。
「風邪ひいたのかなあ……」
軽く頭を振って前を向き直す。
一度見た個所、というのは見逃しやすい箇所となりやすい。
タマモが背後に近づいても気付けないだろう。
■タマモ > 塀の上、ここまで来れれば、相手の姿はしっかりと確認出来る。
ちらほらと見掛けていた、他の巡回している連中とは、雰囲気以外にも、その見た目の違いも。
性格の方は、どうだろうか?さすがに、そこまでは、見ているだけでは分からないだろう。
そもそも、その相手を見付けたのだって、ついさっきの事なのだから。
…となれば、やはりあれだ…試すしかないだろう。
さてどうだ…!との感じに、背後まで降り立てば、どうやら一度見たところは、そこまで注意も向かないか。
ここまでこれば、それなりの事は、距離が距離だけに、容易く出来よう。
すっと指先を立てれば、その先を、さっきから左右に揺らす、ランタンへと向け…次の瞬間。
ランタンの中から灯す明かりが、ゆらりと揺れたかと思ったら、ふっ、と消えてしまうのだ。
ランタンに隙間があって、風が流れ込み…なんてのは、今まで何も無ければ、不自然に思えるかもしれない。
その辺り、この状況となり、慌てるか、冷静でいられるか、で変わってくる事だろう。
場所が場所だけに、月明りも差さない真っ暗に近くなる裏路地であれば、闇に目がなれるのはしばし掛かりそうか。
ちなみに、ランタンに再び明かりを灯そうとしても、己の力が働いている間は叶わぬもので。
■セニア > さっさとこの路地を抜けてしまおう、そう思いランタンを前に向けたその瞬間。
「……!?」
ゆら、とランタンの灯が揺れふっと消え去る。
そんなに強く前に出しすぎた……?
と一瞬思うがそうそう簡単に灯りが消えることは無い。
となれば何かしらの力が働いた、と考えるべき、だろう。
灯りが消えれば辺りは真っ暗に落とされ、先ほどまで灯りに頼っていた分、一気に視界が塞がれて。
「……誰かやっぱり居る……?」
視界を振ってもこの暗闇ではしょうがない。
更に灯りの消えたランタンを腰にマウントし路地という事もあり、振り回すには向いていない槍を足元に置けば、太腿のホルダーにさしたナイフを一つ手に取る。
護身用のものだが今はこちらの方が取り回しがいい。
「……」
無言で気配を探りながら、路地の壁を背にしようとずる、ずるとすり足で前を向いたまま、壁の方へと移動を始めようとして。
そこで初めて背後にいる気配に気づいて。
「……誰?」
闇の中であり、彼女の玉子色の髪は暗闇の中でも目立つがそれ以外はほとんど見えない。
下手に動かず、ナイフだけを構えてどうしたものか、と考える。
■タマモ > どちらかと言えば、闇に閉ざされた瞬間、慌てふためく様子が見たかった…と言うのは贅沢な話か。
その辺り、それっぽい恰好をしているのは、伊達ではない、と思うべきだろう。
闇の中、槍を置いてナイフを手にし、壁に向かい移動をする女性。
が、さすがに闇の中とは言え、己の髪や耳、尻尾の色では目立ってしまっていたらしい。
隠せば完璧だったのに、と言われそうだが…あえて、そうしたのだ。
だって、本気でやってしまったら、間違いなく、バレる事なく何でも出来てしまうから。
気付かれる、そんなスリルを味わう意味もあっての、悪戯なのだ。
「おぉ、早い…こうもあっさりと、平常運行されると、やりがいが…」
女性の言葉に、返って来る言葉が、どこか残念そうな感じの篭った、呟きだが。
それを聞いた時、こうした仕事もしているのなら、たまに耳にするかもしれない噂を思い出せるだろうか。
悪質でない悪戯(たまに、ある意味では悪質と取られる場合もあり)を行う、ミレー族らしき少女。
どれだけ捕らえようと躍起になっても、捕らえられず、逆に悪戯し返されてしまうと言う、そんな変な噂だが。
ともあれ、闇の中、ナイフで油断なく構えているはずの、女性を前にしても。
その存在は、なにら警戒も注意もする様子なく、突っ立ったままである。
■セニア > 命の危険がかかってる故、瞬時に切り替え、その人物を捉えたものの……特に何もする事なく突っ立ったままで。
「……へ?やりがい……?」
そこに居たり、その声から彼女、という事がわかる。
少しずつ夜目に慣れてき、片目だけに集中し細めてみれば。
それはミレー族と思われる少女で。
髪は長く綺麗で明るい黄色が流れ、そこからは耳が生えており。
尻尾は狐で。
さて……とそのような特徴をもった少女の噂を思い出す。
たしか悪戯好きで……。
どんなに追いかけても化かされたように捕まらない、そんな噂。
命がかかわる、という話もなくただただ悪戯をされて困った、といった話だったような気がする。
それがこの少女なのか、はわからないが恐らくそうなのだろう、という予感があり。
「えーと……」
さて弱ったな、と。
相手からも殺気らしいものも感じない。
ただ悪戯がちょっとばかり上手い事いかず残念そう、というのだけは言葉尻から何となくわかって。
そこに思い至ってしまい、毒気が抜けてしまったのか所在なさげではあるものの一応ナイフはしまうわけにもいかず。
「つまりこれは悪戯だった……?のかな?」
そしてそうなってしまうと元来のお人よしさが出てしまい、そんなことを聞いてしまう。
■タマモ > まぁ、悪戯も結果が出れば、後は特に何をするつもりもない。
もとい、相手が楽しめそうな相手なら、楽しもうとするのだから、何もしない訳でもないか。
となれば、己の呟きに、それに気付き、呆気に取られている雰囲気を感じ取れば、はふぅ、と大きなため息を一つ。
目の前の女性が、目が慣れてきて、己の姿を確かめている間。
そもそも闇の中で移動をし、目の慣れていた己は己で、その相手の事をじーっと見ていたりする。
怒ってくれるなら、それを茶化したりするように煽るのだが…どうやら、その様子からお人よしっぽいか?との思いも。
だから、ひとまずは、もうちょい話してみようか、なんて思う訳だ。
「あー…まぁ、そうじゃなぁ、あからさまに驚いてくれたりしたら、面白かったんじゃが。
お主は、なかなかに肝が据わっておるらしい、残念無念じゃ」
突っ立っていた少女だが、その言葉と共に、ゆらりと体が揺れ。
無造作に、無防備に、そして…反応もさせない流れで、女性の目の前を位置取る。
もちろん、相手がナイフを手にしたままなの、それを分かった上でだ。
まぁ、ただ女性へと向ける視線だけは、暗い闇の中で女性が手にするナイフを視線の端に捉えるように向けているが。
■セニア > ふうとため息をつく少女。
それはやはり残念そうなため息で。
……なんかこっちが悪い事をしたみたいな気持ちにすらなってしまう。
こちらが彼女を見ている間、どうやら彼女もこちらの様子を見ているようで。
「あー……それはね、うん。命の危険があるかもしれなかったから。降りかかる火の粉は払わないとだったから。面倒だけど―――っ」
ごめんねというような意志すら感じる返答。
生粋のお人よしさがここにも出ていた。
言い終わる前にその狐耳の少女がふらりと全く反応できず目の前へと動いて。
びくっと身体をビクつかせて思わずナイフを取り落とそうとして。
わっわっとナイフをお手玉をして慌てて回収する。
「ちょ……ちょ……あぶなっ」
全く感づけず目の前にきた少女に急におたつきだして。
集中していなければ……この様であった。
■タマモ > 少しだけ話を続けて、そして、試しに距離を縮めてみた。
うっかり手にしていたナイフで刺されてしまう、なんてドジをするつもりもないが。
そうした可能性を、逆に女性の方がしていたようで、ナイフのお手玉を瞳を細め見詰めてしまう。
「ふふっ…確かに、無きにしも非ず、ではあるか。
しかし、そんな危険性が無くなった今であれば、安心出来るかのぅ?」
くすくすと、楽しそうに笑いながら、すぐ目の前の女性の顔を覗き込むように、軽く上体を屈めて上目遣いに見上げ。
そんな姿を見せてくれる女性を、可愛らしく思ったか、するりと伸びる手が、女性の背に回されようとする。
その動きには、特に悪戯をしよう…いや、ある意味悪戯かもしれないが…そんな雰囲気は、余り感じられないが。
避けたりしなければ、そのまま、抱き寄せようとするだろう。
それが叶えば、僅かに低めの身長であれど、顔と顔がかなり近い状態になるのだが、さてはて。
■セニア > ナイフを何とか傷つけず手中に収めて、ホルダーへ直し、ふうと一つ息を吐き、改めて少女へと視線を向けようと。
「え……」
そんなどこか無邪気な笑いと楽しそうな声が聞こえ少し下を見れば、目の前には彼女の金赤の瞳がこちらを覗き込んでおり。
ふわ、と彼女の手がこちらの背へと回される。
相変わらず、身の危険などは感じない。
ここまで接近され、所謂パーソナルスペースを侵されているのではあるから何かしらの警鐘は出るものだと思うが、それも湧き上がらない。
本当に化かされたようで―――彼女に身を任せてしまっている。
されるがまま、タマモに抱き寄せられる。
再び彼女の金赤の瞳と視線を絡ませて。
■タマモ > あの直観の良さは、状況によって、のものなのだろう。
今、目の前の女性を見ていると、そう思えてしまうのは仕方ないか。
己の腕の中に収められ、何ら抵抗も、警戒も感じさせない様子に、じっと、その瞳を見詰め続け。
「あぁ…そうじゃな、そんなところを見せられてしまっては…」
ゆっくりと、更に距離を縮める、顔と顔。
そのまま、鼻先が触れ合う程にまで、寄せてしまえば。
「今日、悪戯をたっぷりとされてしまうのは、巡回をしていた一人の女子、となるんじゃろうか?」
視線を外さぬまま、相手もまた、視線を外せぬままであるのなら。
そんな囁きと共に、ふわりと、周囲の空気が緩やかに流れる。
そうした柔らか流れと共に、あと一歩、顔を寄せ…その唇を、重ねる事が出来たのならば。
言葉が真実となる事を、その身で知る事となるのだろうし。
避けたなら避けたで、別にそこは気にせず、もう少し、ゆるりとした時間を共に過ごして貰う事になるだろう。
■セニア > 危機感を感じず、ただただ彼女に抱きかかえられて。
妙な安心感すら感じてしまっている。
じい、と見つめる瞳は何を考えているのか……今の彼女には伺い知る事は出来なかったが。
それは次の言で理解する事になり。
「いた……ずら」
彼女の言葉を一つ鸚鵡返しにして。
その悪戯、というのがどういうものなのか、理解できないわけではなく。
近づいてくる彼女の顔と唇に。
抵抗なく、同意するかのように軽く触れるような口づけを交わす。
狐に拐された一人となることを。
■セニア > 【継続・お部屋移動】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からセニアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からタマモさんが去りました。